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森と林業の本

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2022/11/10

リニューアル劣化博物館

奈良県内の某博物館に寄ってきた。

以前、ふらりと寄った際に、意外や?その豊富な展示に驚き見直したものだ。いきいきと人々の生活が浮かび上がる。吉野は桐の産地でもあり、奈良は桐下駄産業が盛んだったことや、膠づくりも重要だったことも示されており、私は非常に参考になったのだ。

そのことは、以前にもブログに記している。吉野は桐の産地だった

今回、たまたま近くを通り掛かったこともあるが、実はその内容を深掘りしたくて寄ってみた。ちょうど展示をリニューアルしたとの報道も見かけたからだ。あの展示は今書いている内容に関わりがあるので、新たなインスピレーションを得られるかもしれない……。

入場料500円。ここは団体客が主で、この時は私以外観覧者はいない。ゆっくり見て回れるという期待があったのだが……。

なんと、展示がガラリと変わった。悪い方に。

以前、注目した明治時代の奈良の産業部分はばっさり切り捨てられたようだ。そして、展示がほとんどパネルのみ。せいぜい昔の雑誌や新聞紙面が並んでいるだけ。パネルも文字が多く、写真は人物中心。かつての生業に関する展示はほぼゼロ。

えっ? と驚いて入るところを間違ったのか、と思わせる程であった。何か展示スペースも減ったような気がする。映像は増えたかもしれないが、もしかしたら生業についてはこちらに入れたのか? しかし、タイトルにそんなものはない。それに、以前展示されていた実物(桐の原木から下駄になるまでとか、ノコギリとか膠とか)はどこに行った? まさか処分していないと思うが、ほかに収蔵する博物館施設は奈良にないぞ。奈良民俗博物館はあるが、こちらも今夏行ったときはなかった。

リニューアルって、何を意図して行ったのか。新たに見せるものが増えたのではなく、むしろ内容を薄くするのが目的だったのか。パネル展示なんて、文字数にしたら極めて少ない。わずか10分で見終えてしまった。500円返せ! とは言わなかったが。よほど受け付けで以前の展示はどうなったのか聞いてやろうかと思ったが、徒労に終わることが見えて諦めた。

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なんだか、函館の北方民族資料館が、リニューアルしてウポポイになったのような内容の劣化……(^^;)。

この手の資料館は、通常の文献検索では見つからない資料があること、そして体感できる展示があることに価値がある。それを無にした。観覧者に何を伝えたいのかわかってるのかね。

 

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