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森と林業と動物の本

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2023/04/15

古書街で大人買い

駆け足の東京行の、隙間時間に歩いた神保町の古書街。

農文協・農業書センターでも買い物をしたが、やはり古本屋も駆け足で覗く。

そこで発見したのだ。エライ本を。いや雑誌を。

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「探検」。ほう、こんな同人誌みたいなもの。と思ってパラパラめくったらエライものだった。何たって編集の中心者は今西錦司なのだ。そして刊行時期は、昭和17年8月。つまり戦争勃発時である。噂には聞いたことのある幻の雑誌なのだった。(正確な編集者は、発行元の朋文堂の新島章男)。

巻頭の記事は、「探検の前夜」とある今西の寄稿。そこには「『探検』が出版されるときいて私はうれしい。しかし私自身、その発行を見ずに探検に出掛けるのである。」と記されている。編集中ならこの年の春ぐらいか。

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ここで気付くだろうか。昭和17年の今西と言えば、大興安嶺山脈の探検に出発しているのだ。満州と蒙古の境界に広がるタイガ、針葉樹林の大秘境だったところである。ほとんど人跡未踏の地を戦争中に探検したのだから恐れ入る。

実際、3号にはこの大興安嶺山脈探検の手記が多数載る。執筆者は、今から見たらそうそうたるメンバーばかり。今西以外でも泉靖一、犬飼哲夫、加納一郎、吉良龍夫、梅棹忠夫、藤木九三……取り上げるのも探検論から探検史、技術、情報、そして地域もモンゴル、長白山地、極地、ニューギニア、ミニヤコンガ……なんと幅広いことか。

その中でも、私が「もしや」と探して見つけた記事と執筆者はこれ。

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執筆者の一人に土倉九三とある。そう、土倉庄三郎の孫だ。鶴松の子である。彼は、当時まだ18,9歳の学生なのだが、今西門下で探検に参加しているのである。

4冊で5000円。一瞬躊躇したが、ここで1冊だけというのも酌なので、ここは大人買い。今度は迷いはなかったよ。古書は、見つけたときに手に入れないと、次がない。店主も「これだけの上本が出てくることはもうないよ」と太鼓判。

ちなみに他の本も購入したから、結構高くついた……。

でも、記事を十分に読みこなせるかどうかはこれからだな。

 

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