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森と林業と田舎の本

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2023/04/25

「環境不動産」と「環境利益」

不動産業界に「環境不動産」という言葉があるそうだ。一般に環境性能が高い、たとえば省エネとか再エネ、建築時の環境負荷、解体時の環境負荷が低い……といった建築物を呼ぶそうだ。「環境不動産(Environmental Real Estate)」

そこに高知県が、独自に「環境不動産」として認定制度を創設したそうだ。そこでは木材、とくに県産材を使っていること。そして認定されると、容積率緩和や不動産取得税の免除が行われるという。

ちょっと条件を見ると、延べ床面積300平方メートル以上、1平方メートル当たり0.15立方メートル以上の木材使用、県産木材使用率が60%以上―の非住宅建築物と4階建て以上の住宅……。

もともとある建築環境総合性能評価システム(CASBEE)では、自然エネルギーの利用や雨水、太陽光の活用など92項目のチェックポイントがあるが、県独自の基準もあって、林業・木材産業の持続性確保、脱炭素社会の実現、室内での木材使用、室外での木材使用、地域経済の活性化(県産材を使うこと?)といった5つの観点で評価。高評価だと認定し、さらに良ければ税などの優遇もあるという仕掛け。

おそらく高知県は、住宅よりは非住宅の建物、それなりの大きな建築物を対象に木造化を推進しようという意図なのだろう。以前より高知県は木造建築物への税の軽減を国に要請してきたというから、その動きをプッシュする狙いだろう。

まあ、あの手この手をやるという点では頑張っているね(^_^) 。反対派しませんよ。あまり木造建築物が増えてはげ山まで増やす心配は……まずない(笑)。そんなに増えないだろうから。

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ただ、木材を使えば環境によいという単純思考に、私はイマイチ引く。これも量の経済、もっと言えば量の林業を指向しているからだ。林業を経済的に捉える点からは、本来は利益率とか純益を基準にしてもよいのではないか。

1軒の木造建築物を建てることで使った木材の量と原木からの歩留りを計算できないか。1本の木を無駄なく使ったことを示し、それらが生み出す経済効果とする。原木から製材(あるいは集成材)にするまでの歩留りを示し、その時に出た端材を処分していたら減点、とか。極端に言えば、製材時のおが屑を商品化していたら、それを歩留りと利益に加えて計算してもよい。

一時期流行ったウッドマイルズ(木材の移動によるエネルギー消費を数値化)のように、使われる木材の経済的貢献指標を示せたら地域経済への寄与率も出るだろうに。木材環境利益、ウッドプロフィットとか名付けて。みんな自身の利益を隠すから難しいか? 

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

ただのグリーンウォッシュっていうんやないか?
今話題の神宮の森破壊発に融資した銀行が、
どこかで森作ったとか、自然再生したとかいうのも同じ!!

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