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森と林業と田舎の本

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2022/07/05

分断の林業-建築をつなぐもの

たまには、自分の書いた記事を紹介しようか。

オルタナ2022・7月号(69号)に連載中の『「森を守れ」は森を殺す』では、

林業は「分業」から「連携」へ

と題して、新しい動きを紹介した。もともと日本の林業がドツボなのは、各分野ごとに情報が寸断されていて、無駄ばかりだしていることと指摘してきた。おかげで木材の歩留りは悪化の一途だわ、管理マージンが膨れ上がるわ、チャンスロスと在庫ロスが詰み上がるわ……。育った木(バイオマス)のうち商品になっているのは、実質1割ぐらいではないか。

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それをつなぐために様々な試みはされているが、結局大成功とはいかない。やはり第3者がしゃしゃり出て間を取り持とうとしても無理なのではないかと思わせる。

そこで各人の努力に目を向けたい。取り上げたのは、まず自伐林業。自伐型林業ではないことに注意。あくまで森林所有者が自分の山を自分で伐るタイプだ。自伐型なんてわけわからん言葉使ったって、請負になったら山主とは乖離する。山主自ら動けば、少なくても上流の山主-素材生産-搬出まではつながる。山主ならやる気次第。

次に林地で行う製材。言い換えると、林業家自らが製材に乗り出すやり方。もちろん設計士、工務店から情報を得て、必要とされるサイズに山土場で造材から板、角材までしてしまう。幸いい、移動製材機はどんどん登場している。さすがにモルダー掛けやプレカットなどは後で専門工場でやればよい。
すると、これまで傷がある、曲がっているなどとB級品扱いしていた木も、サイズによっては十分に活かせるし、歩留りを上げることができる。しかも製材品は山で天然乾燥させてから搬出すれば、随分軽くなって燃料費も浮くというものだ。林家・素材生産業者レベルで取り組める。

そして大型パネル。これは工場で家をパネル化してしまう方法。現場では、パネルをつなぐだけ。大工の効率がよくなり、作業も楽になる。それ自体は建築業界の要望なのだが、そこに山側の人(林業家、森林組合など)が参入することで、一気に山に還元される収益を増やすことができる。必要な建材をすぐ調達できるうえ、木材以外の建材も仕入れから扱うので、マージンがいただける。森林組合などが取り組めば利益も大きくなる。

さて、どこの地域はどれを採用するか、はお好きにしてほしい。それぞれ主体の規模が違う。少なくても行政は関係なく、自らの利益を上げるためにやる手法だ。別に地域上げてやらなくてもいいし。やったところだけが儲かる。やる気のないところが切り捨てられるのがよいところ。

いずれも情報が生命だから、各段階の情報収集をきっちりできることが最重要だ。

 

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