奈良のシカ遺伝子はなぜ独自性を生み出したか
奈良公園のシカがほかのシカとは遺伝的に違う。
そんなニュースを見て、これは取り上げねば!と張り切ったら、なんと続々とテレビに新聞にネットに取り上げだしたではないか。出遅れた……。
そしてYahoo!ニュースでも、よみうりテレビのニュースを転載していた。これに気付いたのが、夜になってから(泣)。
【速報】奈良公園のシカに他で確認されていない独自の遺伝子型 福島大学などが発表
これはイカン、とあわててコメントを付ける。ぜひ読んでほしい。
奈良公園のシカ(ナラシカ)は、これまでも周辺のシカ棲息地から孤立した群であることから遺伝子的に違うのではないかという意見が寄せられていた。今回はそれが証明された形だ。ナラシカの形態は他群と目立った違いはないが、体重などは一般的なホンシュウジカ(ニホンジカの亜種)より少なく30キロ程度。また栄養失調の傾向がある。……(後略)
ほかのコメントとは違うから(笑)。なんたって『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』の著者だよ( ̄^ ̄)。
重要なのは、過去には紀伊半島全域にシカがいたはずだが、奈良の都以外では、どんどん狩りが行われて数を減らしたこと。その間も現在の奈良公園の範囲では保護が行われたこと。結果的に奈良公園だけが孤立した群が生き残ったので、遺伝子も独自性を高めたのである。
ところが近年はシカがどんどん増加して、ナラシカとは別の群のシカが奈良公園への侵入を始めている。つまりこの傾向が続けば、ナラシカの遺伝子は交雑して、再び周辺のシカと変わらなくなる可能性があることだ。
それにしても、このニュースが全国区になり、みんなが注目したことには驚いたぁみんな奈良のシカが好きなんだなあ。
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