高校生からの質問ラッシュ
このところ、急に高校生と関わることが増えた。
思えば10月初めに、生まれて初めての高校で講演をしたのだが、それを機に、なんだか高校生からの問い合わせが急増している。(来るのは講演をした高校からではなく、全国から。)
メールで森林のことを教えてください、というものだ。内容は千差万別で、たとえば早生樹植林のこと、森林認証のこと。理想の森林とは、今までで一番関心を持った森林を活用した産業は、ペレットについて……そして「森林を学ぶということはどういうことか」。最後のは難問。皆さんも考えてみたらよい。
メールでぶっきらぼうに質問してくるものあり、学校の教師経由で転送してくるものあり、丁寧に「質問してもよろしいでしょうか」と来るものあり。理由もいろいろあるようだが、どうも学校の総合学習?「探求活動」の時間で、それぞれ生徒がチームを組んだりしつつ、テーマを決めて調べる授業の一環らしい。そこで環境問題もしくは森林事情をテーマに選んだのだろう。また大学の森林科学科を受験したいからというものもあった。受験問題に林業は出ないだろうと思うのだが、どうやら面接やら小論文などで「林業をどのように感じているか」等々、問われた時のための勉強のようである。
これまでも、大学生からは多くあったし、ときに高校生、中学生もあった。しかし、一週間に何人から、それもバラバラ(九州から北海道まで)の地域から来るという経験は初めてだ。
まあ、今やインターネットで検索して、興味の分野について記事を書いた人がいると、メールアドレスを探し出して「質問!」というパターンがわりと多いように思う。
基本、私は全部に対応している。これは義務だと思うからだ。私自身も、高校生ではなかったが、大学時代は探検活動に関して調べては、書籍や雑誌の記事の筆者に手紙を送っていたのである。そしてたいてい返事をいただいた。だから、今度は私の恩返し、とういより恩送り。次の世代へ恩を渡していく義務を感じている。
ただし(ここから強調したい)、私は甘くないよ。あまり不躾な質問、くだらない質問だと、説教する(笑)。また今は安易にZoomで……という申し込みも少なくないが、基本やりません。決められた時間を取られるのは非常に窮屈になるから。どうせ昼間はダメだから夜か週末になるだろうし。
ここで受け付ける際の必要事項を記しておく。まず質問する前に自己紹介はもちろん、なぜ森林などについて調べているのか理由を述べよ。そして私に尋ねてみようと思ったきっかけを指摘せよ。その上で、どうしてそんな質問をするのか、自分はどこまで調べたのか、仮説としても自分はどう思うか、しっかり書いて熱意を示すべきだ。何でもメールで訪ねたらいいや、という.態度は許さん。
文章が稚拙で失礼な表現になっているケースもあるが、それは許そう。しかし、本気で知りたいのか、宿題だからちょちょいとメールで訪ねたことをそのまま写して提出したらいいや、なんて気持ちがかいま見れるメールの場合は、だいたいわかるのだよ。その場合は、罵倒するよ。
逆に、ちゃんと礼を尽くした質問には、気持ちいい。なんとかしてやらねば、という親心?も湧くというものだ。
なんだか毎日返答を書いていると、もはや仕事の記事の文章を超える執筆量だ。質問は一行でも、私の返答は数十行、いやもっと長編になることもある。各返答をまとめたら一冊の本になるかも(笑)。
だから、ここで忠告しておく。質問したければ覚悟を示せ。そうすれば全力で応えよう。手抜きの質問には手抜きの対応で済ませる。あるいは説教する。酷い場合は高校に苦情を入れるぞ。
« 月下美人はどこまで大きくなるのか | トップページ | カエデの水とり »
「書評・番組評・反響」カテゴリの記事
- イオンモールの喜久屋書店(2025.02.20)
- 『日本の森林』に書かれていること(2025.02.19)
- 盗伐問題の記事に思う(2025.02.03)
- 『看取られる神社』考(2025.02.02)
- 『敵』と『モリのいる場所』から描く晩年(2025.01.25)
コメント