NZのノラ猫ハンティングは中止
子どもたちにノラ猫を捕まえさせて賞金も出す、そんなイベントがニュージーランドのカンタベリー地方で企画された。
これは子供たちに、野良猫を銃で殺すことを競わせるもの。最も多く殺した子どもには、124ポンド(約2万1000円)の賞金が出る。そんな「ノース・カンタベリー・ハンティング・コンペティション」というイベントだ。
が、案の定というか世間の反発で中止に追い込まれたという(^^;)。
なんというか、反発する人が多数出るだろうな、とは容易に想像できるのだが、こんな企画をしたことがすごい。
もともと猫は、生態系に及ぼす悪影響が高い外来種とされるが、子どもにノラ猫ハンティングとは過激……と思ってしまうが、若干事情はちがう。もともとニュージーランドはオーストラリア以上に生物層が特殊で固有種ばかりの島だが、そこに持ち込まれた旧世界(ユーラシアなど)からの動物が野生化することで大きな被害を出している。
とくにノラ猫は深刻で、在来(固有)の鳥類やコウモリ、トカゲ、ネズミなどに大きな影響が出ている。絶滅に追い込まれる種も多い。そこで従来からニュージーランドではノラ猫を、毒物や罠、銃を使って駆除し、個体数を抑えているそうだ。
だからこそ、子どもに銃を使わせて害獣を「殺せ!」と競わせる土壌もあるのだろう。市民の理解もそれなりにあると思われる。
……それでも、猫を殺すというと、反対意見が続出するのは、なぜ?
一応の理由としては、飼い猫と区別がつきにくいから。う~ん、苦しい言い訳だ。本音を言えばいいのに。
つまり、「猫はカワイイから殺しちゃダメ」と。カワイイものは守れ、カワイクなければ殺してもいいよ、と。ちょっと感情的、いや差別的な論理だ。もっと言えばレイシズムに通じる。嫌いな民族を浄化する!発想と紙一重。
今回のイベントも、猫以外、たとえば野生の鹿や野豚を子供たちに撃つ競技は、予定通り実施されるという。鹿もカワイイと思うけどね(笑)。ノブタだって……見様によっては(笑)。
ボルネオの「猫の街」のお土産。この猫(の木彫り)はカワイイ?カワイクない?
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