無料ブログはココログ

森と林業と田舎の本

« 続・業界脳……でなく業界ノウ? | トップページ | Y!ニュース「木を伐り木材を使えば脱炭素?…」を書いた理由 »

2022/07/19

「他人の山でも蔓を切る」?

実は、土倉庄三郎の本の改訂版を出そうとしている。『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』(洋泉社)を出版して10年、書き上げたときは、もうこれで書き尽くしてオワリのつもりだったのだが、その後次々と新しい事実やエピソードが浮かび上がってきた。それらを追いかけると、また違った庄三郎翁像が見えてくる。本は絶版になって手に入らないことから福製本として『樹喜王 土倉庄三郎』(芳水塾刊)を出版したのが、2016年。百回忌の年である。だが、こちらもそろそろ品切れ。

そこで、全面的に書き改めて新たな本にしようという目論見なのだが……。

庄三郎は「木を育てるのにどんな肥料を与えたらよいですか」という質問に対して、「これだ」と見せたのが腰の鎌だったとか。山に通い、苗の周りの草を刈ることで木の成長を促す。刈った草を苗の根元に置くことで肥料となる、と説明した。さらに「山で木に蔓が巻きついていたら、それが自分の山でなくても伐ってやる。それで、その木が大きく育ち国を富ませることを思えば、なんと楽しいことか」と言ったとかなんとか。

 

さて、先日の吉野の山の余祿。葉枯らし乾燥している現場のすぐ側にあったスギの木。

2_20220719203801

なぜか、この木だけ蔓が伸びてしまったのだが……。なんだか見事な装飾ぽい。しかし、蔓が巻きついたら育ちが悪くなるだろうか。いや、もしここまで大きく育ったスギには関係ないかなあ……。が、そこで土倉庄三郎の言葉を思い出したのである。

他人の山でも蔓を切ってやるべきか。

ええと。これから車までもどって、積んである鎌を取り出して、また山を下って蔓を切ることは国を富ませるよいことでしょうか。

へたれの私は、結局放置したのであった。。

皆さんはどうする?

Sanrino Photo_20220719205401

 

 

« 続・業界脳……でなく業界ノウ? | トップページ | Y!ニュース「木を伐り木材を使えば脱炭素?…」を書いた理由 »

林業・林産業」カテゴリの記事

土倉家の人々」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 続・業界脳……でなく業界ノウ? | トップページ | Y!ニュース「木を伐り木材を使えば脱炭素?…」を書いた理由 »

December 2023
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

森と筆者の関連リンク先