新聞に「山崩れと林業政策の関係」
朝日新聞に「てんでんこ」という災害関係の連載が長く続いているが、今週は「山が崩れる」シリーズ。
この記事の出色なのは、はっきり林業との関係、それも林政問題に触れた点だ。
これまで単発で、「山の人工林が皆伐されたから山が崩れたのでは」といった記事はあったが、その背景に林野庁の「林業の成長産業化政策」や「木材自給率50%をめざす」「平均林齢の若返り=皆伐再造林」といった政策があることを記した新聞ではなかったように思う。
記事の内容を個別に見れば、多少不満もあるにはあるが、とにかく書いてくれた\(^O^)/。
一応、ネット先のリンクを張っておくが、有料記事なんだよな。。。「てんでんこ」
なお皆伐してもすぐ崩れるのではなく、根株が腐る10年~20年後が危険と指摘する。(私が学んだところによると5年から崩れだす、というものだったが、地質や地形などケースバイケースだろう。)
つまり皆伐が全国に拡大し始めて約10年が経つ今、もっとも危険な時期を迎えたことになる。今後、皆伐地、とくに作業道が縦横無尽に入った山は相当危険だろう。ちなみに記事には「崩れにくい工法を学び、実践している。しっかり排水措置も取ったが、想定を上回る大雨が降ったのが一番の原因」と皆伐した業者の弁解を載せている。こんな言葉信じられんよ。どんな工法なんだ、皆伐しても崩れない工法って。だいたい結果責任だよ。崩れたら責任とるべきだ。
なお、私がさらに許せんのは、こうして山が崩れた後の復旧工事は公共事業として税金で行われること。施業者にも負担させるべきだろう。そうしたら怖くて皆伐なんかできなくなるから。
私がチマチマと雑誌やネットに書くよりは、影響力があることを期待する。
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例え植林したとしても、伐採木の根の保持力が弱くなる5年後から崩壊が始まると私も学びました。線状降水帯による豪雨が作業道を樋にして流れ込み山地崩壊を招く事例が増えると思います。崩れない様にしっかりと締め固めされた路盤は、皮肉な事に雨水を地下水化する事なく弱い箇所に集まり崩壊を招きます。そうです、人災です。それが怖い業者は、最小限の幅員で作業道を作設し、30%以下の間伐で一旦様子を見ます。
投稿: 山のオヤジ | 2022/10/02 12:26
そう、堅固な作業道をつくると、それ自体が樋として働いてしまい、排水箇所では表土をえぐりますね。いかに分散して排水するかが技術でしょう。そして施業法の選定も。
本来の林業家は、そうしたトータルな技術を考えるものだと思います。
投稿: 田中淳夫 | 2022/10/02 15:33