古材はクールか?
たまたまつけたテレビがBS1で、COOL JAPAN〜発掘!かっこいいニッポン〜
をやっていた。そしてテーマは「中古〜Second-hand〜」。この番組は、外国人の目から見た「日本のクール」を紹介する番組だが、そこでは日本人は中古品をよく利用すると思われているのか。
ただ画面に映っていたのが古材だった。古い家屋を取り壊した際の太い木材を別の建築、あるいは木工に活かしていることを取り上げている。
それでそのまま見ることに。途中からなんで、あまりはっきり番組の全容はわからないが、NHKのHPで紹介されているのは、こんな感じ。
中古天国ニッポンを外国人たちが深堀り!▽リサイクルショップの品ぞろえと品質に、外国人もびっくり!▽「これが中古品なの!?」数十年前のピアノはピカピカに再生され、海外でも人気。▽100年以上前の古民家の木材は、高価格で取り引きも。モダンな空間にぬくもりを与える古い木材の魅力を探る。▽「こんなものまで中古品として売れるの!?」驚きの中古品市場は、外国人たちにはどう見えるのか?
BS1で9月26日(月)午後5:00再放送予定。録画予約しようかな。
ところで、日本は基本的にそんなに中古品市場が大きいわけではないし、リサイクルが進んでいるわけではない。はっきり言って先進国の間でも落ち目である。むしろ精神文化的にも禊ぎとかいって、新しいものを好む。
日本はサーマルリサイクル、つまり熱利用が多くて、ようするに焼却処分をリサイクルと呼んでいる誤魔化しである。それも熱利用というわりには燃やして出る熱のうち何%を利用しているのか怪しい。さらにゴミ焼却場ではほとんど発電していないし、バイオマス発電では全然熱利用はしないとちぐはぐだ。
だが、古材では? 日本の建築廃材はほとんど焼却されている(それも建築リサイクル材と呼ぶが)。しかし、一部の古い家では立派な木を柱や梁にしていることから木材再利用が可能である。その例外を見ると、なかなかクールなのだろう。かなりきめ細やかに古材を仕分けして、その利用法も多岐に渡る。古民家インテリアのようにもなる。
欧米では、あまり古材利用は行われていないのか。古い家屋やアンティーク家具のように古い木材の味を楽しむ文化はあるはずだが、古い建築材を別のものに作り変えるような使い方はしないのかもしれない。(知らんけど。)
以前、古材バンクを取材したことがあるが、あまり有効に機能していなかった。最近は解体も重機で破壊してしまいがちだし、在庫の場所や経費が馬鹿にならないし……。が、クールと見られているのなら、古材の再生ノウハウを広げる可能性はないのか。
お寺から出た古材。数百年経っている。
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