気分は「舞い上がれ」なかった
明日、NHKの朝ドラ「舞い上がれ」の最終回のようだ。ちょうど起きて朝飯を食べている時間帯なので、なんとなく見てきたがもう最終回は読めてしまっている(笑)。
思えば、なんとも舞い上がらなかった。最初は人力飛行機づくりの青春物語! という予告を見て期待していたのだが、あっさり2カ月後には空を飛んでしまった。それもピンチヒッターとしてだから、飛びたい!という気持ちが足りない。
すると次は、旅客機のパイロットをめざすとなって、大学も辞めてしまう。違和感もあったのだが、とにかく資格を習得したのに、実際には一度も飛ばずに諦め、実家の工場再建に取り組み、それもあっという間に成功させて、今度は町おこし会社の起業……? 最後は空飛ぶ車開発でお茶を濁すのだが、それって、同じ飛ぶものに見えて似て非なる世界。大空を舞い上がりたい気持ちと、地上数十メートル高を浮き上がるのって、違うだろ。だいたい中国製などの実用機があるし。
主人公には、空を飛びたいという強い思い入れを感じられない。それでも成功させるのはいい子ちゃん優等生人生であるのだが。超難関のパイロット試験をストレートで受かるし、素人が工場再建を3年で達成できたらたまらんよ。まちづくりも甘ったれている。採算どうやってるの?と思わせる。……ようするに、脚本家には空への思い入れがなかったのではないか。
思い入れがないのに、頑張ったら成功しました、という人生にむかついた(笑)。空を飛びたい思いが強すぎて、実家を倒産させても自家用飛行機を手づくりして太平洋横断に挑む、なんてストーリーにしてほしかったよ(⌒ー⌒)ニヤ。
さて、来週からの「らんまん」は、牧野富太郎がモデル。まさに植物へのオタク的思い入れの強い男が主人公だ。オタクというより学術肌に見えてしまうが、実は感性はオタクだ。私はなりきれなかったけど。
実は、植物オタクというのは、わりと多い。牧野に影響を受けてオタクになった人も数多い。思えば明治時代は、まだ日本の植物全部を確認されていなかったし、名もついていない時代。それだけに新種発見が続いて面白かったのだろう。江戸時代にも植物に詳しい本草学者はいたが、分類学が確立されていないから、花びら、雌しべや雄しべの数といった点のチェックはされていなかった。
高知県の牧野植物園に展示されている牧野富太郎の書斎の様子。
私も牧野植物図鑑は持っているよ。学生時代にいの一番に購入。あまり愛用したというほどではなかったけど、やっぱり必携。
私は草系は苦手で、なかなか覚えられない。植物を覚えるには、とにかく野山を歩くしかないね。
オタクが社会を動かす物語に期待したい。
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