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森と林業の本

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2022/12/14

「台湾巨木」の条件

こんな記事を目にした。

「台湾巨木地図」、成功大教授らが公開 光センサー技術を用いて解析

「フォーカス台湾」という記事の転載のようだから、台湾内のニュースだろうか。冒頭を引用すると。

(台南中央社)成功大学(台南市)の教授らの研究グループが5年にわたるデータ解析で完成させた「台湾巨木地図」がインターネット上で公開され、同大成功キャンパスで10日、発表会が開かれた。地図によれば、台湾で確認された高さ65メートル以上の巨木は計941本。中央山脈や雪山、阿里山などに分布し、単一地域としては台湾の巨木数は世界有数だという。
(中略)
調査によれば、測量できた中で最も高い木は、北中部に位置する雪霸国家公園にあるタイワンスギの巨木「桃山神木」の79.1メートルだった。

方法は、レーザー光で対象物までの距離や形状を測定するセンサー技術で、台湾全土の巨木を調査したそうだ。

Photo_20221214190601

それはいい。私が? と思ったのは、巨木を高さで選んでいること。65メートル以上を計測したようだが、日本では巨木と言えば、樹高はあまり重視しないように思う。むしろ太さだろう。高く伸びるには風に強くないと折れてしまう。

屋久島の縄文杉は、高さは25メートルくらいで、全然たいしたことない。おそらく過去に2回は折れていると見られる。一方で幹周りの太さ約11メートルは、スギの中ではもっとも太いとされている。(ちなみに屋久島の巨木調査で、11メートル越えのスギはほかにも何本も見つかっており、なかには12メートル越えもあった。つまり縄文杉は寸太さでも一番ではなくなっている。)

太い木は、人を圧する迫力があることから好まれるのだろう。

また太さは、樹齢を示す面もあるので、ようは長生きしている樹木を選んでいるとも言える。(これも縄文杉の年齢は2500年ぐらいから7000年超え説まで入り乱れている。)

台湾の場合、太さや樹齢はどのように捉えているのか、この記事からはわからないが、レーザー測量で幹の太さは計測していないのだろうか。

これは、戦前の台湾で 後藤新平長官が阿里山を視察した有名な写真だが、この後ろの木は、幹周囲は20メートルを超えるだろう。

Img001_20221214192801

昔は、こんな巨木もたくさんあったという。日本がほとんど伐っちゃったけど。。。

こうした森を訪れたいものである。

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