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森と林業の本

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2022/07/26

スキー場が潰れた理由

今日は早朝より1400m級の山に昇ってきた。これ、日帰りはきついよ……。

面白いのは、その山にはかつてスキー場があったこと。なんと森林を皆伐した跡にスキー場をつくろうと思い立ち、いきなり300人収容できる山荘を建てるわ、リフトも完備するわ。奈良県にそんなデカいスキー場があったとは感動もの。
もちろん昭和30年代の話だが。スキーが日本で広がり、ブームになると睨んだのだろう。この開発会社の社長、なかなか鋭い。その読みは当たった。たしかに、それから10年ぐらいすると日本中にスキー場がつくられるようになったのだ。奈良は先んじていた?

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昭和39年にオープン。 が、5年後に閉鎖される。なぜか。それが笑える。雪が降らなくなったとか、ではない。

そこまで開発したのに、スキー場までの到着する道がつくれなかった\(^o^)/。だからスキーヤーは歩いて山を昇らなくてはならなかった。

ちなみに私は、最寄りの駐車スペースから1時間50分でたどりついたが、なかなかの道であった。渡河すること何回か。ロープを伝わって渡るのだ。そこに梯子を昇ったり、崖に設置された橋を渡るのだが、どちらも腐っている……。かなりの急難コースだろう。道そのものはしっかりあるので迷うことはなかったが。これが夏の場合。雪があれば何時間かかるのか。

でも、5年間は登ってたどりつくスキーヤーがそこそこいたらしい。当時のスキー好きはたくましい。

当時は、もう少しマシな道でも着けていたのだろうか。しかし、ゲレンデとなる平原まで周りは急斜面ばかりである。山荘を築くのに資材搬入の道は入れたのだろうか。あそこに車で登れる道路をつくるのは当時も今も、かなり難関だろう。

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リフト跡か。残骸が各所にある。

伐採跡地をスキー場に、という先見の明はともかく、開発の順番が間違っとる。

目先ではなく、先を読むこと。流通ルートが大切なこと。どんな事業にも当てはまる。なんだか今もありそうな開発である。

 

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