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森と林業の本

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2023/05/26

高伐りされた森の謎

生駒某地区の森の中を歩いていたら、いきなり広々とした土地に出た。その地域だけ樹木が伐採されていた。

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なぜだ?と見回して気付いた。そう、上空に送電線が伸びている。そのために伐ったのだろう。しかし、まだ電線まで相当の距離~少なくても10m近くは余裕はあると思うのだが、早めに伐っただろうか。エラく手回しがいいではないか。

が、次の疑問が湧いてきた。伐られた木をよく見てほしい。

1_20230526165201

根元から伐ったのではないのだ。高さ3、4mあたりで伐っている。この位置で伐るのは、なかなか難しいのではなかろうか。

なぜなら、まず届かない。高さ3m以上となると、地上からは届かない。脚立か梯子をかけたのか? 一本ずつ伐るたびに脚立を移動させて? それとも木登りして伐るのか? どちらにしても、ものすごく手間。

かといって場所的に重機を入れるのは難しい……というか、入れた跡がない。写真の位置は若干平坦だが、道路からここまではわりと凹凸が厳しいし傾斜もある。重機用作業道を入れた形跡も見つからない。
普通なら根元から伐るだろう。それならチェンソーで倒せばよいのだから比較的簡単にできる。だが、そうしなかった。

そもそも、なぜ、その高さで伐る必要があったのかもわからない。梢を落とす形で低く繁らせようとしたのか。でも枝もほとんど全部落としているから、木は枯れる可能性たってある。根元から伐ると木がなくなってはげ山になるから?自然破壊と言われるからとか? 

伐られた木の樹種を調べるのを忘れた。一部コナラはあるが、ほかは何だろう。早生樹特有のひょろりと伸びた様子がある。

電力会社特有の理由があるのかもなあ。以前、我がタナカ山林の間を伸びている電線に絡んだ木を伐る時も、電線に触りそうな枝をほんの少し下から伐るだけだった。それでは数か月でまた伸びますよ、と言ったのだが、それが決まりらしい。バッサリ伐ってはいけないそうだ。

なんだか不可解なのだった。

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コメント

電力会社から伐採補償金を短期間でもらうための
森林所有者の知恵?かも。

市町村または県が、この伐り方なら森林の機能は損なわれず、伐採届が必要ないと判断しているためだと考えられます。伐採届上「主伐」扱いとなり、再造林が義務付けされる可能性があるため、手間がかかっても伐採届が必要ない方法を選択することがあります。

伐採届を出すか否かは別として、所有者が森として残す意図(賠償金を得ることも含めて)で高刈りするように要求したのかもしれません。
なかなか電力会社には謎ルールがありますからね。

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