木材自給率がダウン!その裏事情を読む
昨年度の木材需給表が公開されていた。
それによると2021年の木材自給率は41.1%。前年と比較すると0.7ポイント低下した。つまり伸び調子だった自給率がついに頭打ち?
ただ建築用材等の自給率は48.0%で前年より0.8ポイント上昇する一方で、非建築用材等の自給率は35.5%で前年と2.0ポイント落ちている。
自給率だけでなく、木材量を数字で見ると、2021年の木材の総需要量は8213万2000立方メートル。前年より769万3000立方メートル(10.3%)増加している。その中身は、用材が575万立方メートル(9.4%)、燃料材が193万9000立方メートル(15.1%)増加。また輸出量は325万1000立方メートルで、前年から24万2000立方メートル(8.0%)増加した。
そして国内の林業を計る指標は国内生産量だが、2021年は3372万3000立方メートル。前年より257万4000立方メートル(8.3%)増加。12年連続で増加し続けていた。一方で輸入量は、4840万9000立方メートル。前年より511万9000立方メートル(11.8%)増加。うち用材が360万3000立方メートル(9.1%)、燃料材が151万6000立方メートル(39.1%)増加である。
こうした数字をどのように読み取るかは、皆さん、じっくり考えてください\(^o^)/。
そもそも前年、つまり2020年がコロナ禍もあって需要が激減していたわけだ。だから需要量そのものは2019年と同水準にもどっただけと言える。20年の木材自給率は、需要が減ったのに供給が減らなかったから伸びたのだろう。今回落ちたのは、ある意味正常。
私は、需要量は経済動向がそのまま反映されて、減ったり増えた(元にもどった)りしているなあ、と感じた。一方で生産量は変わらず増え続けている。こちらの方が異常じゃない?というか、需要に対応していないのは、経営的には危ない。
さて25年に木材自給率50%は達成できるかな?
今後、木材需要はわずかに伸びる程度だが、国産材利用量は格段に増える、という予測を出しているね。とくに製材が伸びるのだと。
勇気ある予想だ(笑)。
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