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森と林業の本

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2023/04/11

街路樹の脇の紫の花

奈良県内を車で走っていて、とある住宅街を通り抜けたのだが、信号待ちしている際に目に入ったのがこれ。

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街路の植樹桝に植えられているのは、多分ナンキンハゼぽいのだが、その下はなんだろう。ツツジのような低木が植えられている。が、気になったのは、その中に見えるフジ色の草花。単なる雑草??? にしては、かなり旺盛に繁茂している。

ヘアリーベッチだ。和名ナヨクサフジだが、ようはマメ科の外来種で、雑草対策の被覆植物として重宝されている。耕作放棄地に生やすと、背の高い草木が生えなくなるのだ。アレロパシーが強いから多種を寄せつけない。しかもベッチそのものは夏には枯れる。また蜜も採れるから養蜂家が積極的に植える動きもあった。最近は河川敷に増えているので、外来種だから余計に問題になっていたのだが。私もYahoo!ニュースに記事を書いている。

超有用な外来植物の野生化が進む……日本の自然に影響はあるか

花が多く咲くから蜜量も多い。レンゲが各地で壊滅している(外来害虫のため)中、ヘアリーベッチは代替になるんじゃないかと言われている。私も、そんな有用性は認めつつも、分布の拡大が急速に拡大していることに憂慮する。

何しろ外来種。そして他の種を蹴散らす。繁殖力も強い。つまり生物多様性を奪って、自らだけが大増殖する可能性がある。耕作放棄地なら、もともと放棄されている土地だが、街路にまで増えだしたら、今後個人の庭や公園にも侵入してくるだろう。その時に排除できるか?

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これまでは河川敷などが多かった。種子が上流から流されて来るケースもあるのだろう。だが、狭い街路の植樹桝まで増えてくるとなあ。かなり危険な予感。そのうち街路樹の彩りはヘアリーベッチになるかもしれない。どうする?

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