葬儀の中のお仕事(^^;)
先週末、父が身罷りました。通夜、告別式と済ませて、ようやく落ち着いてきたところです。まだ厄介な雑用が溜まっていますが。
当然ながら葬儀社にお願いしたのだが、今回は大手に任せた。おかげでスムースというか流れるようにことが進む。完璧なシステムが作られているので、楽である。
とはいえ、何かと打ち合わせは必要である。式場に赴いて、必要事項をてきぱきと伝えて選択すべき点は即決していく。おかげで後半は雑談になった(^^;)。私の仕事を尋ねられたので、森林ジャーナリストの名刺を出す。そして森林科学や林業ばかりではなく、樹木葬だってテーマにしているんですよ、とつい口を滑らす。担当者はそんなに詳しくなかったので樹木葬のなんたるかを伝えて、現状の名ばかり樹木葬を批判し、ついでに『樹木葬という選択』の紹介も(⌒ー⌒)。
さらに参列者への会葬返礼品を選ぶためパンフレットを見ていると、「長寿箸」なるものがあった。これは、塗り箸か? というわけで私は割り箸の話を口走る。ちょうど吉野の割り箸を取材したばかりだったのだ。割り箸の作り方から始まり現状を嘆き、いかに吉野の割り箸が優れ物であるか、使い捨てなんかじゃなく、何度か洗っても使えるし、いかに割り箸で食べると食事が上手くなるかを語り……とうとうバックの中に入れていたマイ割り箸を披露。これは最高級らんちゅうである。そしてプレゼント。もちろん、返礼品に長寿箸は選ばない。
『割り箸はもったいない?』出版から16年、今も割り箸への思いは高いのだ。
しっかり布教活動をしたのであった(⌒ー⌒)。
ところで、今回の葬儀の導師をお勤めいただいたのは、奈良市の浄教寺のご住職であった。我が家に菩提寺はないので、探していただいたのだが、奈良県内の浄土真宗本願寺派としては中本山クラス。創建は鎌倉時代だそうである。奈良県としては新しい(^^;)。
ただ、この寺に決まったと聞いて「覚えがあるな」と感じた。そして簡単に由緒を調べると、フェノロサが登場した。アーネスト・F・フェノロサは、アメリカの哲学者にして美術愛好家で、明治時代に来日して、日本美術の素晴らしさを訴えた人である。廃仏毀釈などで寺院や仏教美術の廃棄が進んでいた奈良で講演をした。一部では有名な「奈良の諸君に告ぐ」である。それが元になって国宝制度が誕生する。
そう、私が年末年始に進めていた山林王・土倉庄三郎の本に登場するのである。庄三郎もフェノロサの影響を受けていたのかもしれない。だから記憶にあったのだ。このことは、ご住職はもちろん、参列者にも紹介した。
この土倉新伝の本は、3月末に出版予定。皆さん、その時が来たら、ぜひ手にとって、どこに浄教寺が登場するかご確認ください(^-^)/ 。
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