無印良品から考える書店のミライ
近くのイオンモールで「無印良品」の大規模なリニューアルがあったのだが、その一角に書籍コーナーが誕生していた。
なかなか木づかいが目立つ一角であった。もともと無印の店舗には木装が進んでいたが、この書籍コーナーはとくに目立つ。テーブルも座り読みしろということだろうか。
並んでいる本は、多少クセがあるというか、無印良品がらみのものもあり、なかには束見本みたいなものまで並ぶ。もちろん小説などの棚もあるが、木の本も目立ち、それがデザイン的に扱われている。
思えば、ヴィレッジバンガードは、もともと書店だったが、本だけでは売上が伸びないのでグッズを置き始め、それが拡張されてもはや雑貨店になっている。本はその中で雑貨に合わせたテーマのグッズの一つかのような扱いだ。私も最初、雑貨店だと思っていたら、中に入ると本が置いてある!と感動した(笑)。ただ最近は、本をおかない店舗も増えて、いよいよ書店部分は切り捨てかけている。
が、無印良品は反対のベクトルを狙っているらしい。もともとグッズ店から家具や衣服へと幅を広げてきたが、とうとう本も扱いだしたか、という気がする。今後どう展開するかわからないが、雑貨・家具と同じ地平で書籍や雑誌を扱っていくのだろう。書籍の表紙や中に含まれる情報も、部屋のデザイン、彩りなのだろうか。
この20年、書店は全国で半減している。出版物の売上も半減と言ってよい。ネットメディアは拡大しているが、そのビジネスモデルは広告主体だろう。メイン・メディアは、新聞や雑誌、書籍、放送、そして書店からネットのまとめサイトと化してしまった。(ここでいうメディアとは、情報などの作品コンテンツを流通させる媒体と位置づけている。)
とはいえ、まだリアル書店や紙の本に愛着を持つ人は多い。だからなんとか生き延びさせるためにあの手この手に挑むケースもある。無印良品もその一つだと思いたい。どんどん異業種が本を届けるメディアに参入したら新たな試みも登場するだろう。
私もコンテンツ=本の製作者としてリアルな価値の交換ができるメディアの生存を願う。
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