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森と林業の本

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2022/11/23

幻の?吉野塗

今月は、よく吉野に足を運んでいる。もう5回くらいになるのではないか。

で、今日も訪れたのだが……その目的は、川上村で開かれたシンポジウム。「樹と水と人の共生を未来につなぐ」。

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目的の大きな一つは、基調講演に「吉野林業~森林と人間の関わりの極致」(泉英二)があったからである。私は、林業の予定調和論に懐疑的になっているのだが……まあ、その話は改めて。

このシンポジウムとはまったく関係ないのだが、すごいものをいただいた。

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漆塗りであることはわかるだろうが、なんと吉野塗。吉野(下市)には、古くからの漆塗り技法があったのだ。何か特徴かと言われると困るが、黒漆に赤漆で描かれた芙蓉が定番だろう。なんとなくもったりとした田舎くささがある(笑)。何をもって吉野塗というのかよく知らない。ただ豊臣秀吉の時代からあったそうなので、かなり古い。漆塗りそのものは古代よりあったが、それが産地と結びついて産品になっているのは意外と新しくて、多くが江戸時代だろう。

吉野塗は、石川県の輪島塗や山中塗でも模倣されたのだそうだ。やはり人気があったのか。ただ、肝心の吉野では途絶えてしまった。だから幻なのである。

それをもらっていいのか。といいつつ、ネットで出回っているらしい。吉野以外でつくられた新品もあるらしい(笑)。これは古いから、本物だろう。

林業地には漆芸が発達することが多い。それに和紙産地も重なる。吉野は、その典型かも。漆芸は、ウルシノキの栽培が必要なことに加えて生地となる木工の碗や皿が必要だからだし、和紙もコウゾなどの栽培を前提とするからだろう。

林業は原木の産地と決めつけるのはよろしくないよ。

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