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森と林業の本

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2023/02/18

スギ花粉が1トン

そろそろ花粉症の季節。つまりスギの花粉が飛び始めているのだが、そこで今年は花粉量が昨年の何倍だとか天気予報でも語られる。関東地方では、非常に多くなりそうだそうで……で、これは何の量だろうか。花粉の量とは何のこと?

花粉の重さ?かさ?数?生成量? まさかスギの葯室(花粉の入っている雄しべ)を数えたわけではないと思うが。

そもそも花粉を一つ一つ数えた場合の数とはどれぐらいだろうか。

そんな疑問に応えてくれる本を見つけた。ここでは秘す(笑)けど、これは私のネタ本になりそうだなあ。

もちろん花粉の生成量は毎年変わる、それも大きく変動するわけだが、それでも平均値はある。それによると……

花の一つにつく花粉の数は
ヒノキ、モミ、アカマツ----20万粒
ウラスギ(栄養繁殖)-----35万粒
オモテスギ、ウラスギ(実生)-50万粒
クロマツ、コウヤマキ-----150万粒

栄養繁殖、つまり挿し木苗で育てたという意味だろうが、種子から育てた実生とは全然違うのである。

さらにヘクタール当たりの数を出している。
オモテスギ----------40兆粒
ウラスギ(栄養繁殖)-----10兆粒
ヒノキ------------16兆粒

なんと、挿し木苗は実生の4分の1?  ただし豊凶の差は大きく、2000億粒から100兆にも変動する。(オモテスギ)

なんとスギ林は、1年で1トン/ha。多い年は、1・5トンにも達するというのだ。これ、スギだけだから、ほかの木の分も合わせたら……。

毎年1トンだと、成熟した森林には莫大な花粉が眠っていることになる。なにしろ花粉は分解しにくいから何千年と残るからだ。ときに1万年前の花粉を採取して、当時の気候を調べる研究もあるが、森林土壌の中は花粉だらけかもしれない。

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