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森と林業と田舎の本

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2022/10/13

「東大卒女子が林業」の記事バリューは?

こんな記事がYahoo!ニュースに流れ、コメントを求められたので、さらさらと一筆。

29歳で“きこり”になった東大卒女性「運命的な仕事につけた」

元は「CHANTO web」という雑誌?ネット記事のようだが、ようするにこの記事の要点は、「東大卒」「女子」が林業界に入ったよ、というもの。そのまま(笑)。

いまさら言うまでもないと思うが、まだまだ「林業」にも「女子」にもバイアスがかかっているようだ。

ちなみに20年以上前になるかと思うが、和歌山県の龍神村森林組合に女性が入った(たしか東京農大大学院卒)ことがあって、取材に行ったこともあるのだが、彼女は殺到する取材に辟易している様子がありありで、申し訳ないことした(笑)。笑っちゃイカン。

当時は「大卒・大学院卒」で、「女子」で、「地縁のない」ところの森林組合に入った、というのが記事の要点だった。

たしか、その前に静岡県龍山村森林組合に、地縁のない女性が勤めたことがあって、それが、この手の記事の嚆矢だと思う。

もっとも女性自体は戦前から山仕事をしていたわけだし、結局は学歴とか地縁・血縁のない人が山村に移り住んでまで林業やるか? という点にニュースバリューがあったのだろう。それが「緑の雇用」事業などもあって、地縁のなさは珍しくなくなった。女子も、今では全国にいる。林業女子会なる不思議な組織も全国展開。結局、今回は「東大卒」という点がバリューとなる。まあ、東大卒の林野庁職員はいるし、それが辞めて現場に入った(入れたのか、はっきり記憶がない)というケースもあるようだが……。
だいたい本記事の主役の彼女が記事になるのも何度目か。私が目にしただけでも相当な回数になる。かつて私がした「申し訳ないこと」を繰り返している気がする。

というわけで、私のコメントは、そんな世間的なバリューには触れずに林業現場職の現状と雇用の問題点を指摘する、きわめて真正面からおとなしく切り込んで(^^;)書いたのである。なお、この記事の最後に、彼女は結婚して現場から離れたとある。それなら、いよいよバリューは何か?と首をかしげるのだが……。もしかして「運命的な仕事」とは何か、という哲学的記事か?

まあ、記事を書いたライターは、林業界の事情には明るくないということか。

 

 

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