「無断伐採」届け出のむなしさ
林野庁が、届け出のあった無断伐採の件数一覧を公表している。
「令和3年1月から12月までに情報提供や相談等があった事案について調査結果」だというのだが、具体的な県や市町村など場所や面積などは記されていない。しかも(盗伐ではない)誤伐も含めており、明確な(故意に伐採した疑いのある)盗伐はさらに少ないように読み取れるので、余計に実態がわかりにくい。まあ、たいていの盗伐は、初っぱなは誤伐と主張されるのだから怪しいのだけど。
今回の総計は105か所。うち故意のものが17か所。誤伐が67で、不明が21。ふ~ん。(笑)
相談件数とあるが、自治体窓口と警察窓口を比べると、警察の腰の引け方が想像できる。さらに立件数はいくつなんだ。相談しても盗難届を受け取らないのだから。そもそも届け出ていない無断伐採、山主が気づいていない無断伐採は含まれないわけで、実態は、これらの数字の幾十倍になるのではないか。
実は警察庁も内偵していると聞くが、県警に取り締まりのハッパをかけるためじゃなくて、県警の弱みとなるネタを握るためではないかな。
こうして無断伐採された土地も、統計上は森林として残る。帳簿上はすくすく育つ木が描かれて、森林蓄積とか炭素貯蔵とかの数字に計上されている。
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