ちんどん通信社から振り返る初心記事
大阪の古本市に行ってきた。
折り合い悪く、雨。まあそれでもテントの中で古本を漁っていたわけだが、そこにちんどん屋が登場した。
女性三人組のちんどん通信社だ。雨の中、古本市を宣伝するために練り歩き口上を謳い上げる。傘を差しながらとはご苦労さん。盛り上がらないけど仕方ないなあ……(´Д`)。頑張ってほしい。声をかけようかと思ったが、私は私で本漁りに忙しかった。
それで思い出した。私は、この業界(マスコミ)に入って新人のときにちんどん屋の林幸治郎さんを取材している。その林さんが設立したのがちんどん通信社だった。まだ職に就いて1年経っていないときに行ったインタビュー記事は、結構自信のある出来だった。そこで、その記事を探してみた。
リクルートブックの一冊に掲載されていた。林さんは立命館大卒でちんどん屋家業を始めたので、学士ちんどん屋として注目されたのだ。それこそ就職の道を探るリクルートブックに合っていたのかもしれない。
読み返して、傑作だ、と感嘆\(^o^)/。
おれって、新人の頃からこんなすごい文章書いていたのか(笑)。まあ、今なら使わない表現や言い回しなどはあるが、記事としてはなかなかの出来であることに自信を深める。いやあ、自分で自分を褒めるのは楽しいなあ。
この記事の時は「青空総合宣伝社」という会社に勤めてちんどん屋をやっている。その後、独立してちんどん屋を専門に行う会社を興したのは知っていた。たしか、幾度かイベントで顔を合わしていたはずだ。私より年上だから、今は社員に任せている面もあるのだろう。女性ばかりの組もつくるようになったか。「ちんどん通信社」のHPを見ると、社員は20人以上いるし、海外公演も馬鹿にならない回数をこなしている。史上最高のちんどん屋!と書いてある。
思えば、取材した1980年代はちんどん屋が絶滅寸前だった。年寄りばかりになり、仕事も減っていた頃。そこに若手が参入して大きなムーブメントを起こした。今や全国にちんどん屋という宣伝技法はひろがり根付いている。彼も本を何冊か書いているようだ。
久しぶりに出会ったちんどん屋から昔の記憶を掘り起こすのは、年をとった気がする初心に還るチャンスかもしれない。当時の取材力を取り戻そう。
ちなみに私の本漁りの方は、そんなに大きな収穫はなかったが、何かに使えそうな、そして楽しめそうな本をそこそこ買い込む。実は、来週も古本市があるんだよなあ。
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