彩色古墳にコーフン!
このたびの旅のメインイベントは、王塚古墳の訪問だ。
と言っても、知らない人も多いだろう。福岡県桂川町にある前方後円墳だが、彩色石室があるのだ。
古墳内はもちろん覗けないが、隣接して王塚装飾古墳館が設けられ、石室のレプリカもつくられている。大阪・奈良で古墳は身近で数多くもぐっているものの、彩色古墳には縁がない私、なんとしても行きたかった。
館内は、土曜日だし、混んでいるかな?という想定もしていたのだが、不思議なほど、ガランはしていた(笑)。おかげで見放題。邪魔されないのである。
なんと華やかなのだろう。内部に入ると、わりと天井が高くて星なのか点の模様が描かれている。そのプリミティブな紋様は、古代史というよりニューギニアのセピック芸術を連想する。抽象的な同心円文や三角文、点が多いが、よく見るとウシなど具象画もある。
この王塚装飾古墳は、5色も使っている。なかでも赤は、いわゆる朱。第二酸化水銀だったかな。これ、かつては金銀より価値のある鉱物だった。古代では、鮮やかな赤の顔料の方が求められたのだろう。
実は水銀の産地は奈良。「大和水銀」とも言われて多く採掘されて古墳などにも色付けされていたが、ここまで華やかな絵が描かれているところは近畿地方にはほぼない。なぜか九州に集中しているのだ。
これは飛鳥にもないわ。国の特別史跡に認定されていおり、高松塚古墳と匹敵すると言われるものの、時代も違うし、写実的な人物像にはない迫力。とくに
つい、こんな真似も(^^;)\(-_-メ;)。
しかし、人気がなさすぎる。静かなのは私的にはうれしいのだが、もったいない。おそらくオープン時はそこそこ人がきたのだろうが、今はひっそりしている。周辺にも古墳は多いし、近距離に佐賀の吉野ヶ里遺跡もある。やり方次第でもう少し売り出せたはずなのに。
明日香村にあったら、年中満員にするだけの集客力を持つだろう。明日香村に学んだ方がいいと思うなあ。
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