「クローズアップ現代」で取り上げたバイオマス発電
24日のNHK「クローズアップ現代」で取り上げたのは、「そのエコ、本当ですか?」企業に正面から聞いてみると……
ようやく、こうしたテーマも扱うようになったという思いはあるが、ちょっと突っ込みたくなる面もあった。
紹介したのは、エコバックや紙ストロー、椰子の実洗剤などが中心だが、バイオマス発電も取り上げた。
日本のバイオマス発電の燃料は多くが海外から運ばれているとして、その輸送の環境負荷に加えて、カナダの伐採現場も紹介している。天然林を皆伐して木質ペレットを造っているというのだ。すべてペレットにするわけではないだろうと思いつつ凄まじい現場の写真を目にできた……。
これは、私からするといまさらなのだが、よくぞ取り上げた、と思っている。ただしカナダだけでなく、むしろシェアトップなのはベトナムの木質ペレットである。そして、FSC認証を取っているのが売り物だったのだが、その内容の虚偽がばれて認証を剥奪されている。今後、日本の購入する発電所側も「森林認証受けてますから」と言い逃れできないはず。
そして、この番組では日本のバイオマス発電所に関しては、国内の間伐材を使っているところもあるとして、こちらはよいと言わんばかりの紹介の仕方をしている。
だが、国内であっても、相当な距離を運んでおり、しかも山は燃料調達のために皆伐しているところ多数なのだ。本当に端材や林地残材で発電しようと思ったら、日本では2、3か所しか建設できないだろう。さらに輸送距離を50キロ圏内にしようと思ったら、ほぼ無理となる。
だいたい画面に映っている「間伐材」というのもやたら立派。これを燃料にするしかないと思うのも情けない。
これって、番組の最後で指摘する「グリーンウォッシュ」じゃない?
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