「冒険の森」のパイ
奈良県王寺町に「冒険の森」がオープンしている。
「冒険の森」とは、簡単に言えば森の中のアスレチックだ。わりと立木の上にルートが作られることが多く、ちょっと体力も勇気も必要。ただしガイドがしっかりついて安全面には気をつけている。
もとはフランスで広がった「フォレストアドベンチャー」が日本に持ち込まれ、そこから独立したのが「冒険の森」。自然共生型アウトドアパークというキャッチフレーズだ。単なる遊具としてのアスレチックと違うのは、わりと地域起こし的な視点があって、森を利用した地域づくりが謳われる。どちらも合わせると、全国で何十か所になったか。どんどん増えている印象。
それ自体はいい。また高さ10mぐらいの木の上を渡り歩くなど、子供の遊び場というより大人の愛好家が多い。
私も、以前はこの動きを推奨していたのだが、全体のパイ、つまり需要はどれほどあるのかと考えてしまった。全国に両方を合わせると60ぐらいあるのではないか。とくに関東圏は多い。冒険の森は関西圏中心。ほかにも「ポケモンの森(ポケモンワンダー)」とか「ツリーピクニック」なんてのもある。私も、それらを「私が期待する森の利用法」を書いている。
たとえば奈良には,山添村に「冒険の森」がある。その運営母体が王寺町にもつくったわけだが、王子町は奈良県でも人口が増加しており人気の地域だ。大阪にも近い。それだけに集客は期待できるだろうが、逆に森の区画は狭い。周りは住宅地になってしまっている。
山添村は大和高原にあり結構遠い。果たして食い合わないか? さらに遠い十津川村には「空中の村」という同じくフランスから導入した施設があり,こちらはアスレチックというよりのんびり木と木の間を歩いたりお茶したり読書したり寝転がれたりする趣向。遊ぶより癒し、と大人向きを極めた感じ(笑)。経営者がフランス人という点も興味深い。もちろん、中身のコースの違いなども重要だろう。
今後はコンセプトの住み分けと、内容次第だろうね。スリルがある方が人気がありそうではあるが、その分ガイドがしっかりしないといけないし、コストは増える。ガイドの質も問われるし、宿泊させた方が落ちる金も増えるはず。
さてさて、健全な競争をしてもらいたい。
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