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森と林業と田舎の本

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2022/10/03

伝統工芸支える?御籠り漆器

我が家の物置やら食器棚の奥やらを掃除していて、次々と見つかる食の什器類。

その多くが漆塗りであった。

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箱がボロボロというか埃まみれで、もう要らないと出したのだが、陶器のほか、やたらトレーが多い。丸盆や長手盆。木ばかりでなく竹工芸品も出てくる。大きな碗は、手捏ね碗とあるが、これでウドンでも捏ねるのだろうか。会津塗りのほか、産地はわからないがケヤキ製の漆器もある。竹製漆器はどこか。

なぜ、こんなにあるのか。ほとんど使った様子がない。そもそも普段使っているお盆、トレーもあって、そちらも木製漆器があるから、一体何枚あるのか。そして、なぜあるのか。

おそらく祝儀などの貰い物だろう。結構な価格をするもので、たいして使うよう用事もないのに、わざわざ購入するわけない。何らかの祝品と返礼などでもらったものの使わず直し込まれていたのだろう。

実は、今どきの漆器などは、多くがそうした贈答品なのではないか。日常品にはなりにくい。お椀だって、普段遣いはプラスチック、あるいはウレタン塗装のものを使う。本物の漆器を日常に使って傷ついたらどうするの! いや腕のある職人の作を気軽に使うのは恐れ多い? 
かといってお客様を迎えたときに物置に走って取り出して、埃を払って提供する……という手間はかけない。そもそも存在を忘れてる。そんな品を「御籠りさん」「御籠り什器」と呼ぼう。

おかげで使われなくても一定の需要となった。それが工芸品の生産の結構なシェアを占めている気がする。

しかし、今やそうした贈答の習慣も薄れつつある。結婚祝いなどでも家電の方が喜ばれるし、カタログでプレゼントすることも増えた。カタログで漆塗りトレーなんて選ぶ人は少ないだろう。

無駄を廃するのは悪いことではないが、伝統工芸が廃れる一因かもしれない。使ってナンボというのが私の気持ちだが、高価ゆえ使わなくなるのだな。もう少しハイカジュアルな分野を切り開けないか。高級感があって心地よいけど、御籠りさせることなく日常に使う、価格も多少は高いが出せる範囲……という工芸レベルを生み出さないと、伝統の技を発揮する場も消えてしまうよ。

 

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