林地開発許可制度による面積変更
林地開発許可制度の変更が計画されている。
林業関係者なら誰でも知っているかと思うが、ようするに民有林は、1haを超える開発行為について都道府県知事の許可を必要とする、というものだ。
森林法第5条の規定で、国有林と保安林以外の都道府県知事がたてた地域森林計画の対象である。開発行為とは、土石や樹根の採掘や、開墾など林地以外へ転用するため土地の形状形質を変更する行為とされている。木を伐るだけならよい(伐採届を受理されないとダメだけど)が、幅員3m以上の林道・作業道を入れるとなると、わりと抵触するケースは多いのではないか。
この規制面積が、1974年の創設以来、初めて引き下げられるという。1haから0.5haにするという中間とりまとめが出た。林野庁が設置している「太陽光発電に係る林地開発許可基準に関する検討会」が提言した。
検討会名が示す通り、小規模な林地開発に対する“監視力”を強化して、太陽光発電事業の拡大に歯止めをかけることだろう。
昨今、問題化したメガソーラー開発対策である。今や50、100haなど当たり前になっているからね。なかには800ha近い計画もあるほどだ。それを林地を切り開いて行うなんて、ホント言語道断なのだが、規制の決め手になるだろうか。
しかし政府全体は、メガソーラーも推進の立場だけに、なんでもかんでも止められるわけじゃない。
どんなに申請の必要な面積を縮めても、許可があっさり出てしまったら意味ないからなあ。やはり重要なのは許認可する担当者の見る目だろう。やはり開発予定の現地を歩いて、しっかり水はけルートや地質、地形から土砂の動きを読み取る知識が求められるし、整地や設置工法の問題点を指摘できる能力を持ってほしい。さもないと書面上の数字などで「はい、安全ですね」とハンコを押されたら(ハンコ押すのかどうかは知らないけど)規制にならない。
一度、許可を出すと、その後止めるのは難しいし、違反行為があっても是正勧告自体があまり機能しなかったりする。
一方で、これまでの半分になったら林業関係者も影響受ける面はあるだろう。
この手の小面積ソーラーの設置も、今後は面積的に引っかかる可能性はある。
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