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森と林業と田舎の本

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2023/04/24

「らんまん」も林業もオタク世界?

本日4月24日は、「植物学の日」である。それは牧野富太郎の誕生日であるから決まったとか。

そして朝ドラ「らんまん」。このところ、面白くなってきた。とくに先週は東京で国立博物館を訪れ植物学者たちとの出会いは感動的ですらあった。里中芳生と野田基善との出会い。どちらも当代随一の植物学者なのに、見知らぬ田舎出の若者に植物への愛好者というだけで「友よ」と呼び合える。(ちなみに里山のモデルは田中芳男であり、日本の生物学(植物・動物を含む)創成期を牽引した大物だ。後に貴族院議員や大日本山林会の会長もやっている。)

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身近に自分の興味が通じる友がいなくて寂しい思いをしていた人が、初めて出会った同好の士と意気投合する様子は、いわば狭い分野に熱中するオタクが仲間を見つけた歓喜に似ている(笑)。実際、SNSでも「もらい泣きした」という書き込みが多いのは、よく似た経験をした(あるいはまだしていないが、同士が見つかることを熱望している)人だろう。いくら自分が(そのオタク分野のことを)熱く語っても周りは関心を持ってくれない。聞き流される、邪険にされる。語り合う相手のいない寂しさ。
今はネットでつながりやすくなったが、かつて自分一人しかこれに興味を持つ人がいないのかと孤独感にさいなまれた人もいるのではないか。それを追体験することで感動する。

が、同じようにSNSには「らんまん」に対する批判というか、面白くないという意見もあふれていることに気付いた。

彼らは、植物学はもちろん、オタク的な世界から遠い人たちなのだろう。ドラマとしてだけ「らんまん」を見て、この発言が気に食わない、あの人物の反応はおかしい、さらに時代背景を理解せず差別的なドラマだとまで批判を並べている。

ここで「らんまん」がドラマとして面白いかどうかはおいといて、かくも二分する点が私には面白い。

実は、先日まで大分を訪問して林業関係者に取材していたのだが、取材が終わった後も談話を続け、さらに酒が入ったら何時間も話している内容が、ほぼ林業のことばかり、という経験をした。久しぶりかもしれない。「もう絶望的な林業はどーでもよい」と嫌っていたのに、なんだ、まだ未練があるの?とさえ自身に対して思ってしまう(´Д`)。

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同時に、おそらく通じない人も多いだろうな、と思う。いや絶対に多い。

ここで重要なのは、通じない人の方が多いということ(笑)。世の中、林業に興味のない人の方が圧倒的に多いのだ。

そういや、先日私がYahoo!ニュースに書いた「花粉症対策が日本の森を破壊する」記事に対して、花粉を出すスギ林なんか破壊したらいいんだ、という反応がそこそこあった。スギどころか森林にだって興味がない。災害が起こるのは困るが、それは森林を守る理由にはならない。林業なんて小さな業界がどうなってもいいじゃん、むしろ森は嫌い、という人は意外と少なくない。

そういう人たちが世間の一般なのだ、ということを自分に言い聞かせておかねばならない。さもないと世の無理解に悲憤慷慨するだけだ(笑)。ちがうって、林業が好きなことが世の潮流から外れているのだよ。自分が世間から外れているのよ。

 

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