「フィンランドの森林ムーブメント」に、なんと!
ふと目についた「フィンランドの森林ムーブメント 罵倒や脅迫に若き気候活動家はどう対応」という記事を読む。
もはや私はフィンランド・オタクと化していて(笑)、フィンという単語が出たら反応する。そこに「森林」もくっついているのだから、飛びつかないわけはない。
この記事は、フィンランドの森林保護や気候活動家の現状を紹介していて、どうやら罵倒や脅迫を受けることが多いらしいのだ。日本でも環境関係の運動には白い目を向ける人は少なくないが、より北欧では直接的で激烈な様子だ。
で、目を通し始めてびっくり。私の名前が出てきたから (゚o゚;) 。
ここで引用されているのは、この記事。
フォレストジャーナル「フィンランド林業の光と陰【後編】国内で反対運動? 不振の日本林業は何を学ぶべきか」
フォレストジャーナルの記事だ。これは後編で、前編ではフィンランドのDX林業を取り入れていて、いかにフィンランドの林業は進んでいて成功しているかを紹介した。だが、その成功の裏にあるもの、いや成功したからこそ発生した事態を後編で取り上げた。そこに現実のフィンランドの森林の実情や伐採反対運動の展開を紹介した。
もちろんネタ元は『フィンランド 虚像の森』である。本書は、フィンランドで出版された『私たちの後の森』の翻訳だが、原著はベストセラーになり文学賞も受賞している。当然、北欧では広く知られているだろう。なんでも出版後にスウェーデンでも同種の本が出たという。つまりスウェーデン林業も同じような森林破壊が進んでいるのだ。
いずれにしても、そうした事態が進行していることは地元でもあまり知られていなかったらしい。ましてや北欧林業を「成功のロールモデル!」と信じ込んで奉っている日本の林業関係者のほとんどは知らなかったはず。その意味で本書は北欧のイメージを撃つ書となった。
同時に、この問題に取り組む地元の活動家もいることは本書にも登場するからわかる。このYahoo!ニュース記事は、そうした活動家の身に起きていることを紹介している。なかなか厳しいバッシングがあるようだ。その点は日本より激しいかもしれない。思えば日本の場合、森林保護を訴えたとしてそれ自体を反対する人はそんなに多くはないだろう。「そりゃそうだけど」程度であり、単に市民運動を毛嫌いする人や自分の生活には関係ない、と無関心なレベルではないか。
しかしフィンランドでは、森林保護は林業の否定に結びつきがちで、自らの生活を否定されたように感じるのかもしれない。それは日本より林業が身近だからだろうか。
こんなフレーズもある。
「活動家はメンタルヘルスを崩す人もおり、問題視されています。燃え尽き症候群になる人もいます」
「森林は感情的になってしまうトピックですしね。」
森林は感情的になるトピックか。言い得て妙だ。そう、論理的ではなく感情的に反応するのだ。私も、最近は燃え尽き症候群かな(笑)。別にバッシングは受けていない(気付いていない?)けど、森林状況は悪化の一途で好転の気配が見えない。暖簾に腕押し的な気分になり、発信すればするだけ体力気力を消耗する……みたいな状況。
ちなみに、対処法もたくさん並んでいるが、刺さるのはこれ。
森林の中で時間を過ごす
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