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森と林業の本

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2023年5月

2023/05/31

こたつライターとデジタルハンター

このところネットの低質記事が目につく。ついクリックすると、まったく内容がない。おそらくテレビのワイドショーなどで芸能人やキャスターなどが口にした内容をつまみ食いしただけ。それに対する論評もなく、まったくそれだけの記事。

こうういうのを書いているのが、俗に言う「こたつライター」だ。こたつにもぐりこんで、テレビやネットサーフィンで見つけた話題を紹介するだけのライターである。取材をしない、考えない記事を低料金で大量生産する。

と、そこで思い出した。私も若いころ、取材をしないで記事をつくる方法を習った。まず朝、各新聞やテレビニュースなとをチェック。その中で複数の媒体で扱われたニュースの中から興味を引く・ウケるネタを選ぶ。複数の媒体にするは、丸ごとパクリとならないようにだ。

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ここからが難しい。と同時に腕の見せ所。すでにニュースで流れているのだから、速報性も新奇性もない。それをいかにひねるか。切り口を変えて別記事にしたてるのだ。同じ情報でも、別の視点で書く。

たとえばマグロの養殖に成功、すると全身に脂が乗っていて……という記事を、「全身トロ、赤身のないマグロ!」なんてするとか。
前夜に同じような通り魔や殺人事件などがたまたま相次いだ場合は、それらに何の共通点もないのに、短く各事件をまとめて「魔の夜!」とタイトルを打つ。そして「……なぜ、昨晩だけでこんなに事件が相次いだのか」と締めたら意味ありげだ。すると別のニュアンスが生まれる。ベタ記事も、愛嬌のある目を引く記事に近づける。

まあ、姑息と言えば姑息(^^;)。が、新人が知恵を絞って記事づくりのノウハウを身につけるように鍛えられたのである。

もう少し進むと、複数の記事の中で食い違い部分、あるいはわからない部分を関係者のところへ電話して裏を探る。どこの誰に電話してコメントを取るかも裁量だ。ときに新事実が得られる場合もあるし、ほかの記事の間違いを正す記事が書ける。こたつから一歩出て、デスクワークライターぐらいにはなれる。

独自ネタを追いかけるのは、その後、あるいはその合間だ。こうして現場を踏んでいく。

似て非なる記事づくりを行うのが、デジタルハンターだ。最近はOSINTO(オシント)とも言われるようになった。 これは「Open Source INTelligence(オープンソース・インテリジェンス)」の略で、「公開情報から分析し判断する」こと。多くはネットを駆使するが、こたつレベルではない。世界中のサイトやSNSまで渉猟する。この手法を駆使する調査報道集団「Bellingcat(べリングキャット)」はにわかに脚光を浴びたが、市民の発信する日常の情報や衛星画像、要人の過去の行動履歴まで集めて分析することで、ロシアや中国の報道の嘘を見事に暴いた。今やネット空間には有象無象の情報が爆発的に流れていて、それを丁寧に追っかけて検証していけばトクダネになるのだ。

私は、メディアで安易に口にされる現場至上主義が嫌いだ。現場に行く(というより現場を第一歩とする)のはよいが、そこにある情報を読み取れない、解釈もできない記者も多いからだ。すると現場に足を運びながら、こたつ記事と同じになってしまう。取材した人の言い分を検証なしで飲み込まれる。宇宙人を見た、と聞けば本当に宇宙人が地球に来たんだな、と書くようなものだ。

ようは眼力が求められる。そのためにはベースとなる教養や専門知識の蓄積が必要だし、日頃から自ら考える訓練をしておかないと頭が働かない。せっかくの現場の情報を活かせない。それでも間違うことは多々あるが……。

森林林業関係のニュースも、眼力がないと官邸や官僚の吐き出す情報を丸飲みするだけだよ。林野庁を代弁する記事を垂れ流すな。

2023/05/30

奈良時代に紫式部!?

来年のNHK大河ドラマは、「光る君へ」らしい。紫式部が主人公である。ようするに平安時代の宮廷を舞台にするのだろう。

ただ奈良県民からすると、京都って新参者じゃね? と思ってしまう。奈良時代の後に成立した都だが、十二単など着物姿も平安時代に誕生したのであって奈良時代にはなかった。天平の服装は、もっと洋風?今風?である。

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ま、何も平安時代に文句を言いたいのではない(言ってるけど)。

平城宮跡の記念公園には東院庭園という、当時の庭園跡が発掘されていて、復原されている。

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こんな池を備えた庭だったらしい。飛鳥にもあったが、ちょっと中華ぽくて平安時代の庭園と趣が違う。が、見つけてしまったのだ。この庭園の中に紫式部が隠れていることに。

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こ、これはなんだ!ムラサキシキブだと?時代を200年以上間違えているのではないか?

一方で、天平の都には、唐や天竺、ペルシャからの異邦人も行き交う国際都市であもった。

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おかげで外来の草花も運ばれてきたのだよ。ほれ、シロツメクサ。ほかにハルジオンも繁茂している。ヨーロッパや北アメリカからも往来があったのだなあ。。。

※以上、妄想です。

 

2023/05/29

花粉症対策の伐採と土倉の植林

土倉庄三郎は生涯に1800万本の苗を植えたという。年平均30万本だ。これを面積に換算できないかと思って計算してみた。

吉野で植えるとしたら、ヘクタールあたり1万本植える密植である。実際は全国で植えているが、それに準じたと考えると植えた面積は1800ヘクタールになる。ただ記録に残るだけでも吉野以外に数千ヘクタール植えているから、少なすぎる。吉野外は疎植だったのかもしれない。
またこれは自身で植えた山(借地含む)だけだから、各地の篤志家に山林経営を進めて山を買わせ、そこに植林を進めた分もある。たとえば三井家や山県有朋なども庄三郎の勧めで山を所有した。それらを含めたらもっと行くはずだ。

これだけ木を植えた人物は、世界に果たして何人いるだろうか。宮脇昭氏は世界中で3000万本とか言っているが(^^;)。

そんなときに、政府の花粉症対策案とやらが出てきた。

花粉発生量、30年後に半減  農水省対策案、10年で人工林2割伐採

花粉症の発生源であるスギの人工林を10年間で2割ほど伐採し、30年後に花粉発生量を半減させることを目指す。花粉の少ないスギの苗木やスギ以外の木への植え替えも進める。

これは何ヘクタールになるのか。年次ごとに若干の違いはあるが、日本のスギ人工林面積は444万ヘクタールとされる。その2割なら約89万ヘクタールだ。伐採するのは樹齢50年以上のスギを中心とするというが、10齢級以上のスギ林は、スギ林全体の過半に達するから250万ヘクタール前後と見込む。そこから89万ヘクタールを伐採するとなると、3分の1強を伐ることになるのではないか。なにやら恐ろしいことになりそうだ。民有林では伐採拒否があるかもしれないから、結局伐るのは国有林と公有林中心になるかな。

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ところでスギスギばかり言っているが、ヒノキ花粉症はどうするのだ。まさか首相はヒノキ花粉症を知らない? 知ればスギの次はヒノキを伐ると言い出すかもしれない。

だいたい花粉削減を目的に伐るということは、木材の用途は関係ないことになり、市場でだぶついて木材価格を引き下げるのは必定だ。すでにウッドショックの後始末的に価格は下がり続けているから、今後どこまで落ちるか。

89万ヘクタールの伐採跡地には植林が必要だ。今ではヘクタール2000本植えが増えてきたから、約18億本の苗木がいる。10年間だから1年なら約1800万本。くしくも、土倉庄三郎が生涯に植えた木の本数(60年換算)と一緒になった。それを1年で植えなくてはならない。でも妙に数が合致するのが不思議。
もちろん、無花粉スギの苗木を毎年1800万本用意してくださいね。そして、植えた後の獣害ネット張りや、下刈り、徐間伐……とお仕事が続くことも忘れないでくださいね。造林ビジネスは花盛りになるだろう、実行されたら、だが。

しかもこの造林育林は、まったく収益は上がらない。100%税金投入が不可欠だ。伐採にだって補助金抜きではできるまい。さもないと誰もやらない。莫大な税金が森林を破壊するために使われる。

どうせ岸田政権がそんなに長く続くとは思えないので、首相が交代した時点で計画はうやむやになるのではないかなあ。そうであってほしいよ。

2023/05/28

山崩れ跡に滝が誕生?

先日十津川村に行った際、各地に滝があって、それらを見学しているだけでも時間をとったのだが……。

そんな中で撮影した1枚。

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派手な山崩れ跡があった。これは道路から見上げたのだが、よく見ると崩れ始めの部分に道路ぽいのが見える。櫓も組んでいるよう。崩壊地のもしかして、伐採跡地だったのだろうか。いずれにしても、こんな崩れ方をしたのでは、これからの梅雨どきにどうなるのか心配だが……。
おりしも明日から大雨が続くらしい。どうも梅雨の先走りか。

そして、崩れたところをよく見ると、なにやら滝が見えるではないか。。。

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よくよく見れば崩れたところに緑がうっすら突いている所を見ると草が生え始めたのだろう。ということは崩れたのは昨年かもしれない。

いずれにしても新しい滝の誕生か、あるいはこれまで森に包まれて見えなかった滝が衆人の目に映るようになったのか\(^o^)/。。。と喜んでもいられない。この滝が名所になる前に、崩壊が広がらないか心配しなくてはならないよ。
それにしても結構段差があるし、いくつも連なるだけに間近で見たら迫力あるかもしれない。誰か、滝登りをしないかな。丸見えだけど。

 

2023/05/27

庭の「カエル」と「カメ」

このところ、撮影したものの使い道のない写真、保存するのもん?と思うような写真をインスタに上げている。するとFacebookやTwitter(こちらは手動)にも転載される。

せっかく何か面白いと思って撮った被写体なのに、眠らせるのは惜しいという、極めてどうでもいい行動なのだが(そもそもインスタグラムを始めとするSNSって、そういう機能だと思う)、するとブログはどうしようかと迷う。ブログは時代遅れ的になりつつあるが、私にとっては本命なのである。ブログにアップすることによって情報と考察の備忘録にしている。SNSは自身で制御できないところがあるが、ブログは私が仕切れるのである。

さて今日は、ドーデモよいインスタネタも、ブログでアップしてしまおう。土曜日だし。

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庭にあるカエルとカメの置物。カエルの鼻の穴に注目。カメは甲羅の子ガメを見落とさないで。

自らの視線を、なんとなくカエルやカメの目に合わせると、ジャングルの中にいる気分になれて楽しい。年をとったら庭を探検して歩こうかと思っている。狭い庭でも這いずり回ったら、無限の広がりがある。

 

2023/05/26

高伐りされた森の謎

生駒某地区の森の中を歩いていたら、いきなり広々とした土地に出た。その地域だけ樹木が伐採されていた。

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なぜだ?と見回して気付いた。そう、上空に送電線が伸びている。そのために伐ったのだろう。しかし、まだ電線まで相当の距離~少なくても10m近くは余裕はあると思うのだが、早めに伐っただろうか。エラく手回しがいいではないか。

が、次の疑問が湧いてきた。伐られた木をよく見てほしい。

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根元から伐ったのではないのだ。高さ3、4mあたりで伐っている。この位置で伐るのは、なかなか難しいのではなかろうか。

なぜなら、まず届かない。高さ3m以上となると、地上からは届かない。脚立か梯子をかけたのか? 一本ずつ伐るたびに脚立を移動させて? それとも木登りして伐るのか? どちらにしても、ものすごく手間。

かといって場所的に重機を入れるのは難しい……というか、入れた跡がない。写真の位置は若干平坦だが、道路からここまではわりと凹凸が厳しいし傾斜もある。重機用作業道を入れた形跡も見つからない。
普通なら根元から伐るだろう。それならチェンソーで倒せばよいのだから比較的簡単にできる。だが、そうしなかった。

そもそも、なぜ、その高さで伐る必要があったのかもわからない。梢を落とす形で低く繁らせようとしたのか。でも枝もほとんど全部落としているから、木は枯れる可能性たってある。根元から伐ると木がなくなってはげ山になるから?自然破壊と言われるからとか? 

伐られた木の樹種を調べるのを忘れた。一部コナラはあるが、ほかは何だろう。早生樹特有のひょろりと伸びた様子がある。

電力会社特有の理由があるのかもなあ。以前、我がタナカ山林の間を伸びている電線に絡んだ木を伐る時も、電線に触りそうな枝をほんの少し下から伐るだけだった。それでは数か月でまた伸びますよ、と言ったのだが、それが決まりらしい。バッサリ伐ってはいけないそうだ。

なんだか不可解なのだった。

2023/05/25

草抜きと除草剤開発秘話

近頃、朝は庭の草抜きが日課になってきた……。抜いても抜いても生えてくる。地上部だけ刈り取っても、すぐ生えるのは誰でも知っているだろうが、根から抜いてもダメ。また生える。

そこで考える。

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このような草を抜くと、表土が剥がれる。耕したみたいになる。すると柔らかい土にまた雑草(という名の草はないけど)がまた生える。

これは、結構厄介なことである。表土を耕すと、雨に打たれると流れるし、風で土が飛ぶこともある。いや、こんな庭ぐらいではなんということはないのだが、大面積で考えると環境に甚大な影響をもたらす。日本のように湿潤温暖ならまだしも、乾燥地帯か、あるいは定期的に豪雨のある地域では表土が失われ、農作物の栽培にも影響が出る。

……と、ここで思い出したのが除草剤の開発秘話。実は、除草剤を開発するきっかけは、この表土を守るためだったというのだ。草を抜くたびに土が失われるため、それを防ぐ方法として薬で草を処分できないか? ただし土壌成分に妙なものが残らず微生物を殺さぬように特定の草だけを枯らす薬。

そして生まれた除草剤は、ある意味環境を守るためのものだったのだが、なぜか世界中で環境破壊の代名詞になっちゃうのだたね。

草が枯れる=草に有害な成分を含む=きっとほかの生物にも有害なのに違いない=栽培できた農作物に、残留成分が入るに違いない=それを食べる人間だって危険だ! 
という論法。よくよく考えれば大きな飛躍なのだが、多くの人を納得させられてしまう。農薬と除草剤の区別もしない人も少なくない。

私自身は、厳密に農薬・除草剤の毒性を考察したわけではないが、概して安全だと思っている。植物は、たいてい自身でも毒性物質を合成するが、それをすべて危険とは言えない。
そもそも毒性と量の問題だってある。どんなに強烈な毒だって薄めたら役立つ薬になるものもあるのだから。逆に言えば、どんなものでも使いすぎたら危険。また、その成分の分解特性も重要だ。現在は数週間から数時間で分解するものまである。ずっと残り続けるようなものはほとんと生産されていない。

というわけで、私も除草剤を使うことにした。とくに石の間やコンクリートのヒビなどに根を張った雑草は抜くと隙間から崩れる恐れがある。場所と量を十分に考えて、シュシュシュと吹きかけている。ただ除草剤の効力は意外と長持ちしない。これだって、何カ月持つのか……。

2023/05/24

トンボの産卵?

我が家の池にトンボが飛来した。名前がわからんがヤンマ類だろう。

尾を水面に突き刺しているから産卵するのではなかろうか。

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池にヤゴが群れる日が来るだろうか? ちなみに金魚は、冬を越したら激減。小赤を30匹と多少大きなコメント5匹を昨年話したのだが、コメットは姿を消している。なぜ。遺骸も見かけないから、鳥に食われたのだろうか。小赤も10匹くらいしか見かけない。

弱肉強食かもなあ。トンボのヤゴは、どちらになるか弱か強か。

 

2023/05/23

彩色古墳にコーフン!

このたびの旅のメインイベントは、王塚古墳の訪問だ。

と言っても、知らない人も多いだろう。福岡県桂川町にある前方後円墳だが、彩色石室があるのだ。

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古墳内はもちろん覗けないが、隣接して王塚装飾古墳館が設けられ、石室のレプリカもつくられている。大阪・奈良で古墳は身近で数多くもぐっているものの、彩色古墳には縁がない私、なんとしても行きたかった。

館内は、土曜日だし、混んでいるかな?という想定もしていたのだが、不思議なほど、ガランはしていた(笑)。おかげで見放題。邪魔されないのである。

なんと華やかなのだろう。内部に入ると、わりと天井が高くて星なのか点の模様が描かれている。そのプリミティブな紋様は、古代史というよりニューギニアのセピック芸術を連想する。抽象的な同心円文や三角文、点が多いが、よく見るとウシなど具象画もある。

この王塚装飾古墳は、5色も使っている。なかでも赤は、いわゆる朱。第二酸化水銀だったかな。これ、かつては金銀より価値のある鉱物だった。古代では、鮮やかな赤の顔料の方が求められたのだろう。

実は水銀の産地は奈良。「大和水銀」とも言われて多く採掘されて古墳などにも色付けされていたが、ここまで華やかな絵が描かれているところは近畿地方にはほぼない。なぜか九州に集中しているのだ。

これは飛鳥にもないわ。国の特別史跡に認定されていおり、高松塚古墳と匹敵すると言われるものの、時代も違うし、写実的な人物像にはない迫力。とくに

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つい、こんな真似も(^^;)\(-_-メ;)。

しかし、人気がなさすぎる。静かなのは私的にはうれしいのだが、もったいない。おそらくオープン時はそこそこ人がきたのだろうが、今はひっそりしている。周辺にも古墳は多いし、近距離に佐賀の吉野ヶ里遺跡もある。やり方次第でもう少し売り出せたはずなのに。
明日香村にあったら、年中満員にするだけの集客力を持つだろう。明日香村に学んだ方がいいと思うなあ。

 

 

2023/05/22

組子復活の起爆剤になったのは?

福岡で訪れたところは数あるが(そもそも観光旅行を兼ねたトークショー出演であったのだが、3日間ぎっちりと視察旅行になったのはなぜ?)……そのお土産の一つがこれ。

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組子の部品だ。木下木芸を訪ねると、もう完成したので、余分なこれらは捨てるというのでもらってきた。こんな薄く細かな木の組み合わせ作業をどれぐらい行うかと言えば。 (゚o゚;) (゚д゚)

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これぐらい。ここにあるのは壁の1面なので、実際にはこの数倍つくらねばならない。それが完全手作業だ。

実は、これと同じぐらいの大きさの組子の壁の1枚が、失敗したので壊すという。何か一列か間違えてずれたので、全体のバランスが崩れたとかなんとか。捨てるなんて、ください! 担いで帰ります!と宣言したのだが、現実には担げる大きさではないわな。山陽新幹線に積めない(泣)。(その前に駅までも運べない。)

いかにも日本の木工芸の粋とでも言える細かな技術で素晴らしいが、これ、一時期滅びかけていた。というのも、主な需要の欄間や茶室、床の間などが1990年代にほぼ消えたからだ。和室がなければ成り立たない……そう思えたのだが、それがいきなりの復活。約10年ぐらい前だ。

その起爆剤となったのが、こちら。わかるかな?

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JR九州新幹線の超豪華寝台列車「ななつ星in九州」の内装である。デザインを手がけた水戸岡鋭治氏によって組子が選ばれた。
私は、いくら有名になったと言っても、たった1車列(7台編成)だけでは、一過性の需要だし、乗る人は限られているから組子を目にする人も少なく波及効果はないのではないか、と思っていた。
それがそうでもないらしい。乗らなくてもマスコミ報道で有名になって、どんどん飛び火して、全国各地にと似た豪華列車がつくられ、また組子も採用される。列車以外にバスや駅舎、町並みにまで応用されるようになり、大きな需要を生み出したそうである。

そして行き着くところの作品がこれ。

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これも水戸岡氏のデザインだそうだが。スケッチを渡されて、そこから作り上げるのが職人の創意工夫だ。組立式茶室by組子。

技術は変わらなくても、用途が変わればデザインも変わる。そして人気が復活する。

もっとも職人養成が進まないから、将来は厳しい……というのも現実だ。さて、どうする?

2023/05/21

Wedge林業記事の神髄はここ!

Wedge6月号に林業特集が載った。「瀕死の林業」。

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満を持しての特集記事である。目次を見ていただければおわかりと思うが、かなり多彩に載っている。大雑把に言って「絶望編」と「希望編」に分かれている。私の推薦した取材先も多数(^_^) 。そのうちの幾つかはネットでもすでに読めるようだ。

Wedge6月号試し読み

木材自給率が倍増しても林業が絶望的であるのはなぜ?

これは私のモロ絶望編ですな。記事ランキング、堂々の1位。
これとは別に希望編も執筆している。ぜひ、ほかは購入してお読みいただきたい。期日が経てば、少しずつネットにアップすると想うが。全部ではない。

ところで私が本当に読んでいただきたいのは……希望編の最後なのだ。それを、ここで公開してしまおう!

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なんと、土倉庄三郎が登場するのである!! 無理繰り? いえ、編集者にぜひ書いてくれと言っていただけたもので。今後、また土倉庄三郎についての記事をWedgeに掲載する予定もある。乞う、ご期待。

※Wedge6月号の近現代史ブックレビューには、土倉庄三郎に引き上げられた樽井藤吉の記事が掲載されている。

初めて明らかになった樽井藤吉の思想と生涯

2023/05/20

割り箸グレードアップ

先日、十津川村に行った際に、お土産に買った割り箸。

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割り箸と言っても、これは何という名か。らんちゅうのように最初から別々で紙で留めてある形式の角箸だ。材質は赤柾に近いかな。さすがに木目は細かい。吉野割り箸は、箸の片割れ1本に10本くらい年輪が入っているが、これもそれに近い。ついでにいうと十津川産ではない(笑)。吉野産だろうけど。
価格も通常の割り箸とは違う。3膳で500円だったかな。いや400円?1膳単位で見れば、100円を超えている。通常の国産割り箸の高級品でも、1膳50円くらい。箸袋もついていないし、そんなに高くない。

なぜ、高いのか。それでも買ってしまったのか。

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やはり、この模様があるからだろう。鹿の角だと思う。吉野でも鹿は害獣扱いだが、奈良県としては鹿は神の使い(^_^) 。

この模様を刻印するだけで割り箸はグレードアップしたのだよ。一気にコレクターアイテムに変身した。

私も割り箸コレクションのつもりで買ったのだが、そのうち使ってみようと思う。使い捨てする機にはなれないから、洗えば何日くらい持つかな。

2023/05/18

九州大学中央図書館にて

本日は、福岡。あいにくの雨であった。が、伊都キャンパスは広い!

その図書館で開かれたのが、トークショー。

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何の用意もせず、しゃべり倒した。

そして図書館の前の生協書籍部では、田中淳夫フェアを開催しているのであった。

でも、、、雨だしなあ。広すぎるキャンパスは移動も大変。

そのなかをしゃべり続けたのであった。山林王に土倉龍次郎に庄三郎に、台湾に本草学に畔田翠山に田中芳男に朝ドラに……いきなり門司の思い出話もしたなあ。ええと、ほかに何があったっけ。

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2023/05/17

神宮外苑は東京のローカルニュース

前々から気になっていたのだけど。神宮外苑の開発計画、正確に言えばそれに付随する樹木伐採計画に関して反対運動が起きている。
私の所にもコメントを求める依頼が幾件か。が、興味ないのである、私は。

それでも、一応の概略ぐらいは把握している。ま、職業的義務かな、と思って。

神宮外苑の大規模開発、反対署名19.5万筆 何が問われているのか 

神宮外苑まちづくり

ごく簡単にまとめるなら、明治神宮外苑の神宮球場やラグビー場の老朽化による改修工事と合わせて、三井不動産なども加わった大規模開発ということになる。そのために700本以上の樹木を伐採などをするというのだが……。

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でも、これって、街路樹や公園木だよ? さほど貴重な生態系が成り立っているとは思えないし、700本なんてのは、林業的には50年生の人工林なら1ヘクタールぐらいではないか。公園や街路樹を伐る話だって世間には山ほどある。邪魔だ、伐れという人もたくさんいる。そもそも私自身がこんな記事を書いていた。

都会にある大木を伐るのは賛成?反対? 錯綜する市民の声

だいたい公園や街路樹の植樹桝(根の広がる土を入れた部分)は概して狭すぎて、樹木からすると虐待に近い。根が張れずに弱っていることも多いし、病気や害虫がつきやすくなり、いつか枯れて倒れる日が来る。それによる事故も多発している。

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また今回の計画は、内苑の100年の森とは何の関係もない。あの本多静六がつくった奇跡の森を伐るというなら反対するのもわかるが、球場周辺なんて街路樹に毛の生えたレベルとグラウンドではないか。何が問題なのかわからない。
だいたい公共地でもなく、明治神宮という宗教法人の土地であり、そこに税金を注ぎ込むことは不可能だ。逆に言えば、球場などの改修工事費を賄うために神宮が知恵を絞った結果の開発計画とも言える。

とはいえ、木を伐るというと反対の声が出るのは全国共通だし、それなりに思い入れもあるのだろう。私なんぞ、外苑を歩いたことは1、2度しかないから思い入れもないのであるが……いや反対運動の中心は、外苑に行ったことなくても 木を伐るというだけで気になる、反対するという人も多いのかも。

それはしょうがない。でも、当事者でない東京都に抗議するというのもおかしい。行政は、計画書に違法な点がなければ、仕方なしでも許可を出すものだ。それなのに署名を提出したのも都宛だ。一方で当事者である明治神宮に抗議デモが押しかけたとは聞かないし。そんなことをしたら顰蹙を買うだけだろうが。

私自身は、現場調査したわけでもなければ、計画を精査したわけでもないので、賛成反対は言えない。基本、興味ないし。勝手にやってくれ。あくまで東京のローカルニュースとして扱うなら。

うんざりなのは、ローカルな話題を、さも一大事のように全国版の新聞や放送で流すことだ。

仮に奈良の公園で伐採が始まったことが全国ニュースになることはあるのか? そういや古墳発掘で樹木を伐ったら抗議する人がいたけど。
大阪の公園はここ数年、軒並み樹木が伐られて集客施設や購買施設が建設され、あまつさえ公園そのものが有料化している。それが全国ニュースになって全国で反対運動が盛り上がったとは聞かない。

マスコミは東京に集中しているから、目に止まるし取材もしやすいから取り上げるのだろうが、それはローカルニュース。全国の人が興味を持つほど貴重な自然とか、開発の是非を考察するに値するバリューはあるのか。

山を何十へクタールも丸裸にする伐採が行われていても、稀少な森林生態系が破壊されても、その事実をいくら発信しても東京人は興味を持たない現実もある。それが違法伐採でもベタ記事扱い。それがスギ林の場合は、ハゲ山になって水害が心配されても「もっと伐れ」とさえいうくせに。

木を伐ることに反対する人ほど、木を知らない、森を知らない、身近に木がない人なのかもね。

 

2023/05/16

Y!ニュース「イチゴ栽培はハエに任せろ……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「イチゴ栽培はハエに任せろ?昆虫界の異変にどう対応するか」を書きました。

実は、このハエの研究をしている機関の一つが奈良県の大和野菜研究センター。その話題に目が止まったのであった。

最初は、ハエに花粉を運ばせるとは面白い、といった程度の認識だったが、より背景を調べると、地球上の昆虫界がヤバい状況にあることがわかってきた。地球異変は、一部の昆虫(人間にとっては害虫になりやすい)の増加は別として、多くの種が消えつつあるのだ。人間がコオロギ食べる是非なんて言ってる場合じゃねえよ。昆虫に見放されたら、人間界もオシマイだよ。

ちなみに、やっぱりというか、ハエのたかったイチゴなんか食いたくない、というトホホな反応が出ているが、それが今の日本の感覚なんだろう。

なお我が家の庭には、柑橘類がたくさん植えられているのだが、それがいずれも花盛り。そこに蜜を求めて昆虫が集まっている。

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チョウもいるが、やはり多いのがミツバチ。ニホンミツバチが花の周りをブンブンと回っていた。蜜を求めているハチは、まず刺すことはないから、きっと蜜に夢中でわき目も振らぬ状態なのだろう。私も接近接写する。なおデカいクマバチぽいのも飛んでいたから、こちらは近づきたくない。

こうして庭で観察していると、花の世界も、虫の世界も賑やかな平和というか、らんまんなのだけど。

 

 

2023/05/15

まだ続く「聞き書き甲子園」

林野庁、水産庁共催の「聞き書き甲子園」がまた今年も始まったようだ。

~第22回「聞き書き甲子園」開催~

22回というからには、22年も続いているのか。これまでの成り行きを知らない人もいるだろうから、ごく簡単に説明する。

もともとは林野庁と文科省ほか外郭団体で実行委員会をつくり、「森の聞き書き甲子園」と呼んでいた。森の名手・名人100人を選んで顕彰し、その人たちに高校生が聞き書きして、その技を記録する、という趣旨だった。ここで名手とか名人と呼ぶのは、森の技術に長けた人。たとえば伐採とか枝打ち、スギの種取り、といった林業技術から炭焼き、マツタケ、漆掻き、養蜂、木彫り、藁細工……とまあ、森や木材を相手にした職人芸である。

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おそらく当初は、この名人の顕彰が目的だった。そこに高校生を通しての伝承と若者の教育といった目標も加えたのだろう。しかし毎年100人ともなると、だんだん名人がいなくなる(笑)。そこで水産庁も巻き込んで、海や川の名人も含めだす。

しかし、そこそこ裏側の事情を知る身としては、名人を推薦するように言われた都道府県も困ってしまう。最初の数年間は、どの人を選ぼう、こちらをえらんでこちらは外すと揉めるからどうのこうの。来年は必ず推薦しますよ、的な話だったのが、もはや推薦する人がいなくなる。

私の知っている人の中には、経験1、2年じゃないの? という人もいる。また師匠を裏切って飛び出した人もいて、この人を名人というなら師匠はどうなる? 的な人もいる。

結局、これまで2000人以上、今年も含めると2200人を超すわけか。もはや名人顕彰を忘れて、高校生の教育目標に第一次産業者が突き合わせられている感がないではない。どうせなら町の人も加えて、旋盤一筋35年!とか、トラック運転24時、いっそ私は300人を看取りました、宇宙飛行士めざして、なんて名人も入れたらいいね。いや、今風にAI研究者とかゲーム制作者だって喜ばれるだろう。

すでに第一次産業から離れたのだから、林野庁がやらないでもいいと思うけどね。だらだよ止め時を失っているのは、まさにお役所仕事ぽい。

ちなみに「聞き書き」とは、聞き取り役の意見は入れずに、聞いたまま記録をとること。オーラルヒストリーと言えば、民俗学などの調査手法にもなる。マスコミでも取材仕事の第一歩でもある。質問はするが、答えはすべて相手任せ。雑誌取材の場合のデータマンに近い。結局、自分を出さないように見えて自分の興味を紛れ込ませる仕事(笑)。私も新人時代はやったけどね。

ちなみに私は、録音しない。ノートもとらない、という独自の手法(笑)で行う。だって面倒なんだもの。聞いて大切なことは覚えてるだろ、忘れるのは必要ないことだろ、と開き直っている。せいぜい固有名詞や数字などをメモとる程度。聞き書きには向いていないなあ。

 

 

 

2023/05/14

草花の同定に挑戦

せっかく牧野富太郎が注目されているのだから、我が家の庭で富太郎ごっこ、草花の名前の同定に挑戦してみた。

というか、外来種のハルジオンがいっぱい伸びてきたので、その駆除をしていたのだ。どんどん咲いている花を引き抜き、種子を付けないようにする。が、その途中で目に止まったのが、これ。(写真上の花。下の花がハルジオン)

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両者似ているが、ちょっと違う。花を並べてみると、花弁の太さが如実に違っていた。そこで、ヒメジョオンではないかと思ってその場でスマホ検索。ビンゴ。花弁の太い方がヒメジョオンであった。ハルジオンは、羽毛のよう。
生庭全体にえているのは、ハルジオンの方が多いのだが、なぜか一カ所ヒメジョオンが生えていたのだ。

ところが、後でヒメジョオンの群落を発見。

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庭の裏の家との間の溝部分に群落化していた。広く点在するハルジオンとちょっと違う。これは育つ環境の差なのだろうか。
ヒメジョオンも外来種だ。しかし、なんとなく残しておくことにした。今はハルジオンを駆除して、その後にヒメジョオンがどのようになるか試してみたい。ま、花も好みだし(^^;)。

 

さて、次に目に止まったのが、これ。

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花を包み込むような筒状の草花。仏炎苞と呼ぶ花の形状だ 。この草は覚えがない。それらしい種名を思いつかないと、当たっているか外れかはともかく、検索しようがない。どう検索するか。

そこで連想したのが、よく似た筒状の花を咲かせる「オオコンニャク」だ。植物園で人間の背丈より高くなるショクダイオオコンニャクという植物を見た記憶があったからだ。花の形が似ているのなら、所属する科も同じではないか? それで検索してみる。

出てきたオオコンニャクの画像。たしかに花の形は似ているが、大きさはもちろん違う。こちらは長さ10センチほど。また茎やガクの模様も違う。それでもいいのだ。コンニャクがサトイモ科の植物であることを確認できた。今度は「サトイモ科の雑草」で検索する。するとマムシグサなど幾種類かヒット。

今度はそれらの画像を順々に見比べて似ているのを探す。明らかに似ていたのがカラスビシャクであった。改めてカラスビシャクで検索する。
完全に一致する。形態、生態、分布いずれも該当する。

だから、これはカラスビシャクなのだろう。画して同定終了。

これは中国からの帰化植物とある。しかも繁殖力旺盛のためヒャクショウナカセの別名もある。強力な雑草らしいが、我が家では、まだ珍しい。一歩打て地下茎は漢方の薬になるそうだ。ちなみにカラスビシャクという名は、役に立たないという意味でカラスが使う杓(ひしゃく)に見立てられたという。

私は草花の名には弱いのだが、たまにこういう作業をしてみることも勉強になる。スマホで写真を撮れば同定するというアプリもあるが、それを使ってみてもイマイチ当たらなかった。こうして地道に連想から検索する方が覚えられそうだ。

2023/05/13

ベランダ探検で草生えた

このところ、毎朝庭いじりをしている。

1年のうち今しないと庭がつくれないという焦りもあるが、とにかく朝の涼しいうちに庭に出ると、楽しい。毎日どこかに草が生えてくるし、何か発見がある。牧野富太郎にはなれないが、植物を楽しめる。(ちなみに私の目標は、熊谷守一である。絵を書くわけではないが、晩年は、毎日庭を探検していたという逸話を真似したい。)

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一方で、ベランダもある。こちらにも昨年まではプランタだらけだったのだが、今は整理して、大部分を本物の土のある庭に移したのだが、気がつくとプラスチックの人工芝に本物の草が生えていた。

いやあ、稀少だ。同定は、今しばらく大きくなってからにするか。新種かもしれんヾ(- -;)。ベランダでも探検ができるよ。

 

 

2023/05/12

Y!ニュース「カーネーションは神の花……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「カーネーションは神の花。移り変わるイメージと花言葉」を執筆しました。

これは、園芸ジャーナリストとなる第一歩である( ̄^ ̄)。

新たな肩書を見つけたよ。もっとも園芸のことで多少とも事情を知っているのは、カーネーションだけという状態なので「見習い」。

もともと「母の日」に合わせて、またカーネーションの父・土倉龍次郎について書こうかな、と思ったものの、すでに5年も前に「母の日110周年!カーネーションの父の話」を書いていた。それで龍次郎がらみで私の調べたカーネーションのウンチクを並べて見たのである。

これを機に園芸業界、花卉業界に進出、となるかどうか(^^;)。ちなみにサカキやシキミも、林産物だけど園芸業界の取扱品。食べ物ではない栽培物という点では、林業と花卉業界は近いのかもしれない。(ここで食べるキノコ、食べる花もあるというツッコミはなし。)

なお、正直なところ、この手のテーマや話題は、Yahoo!ニュースにはまったくなじまない(笑)。かろうじて「母の日」として時事ネタに引っかかっているかな、という程度だ。
むしろ昨日の「「藤の花は山の悲鳴」 美しさの裏にも目を向けて 京都・南丹の山林から」という京都新聞から転載のYahoo!ニュースにつけたコメントが一瞬で2000も超える「参考になった」プッシュになったのと大きな差だ\(^o^)/。オーサーコメント

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2023/05/11

人をダメにする“村”

一度入ったら、人間を骨抜きにしてダメにする恐ろしい村に行ってきた。テーマパークかもしれんが。

これはイカンでしよ。

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先住者がだれていた。ケシカランと思いつつ、私も寝転んでみると……。

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だれてしもうた。ダメ人間になった。起き上がれん。地上5、6メートルはあるか。下から吹き上げる風が心地よい。動けん。

ダメだ、もう怠け者だ。腑抜けだ。このまま、ここで一生を終えても仕方ない。

 

……いま、この窮地から最後の力を振り絞って、脱出してきたところである。恐るべき秘境だった。紀伊半島の奥に、こんなブラックホールのごとく魔の村があるなんて。

 

2023/05/10

タケノコ?若竹?メンマ?

ついに我が山林でタケノコを収穫した。タケノコと言っても……。

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ちょっと成長しすぎ(^^;)。通常の人なら、食べるのを諦めるだろう。が、タケノコのプロ???は、そんなことしない。

食べるのだ。というより食べられるのだ。いかにもタケになってしまったように見えるが、実は先の部分は穂先タケノコとして十分美味しいし、商品化もされている。そして、その下の部分、いかにもタケっぽく棹が伸びているが、ここもまだまだ柔らかい。

そこで刻んで圧力釜で長時間炊く。これでメンマもどきをつくるのである。もともとメンマは中国の麻竹(マチク)でつくるもので日本のタケとは種類がちがう。しかも蒸したり発酵させたり塩漬けにしたり、という工程を経てメンマになる。もちろん私は、そんな手間をかけずに、柔らかくしたら、味付けをしてオシマイ。

最近は、日本でもメンマをつくる動きが広がっている。放置竹林を整備する足しにするという発想のようだが、量的にそれは無理なのはもちろん、そもそも種類がちがうのだからメンマと呼ぶべきかどうか。ちなみにメンマとは「ラーメンに乗せるチク」の略だそうである。中国語ではなかった。

それでも全国に広がっているらしく、その連絡組織もつくられている。それが「純国産メンマプロジェクト」。84団体が参加しているそうだ。

私は、それに参加するわけではなく、単に自分の山のタケを食べたいだけ。タケノコではなくタケを食べるのだからパンダプロジェクトをなんてどうか。

 

 

2023/05/09

草原の資源

疲れたときは、この雄大な大草原を眺めて癒されるのよ……。

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黄色い花が何なのか、牧野富太郎ばりに観察すればよかったのだが。

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草原は、人の力で刈り取りをしないと維持できない。こうして、オギだかススキだかも刈り取ってまとめると、何やら風情のある景観を作り出す。牧場か、と見間違える。こんなところが我が家から20分の距離にあるのだよ。有り難い。

すごい田舎って? いえ、大都会である。ただし1200年ほど遡れば。そう、平城宮跡である。なんたって首都だ。よ~く見ると、大極殿なども見える。

約130ヘクタールもの草原(実際は、その3分の2ぐらいに草が生えている)が維持されるには、どれほどの労力がいるのだろうか、と考えてしまう。この草は、再利用されることなく、焼却処分されるというのだが、なんとかならないか。外来雑草も混ざっているから、ほかの地域に堆肥などにしたらマズいという判断もあるそうだが。

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だけど、見て癒されるのが、もっとも大きな資源だったりして。草の香りがたまらん。

2023/05/08

九州大学図書館でトークショー

突然ですが、来週18日に福岡行きます。何が目的って、骨休め(^^;)かもしれませんが、その合間にこんなことを。

九州大学中央図書館でトークセッション

ただ今「帝国日本と森林」展をが開かれているが、それと連携して、私がオシャベリします。

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そう、以前、この本があまりに高額なので(6000円弱)、買うのを逡巡したことを本ブログで紹介したが、それが縁で出演が決まるというから縁は異なるもの、不思議なことになったのだ。九大博物館に著者の一人がいたのである。

話す内容は、林学系、歴史系の学生もいる中、取り上げるのは戦前の台湾林業を始めた人物(土倉龍次郎)を予定しているが、むしろ、なぜ興味を持ったか、どのように取材して執筆するか、をテーマにするという。研究調査と取材執筆の相似性を描けたらと思っている。

日時:5月18日(木)13時10分より(トークは約1時間)

場所:九州大学中央図書館4階きゅうとコモンズ
 ちなみに、九大伊都キャンパスセンターゾーンにあるそう。都心部からは遠い、らしい(^^;)。

忘れてた、無料だ。

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一応は大学生向きだが、学外者でもOKとのこと。平日の昼間で大学構内だから入りづらいかもしれないが、遠慮なく来てください。なお大学生協では、拙著コーナーをつくっていただいて販売する予定(希望)。当然『山林王』が並びます。生協は1割引、かな?

学生はもちろん、林業関係も、木材関係も、近現代史に興味ある人でも、フリーランスのジャーナリズムに関心ある人も面白がってもらえるようにする予定。

多数のご来場、お待ちしています。

 

 

2023/05/07

東洋経済に『山林王』書評

「東洋経済」誌に『山林王』の書評が載った。オンラインでも公開されている。

会員制だけど、こっそり公開(^^;)。もともと無料だもの。

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きっちりまとめてくれていますね。「山村が輝いた時代」が印象的とあるが、これこそ裏テーマでもあったのだ。山村そして林業が、今のように衰退していない、かつては国を支えた地域と産業と地域だったのだということを知らしめたい。これは執筆時からの意図であった。

もちろん吉野という一地域ではあるが、可能性は全国にあったはずだ。そもそも吉野、川上村は、歴史の複雑さや農耕の貧弱さ、地形の急峻さ、そして多雨気象など、林業に必ずしも有利ではなかった。それを全国に通ずるものに仕立てたのは何だったのか。為政者はよく考えてほしいものである。

庄三郎は、『山林王』はヒントになると思う。

 

 

2023/05/06

象の糞のジン

先日、行きつけのバーに行って、「面白いジンはないか」と頼んだ。マスターも私のジン好きは知っている。

今どきのクラフトジンは私もいろいろ試したので、さほど目新しいものは出てこないだろうと想像していたのだが……。

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インドラブ」というジンをオススメされた。正確には「インドラブ ピンクジン」。

インドとあるが、南アフリカのジンである。が,何がすごいって、このジンのボタニカル、つまり浸漬させた植物は、象の糞から取り出したものなのだ。像は、食べたもののうち約半分は消化せずに排出してしまうというので、その糞から取り出した植物質を利用したジンだそうである。もちろん消毒はしている。
具体的なボタニカルは、 コリアンダー、ジュニパーベリー、オリスルート、アンジェリカ、アカシア、ウチワサボテンなど。ピンクの元はウチワサボテンらしい。サボテンのトゲを、象たちは足で上手く取って食べるそう。そして、その実にはポリフェノール、ミネラル、ビタミンを多く含み、薬草でもあるとか。

もう一つ重要なのは、「インドラブ」の利益の15%を野生動物の保護活動を行うアフリカ財団に寄付すること。というより製造者は、それを目的にジンづくりに取り組んだらしい。野生動物の保護を目的に南アフリカに移住したというから。

このようなストーリーを聞かされて、私が飲まないわけがない(笑)。

ほんのりピンクで、なんだか甘い香りがしたな。イケます、このジン。

 

ちなみに、その後で「思い切りスモーキーなスコッチ」をと頼んだら、アイラ島の「オクトモア」という銘柄を推奨してくれた。世界でもっともピート臭の強いウイスキーという触れ込みらしい。一般にスモーキーなウイスキーとして知られるラヴガーリンなどの3倍臭い数値が出ている。ただし値段も相当張ります(1杯2500円だった)と言われたが、飲まずにおられようか。

酒は嗜好品だが、それゆえにストーリーあっての消費である。思い入れでほしくなる。

そして木工品も嗜好品である。

 

 

 

 

2023/05/05

タラの木に住まうもの

タナカ山林を、ごにょごにょと整備。これがストレス解消になる。ゴールデンウィークのささやかな楽しみ。

そこで、随分前に、タラの芽をよく採っていたタラの木を見る。もう梢は高くなり、収穫はできない。ただ、これまで採取するたびに萌芽が枝分かれするかのように伸びていたので妙な形になっているし、切り口が腐りかけていた。そこでスッパリと切り落とすことに。もしかしたら低い位置で再び萌芽が出るかもしれない……。

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芯が腐っていた。が,それよりも驚いたのは、切り口から大量のアリが湧いてきたこと。そう、タラの木にアリが巣を作っていたらしい。これは重症だ。しかし、これもアリ植物では?

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これは少し後に撮影したが、最初はアリが本当に湧いて出た。

アリ植物とは、アリと共生している植物で、海外にはわりとある。東南アジアのジャングルで見かけたのはアリノトリデ。植物の一部か穴だらけで、そこにアリが巣をつくる。たしか蜜も出して呼び集めているのだっけ。植物はアリに住み処を提供するわけだ。一方でアリの糞や食べ残しなどが植物にとっての栄養源となる。

日本には、そこまで明確な共生する植物はないと思うが、このタラのように枯れた部分に空洞ができて、そこにアリが住みつくのだろう。

ほかにハエトリグサのようにハエやアリを捕まえて食べてしまう食虫植物は、植物側が優位の共生か?いや共に生きていないか。

このタラの木を再生して、芽を採るのは無理かなあ。

 

2023/05/04

「木霊ッ子」という雑誌

「木霊ッ子」(こだまっこ)という雑誌を知っているだろうか。

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雑誌といっても広報誌なので、一般の人が書店で買う……ということはないのだろうが。

発行元は、銘木総研株式会社。銘木の研究所?と一瞬思ったが、違った。銘木を扱う材木店……でもなかった。HPによると、「木が持つ史実やいわれを調査研究し、伝統文化・歴史の継承、名木の利活用につながる情報発信やイベントの企画運営、商品企画・開発等を行」う企業らしい。

雑誌は、紙で発行しているが、この銘木総研のHPのページでも読める。

樹木を扱うビジネスは、木材以外にもそれなりにいろいろあって、生きている樹木から木工品をつくる・販売するまで幅広いが、こんな業態があるとは思わなかった。アイデア次第で樹木ビジネスはまだ可能性があると感じる。

 

2023/05/03

気分転換に古書市

連休中は仕事だ、としつこく言っているが、さすがに多少の息抜きは必要だろう。

仕事の合間?にどこかに出かけようと思って、目に止まったのが古書市。大阪の阪神百貨店と四天王寺でコロナ禍明けの古書市が開かれていた。そこで出かけてみる。同時期に別々に開くなよ、と恨み節を言いつつ、どちらにも出かける(笑)。

やってしまった。ストレス解消に買い物をするというのを聞くが、古書市でやってしまった。何冊購入したのか。何十冊購入したのか。

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読みたい、でも読む体力がない、と逡巡する本もある。結構な稀少本も見つけた。

自宅には、まだ読んでいない本が、おそらく100冊、いや200冊以上はある。どこから手を付けよう……。

若いころは、購入した本は、面白くなくても必死で最後まで目を通したものだ。すぐ忘れてしまったようであり、隠れた教養になった気もしないでもない。が、もう無理だ。今は面白くないと、途中でも打ち切る。面白くなくても何かためになる情報を含んでいそうな場合は超高速斜め読みをして、とりあえず気になるところはないかチェックする。なかには資料として購入したからすぐ読まなくてもよいのもあるが、内容まで忘れてしまうと、二度と開かなくなるから困る。

まあ、娯楽と思えばいいかな。

2023/05/02

『山林王』秘話。苛烈な自由民権運動

朝ドラ「らんまん」では、自由民権運動に巻き込まれる主人公を描いていた。

実際の牧野富太郎も、運動に参加していたという。さすがに逮捕されることはなかったようだが。しかし、土佐は自由民権運動発祥の地であり、村挙げて参加するところも少なくなかった。

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「らんまん」HPより。

実は私も自由民権運動には多少詳しい。というのも、『山林王』の執筆で自由民権運動は土倉庄三郎に大きな影響を与えたからだ。だから一通りは調べたのである。土倉庄三郎は、新聞発行費用など莫大な金額を寄付しており、「自由民権運動の台所は大和にあり」と呼ばれるまでになる。本人も近畿自由党の会計監督に就くなど幹部であった。

一般に自由民権運動と言えば国会開設が目的だったが、政府がまがりなりにも(10年後という条件をつけて)認めた後に、より過激になる。国会そのものよりも政府の横暴に対抗する運動となり、それが労働運動や階級闘争、そして朝鮮革命運動にも広がって各々が過激化・非合法化していく。自由党は、今でいう過激派となった。
教科書的には、福島事件とか加波山事件、秩父事件などが有名だが、ほかにも大小さまざまな事件が勃発している。

対して政府は、これはドラマでもあったが、とにかく集会を開くだけ、演説するだけでも逮捕した。新聞も即刻発行停止にする。ビラをまいても逮捕、参加しても逮捕だ。

そして庄三郎も、警察に連行されている。これが逮捕なのか、取り調べなのか、参考人なのか、レベルはわからないが、警察に睨まれていたようである。容疑は、群馬事件の首謀者宮部襄を隠匿したことだ。
この群馬事件、本当は天皇の乗った列車を襲撃して人質に取る計画だった。(ただ天皇が来るのは延期になったため警察署を襲うことに変更したが、賛同した農民が襲って焼討したのは金貸しの家だけだった。)その首謀者が関西に逃げてきて、庄三郎とどこかでつながったらしい。

ほかにも朝鮮に武器弾薬を送って革命を起こす計画の大阪事件に参加していた景山英子にも援助していたし、朝鮮侵攻計画に出資するよう懇願されている(これは断った)。でも、中心人物の金玉均とは仲がよく、川上村の屋敷に匿っていた時期もある。

この手の運動に関わったのだから庄三郎も、若いころはなかなか過激だったのだ……と思ったが、当時の年は40代である。若いとは言えないな。

詳しくは『山林王』を読んでほしいが、自由民権運動が明治の世の中に与えた影響は、想像以上に大きいように思う。

 

2023/05/01

久しぶりに「切り株の上の生態系」

今年の我がタナカ山林は、タケノコがさっぱりだ。

昨年が豊作だったから、今年はダメかなと思っていたが、見事に出ない。まあ、竹林ではなく雑木林だけど……。隣の竹林から伸びた地下茎から出るのだが、その隣を見てもまったく出ていない。

ただイノシシの糞がすごく多く、掘り返した跡も幾カ所か。わずかに出たタケノコは、イノシシに漁られたらしい。というわけで、悔しいが5月に入ったらイノシシの食べ残しを探そう……(惨めじゃ)

その代わりに見つけた切り株。

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これ、2014年(だから今年で10年か)に皆伐した時の切り株だ。かなり太い木を伐ってもらったのだけど、それで枯れずに萌芽が伸びてきた。

その萌芽がもはや相当な太さなんだから成長はよいようだ。そして切り株の上部には落ち葉などが溜まって土壌ができたらしい。そこにドングリが落ちて芽吹いた。生きた切り株の上に新たな生態系ができている。

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樹種は土台とちがうようだから、今後どのように成長するか興味をそそられる。

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片方だけが大きく成長し、一方を枯らすかもしれない。あるいは合体木になるか、寄り添って並び立つか。植物の世界には意外なことが起きそうだ。

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