木で覆うだけで耐火建築?木造ビル?
大成建設が、「木材で覆うだけで耐火になる」建築方法を考え出したという。
正確には、準耐火構造らしいのだが、鉄骨を木材で包むと45分間の準耐火性能を発揮するのだという。ちゃんと国土交通大臣認定を国内で初めて取得そう。理屈はものすごく単純。木材は水分を含むので厚い木材で覆うことですぐに燃え尽きずに時間を稼げるとか。これって、今までさんざん木造建築は火事に強いと言い訳?してきた原理そのものだ。
しかも耐火被覆と内装意匠を兼用する木板は、製材、集成材、単板積層材(LVL)、直交集成板(CLT)などを選ばず、さらにスギでもヒノキでもカラマツでも、ようするに樹種による制限もない。施工費は安くなって、施工時間も短くなる。……なんだかいいとこづくめ。
私が注目したのは、この準耐火構造の建材ではなく、木材をデザインとして使う点である。芯は鉄骨でも、木材で覆うことで目に映るのは木となり、デザイン的に人の感性に刺激する。その上で準耐火だから高層建築も可能になる。
逆に言えば、なぜこれまで行われなかったのか。おそらく木造建築は、芯まで木造にこだわったからではないか。中に鉄骨のような非木材を使うのをよしとしなかったのではないか。しかし「柱は木材」の呪縛から離れると、一気に選択肢が増える。これは、私が以前より提案していた「建築はみんな鉄骨・鉄筋コンクリートでよく、ただ表面を木材で覆うだけで木造になる」……という理論?の後押しにならないかなあ。
こんな記事も書いていたのだよ。
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