スギ花粉が1トン
そろそろ花粉症の季節。つまりスギの花粉が飛び始めているのだが、そこで今年は花粉量が昨年の何倍だとか天気予報でも語られる。関東地方では、非常に多くなりそうだそうで……で、これは何の量だろうか。花粉の量とは何のこと?
花粉の重さ?かさ?数?生成量? まさかスギの葯室(花粉の入っている雄しべ)を数えたわけではないと思うが。
そもそも花粉を一つ一つ数えた場合の数とはどれぐらいだろうか。
そんな疑問に応えてくれる本を見つけた。ここでは秘す(笑)けど、これは私のネタ本になりそうだなあ。
もちろん花粉の生成量は毎年変わる、それも大きく変動するわけだが、それでも平均値はある。それによると……
花の一つにつく花粉の数は
ヒノキ、モミ、アカマツ----20万粒
ウラスギ(栄養繁殖)-----35万粒
オモテスギ、ウラスギ(実生)-50万粒
クロマツ、コウヤマキ-----150万粒
栄養繁殖、つまり挿し木苗で育てたという意味だろうが、種子から育てた実生とは全然違うのである。
さらにヘクタール当たりの数を出している。
オモテスギ----------40兆粒
ウラスギ(栄養繁殖)-----10兆粒
ヒノキ------------16兆粒
なんと、挿し木苗は実生の4分の1? ただし豊凶の差は大きく、2000億粒から100兆にも変動する。(オモテスギ)
なんとスギ林は、1年で1トン/ha。多い年は、1・5トンにも達するというのだ。これ、スギだけだから、ほかの木の分も合わせたら……。
毎年1トンだと、成熟した森林には莫大な花粉が眠っていることになる。なにしろ花粉は分解しにくいから何千年と残るからだ。ときに1万年前の花粉を採取して、当時の気候を調べる研究もあるが、森林土壌の中は花粉だらけかもしれない。
« 梅林も木炭になった | トップページ | 択伐と保持林業 »
「森林学・モノローグ」カテゴリの記事
- 共産党の内向き指向(2025.07.07)
- 参政党と陰謀論と脳内麻薬(2025.07.03)
- バナナの街路樹(2025.06.20)
- 沖縄の印部石(2025.06.18)
- 「共生」でなく「ただ乗り」する花(2025.06.12)
コメント