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森と林業の本

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2022/06/22

触る樹木、触る木材 そして触る森

写真は、ニッポニア・ニッポン。トキの模型である。木製だ。

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大阪の国立民族学博物館に展示されていたもの。単なるデコイではなく、足元に書いてある通り「じっくりさわる」ための模型だ。

これを展示しているのは、「触る文化」を提唱しているかららしい。主催者は、盲目の文化人類学者広瀬浩二郎氏だという。

なるほど、盲人は触って対象を理解するわけだ。それは目が見えないからではあるが、この手法を健常者も応用すれば目で見る姿とは別のものを感じるはず。つまり目が見えようと見えまいと、触って理解できる・触った感触からつかめる対象の姿を捉えようというわけだ。

ふと、これを樹木でやってみたらどうなるか、と考えてしまう。樹木の全体像を触るのは難しく、それが森林となると不可能かもしれないけれど、目で見ても森どころか1本の木だって全部を子細に見て理解しているわけじゃない。おそらく全体のごく一部しか目に情報として入っていないはず。高い梢も、地中の根も見ないで、どうして樹木がわかる? 花も葉も一枚一枚違うかもしれないし、樹皮とその下の木肌の違いは?樹液に触ったらどうしよう……。

ようは、人の感覚器官なんぞ対象を全部捉えるわけではないのだから、触覚に頼るのもアリかもよ。加えて聴覚で捉えた森、嗅覚で捉える森もあるだろう。舌で感じる味覚の森も(^o^)。

 

木育は、ここからスタートしてもよいかもしれない。木を見て森を見ずというけれど、木を触って森を理解することもあるはずだ。

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