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森と林業の本

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2023年6月

2023/06/30

「木霊っ子」にインタビュー

先日紹介した「木霊っ子」という雑誌。その最新号が届いた。

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なぜ送られてきたかというと、私へのインタビューが掲載されているから(^-^)/ 。

雑誌は無料だが、ネットでも読める。銘木総研のHPからどうぞ。

広報誌「木魂ッ子(こだまっこ)」16号完成!

まあ、読んでくれたらよいのだが、掲載された私の写真を見ると、襟足に白髪が見える……ちょっぴり愕然とした(> <;)。

だから、そのページはここには載せない(^^;)。あえて最後のページを紹介しよう。

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内容は、私が森林ジャーナリストになるまでの軌跡を追っているのだが、もはや探検部の思い出話が中心になっていたよ。ボルネオにソロモン。たしかにインタビューでそんな話ばかりしたっけ。それは『森は怪しいワンダーランド』の内容と符合する。インタビュアーが、この本を読んで気に入ってくれたのか、そちらにばかり話をふるんだもの。

で最終ページは、これまで出版された本をずらりと紹介してくれている。下に並んだ書影は、新泉社が多いなあ。。。

今後、私も何か書いてくれと言われているのだが、まだテーマは模索中。楽しい話を書きましょう!jいうことにしている。暗い絶望感漂う記事はもういやだ。ヾ(- -;)

 

 

 

2023/06/29

再造林記事と佐伯広域森林組合

フォレストジャーナルに巻頭記事を書いた。

フリーマガジン「フォレストジャーナル」2023年夏号 6/26発行! 

フリーマガジンなのだから無料で手に入るし、登録したらネットでも読める。このリンク先からアクセスできる。

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編集部は「再造林」をテーマにしたのにネタが見つからないで悩んでいたので、私はズバリ「再造林率100%」を提案。もともと私は、コラム記事を担当していたのに、いつのまにか切り替わった(^^;)。
ここで紹介したのが大分県の佐伯広域森林組合だ。Wedgeに続いての登場。というか、先日の講演でも話したし、なんだか使い回し、いや、よく紹介させていただいております。

内容は、読んでいただければよいのだが、ある意味シンプルである。補助金をフル活用して、それでも負担金が出る分を、大分県が設けた基金と納品先のタマホームからの助成で補い、ほぼ山主負担をゼロ(っぽく見せている)にした。
実は、このほど森林組合は、2×4のウイング、佐伯市、ウッドステーションの4社で「再造林可能な価格で買い取る」協定を結んだ。そのため基金がなくても、自力で再造林ができるようになったという。

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年間1万㎥以上を買い取る前提である。その単価は、まあ、桁外れの価格で……私は聞いているけど、非公表だというので書けない(^^;)。

先日の講演で「ここだけの話」として紹介すると、会場から聞こえないどよめきが伝わった。信じられない様子。
さらに佐伯の森林組合の造林班の年収が1000万円に届くというと、もはやため息が。(ちなみに伐採班は全員1000万円超え)

ほかにもいろいろなケースを紹介したが、もっとも反応がよかったのが、やはり金額(買取価格や収入)だったなあ。

ちなみに佐伯広域森林組合が特別だとは思わない。たしかに条件的に有利な面はいくつかあるが、何よりやる気があるからだろう。ほかの地域の組合や民間事業体でも十分できることだ。山主を説得できたら、再造林はできるはず。問題は、物理的に苗がないとか、人手がない場合ぐらいかなあ。

 

2023/06/28

景観・見映えの「善し悪し」は変わる

先日の津山訪問時には、フランウッド本社も訪ねたのだが、そこで見せてもらった製品に驚いた。

なんと死に節だらけのスギ板なのだ。それをフラン加工して、焦げ茶になって積まれている。これは施主の要望に沿ったものだと。つまり、死に節のある板を建物の外構やルーバーとして使うという。そんな材なら安い、からではない。これがオシャレというのだ。

1_20230628115601節穴は撮り忘れた

これまで木目は「真っ直ぐ・無節」を極上とする価値基準があったが、そこに「節があって曲線の木目の方が自然な感じ」と言われるようになった。だが、その節だって生き節。さすがに死に節で抜け落ちたようなものは相手にされなかったはず。それが、いよいよ節穴のいっぱい開いた板の方が自然と言われるようになったのか。見映えの価値基準の大転換かもしれない。そして死に節があってもよいのなら木材利用の幅が広がり、歩留りも上がるし、何より丸太全体の価値も高まるだろう。節穴から腐りやすい問題は、もちろんフランウッドだから腐らないという点があっての利用でもある。

見映えの価値判断は、時代によって変わる。

話は変わるが、奈良県は知事が交代して、維新の新知事は従前の開発計画を見直すと張り切っている。私も前知事の計画の中には、それはいらんだろうと思うものもあったのだが、気になったのは平城宮跡の中を走る近鉄電車の移転計画である。

近鉄は、まだ平城宮跡の場所がはっきりしない時代に線路を引いた。そのため現在は史跡のど真ん中を横切っている。それを移動させて地下に移す計画で、奈良県、奈良市、国(文化庁)、そして近鉄で合意したものだった。それを新知事はいらん、と計画を白紙にしたのである。

6_20230628120801近鉄電車がひっきりなしに走る

巷には、近鉄奈良線に乗ると窓から平城宮跡が見えて絶景だ、また電車が走る平城宮跡の光景がなじんでいる、だから今のままでいいと白紙撤回に理解を示す声もある。その景観判断は、視点を変えてほしい。

私も電車に乗って屋良に行くときは、窓から朱雀門を見るのが好きだ。その景色は自慢したくなる。だが、同時によく平城宮跡に行く。ここを散歩する。そして朱雀門、大極殿、大極殿南門、東院庭園、そして発掘現場……と眺めて歩くのが、ちょっとした癒しになる。そこに電車が走るのは、天平時代の夢が破られる思いだ。しかも踏み切りがわずかしかなく、なかなか渡れない。

たしかに見慣れた光景であり、ミスマッチ感覚の面白さはあるが、それは天平の風景ではない。電車に乗って平城宮跡の朱雀門などを眺めるのとは視点が違う。文化的景観づくりという点から電車は走るべきではない。なれたというのは、ここ何十年のことだろう。1300年の歴史を無視している。私は、この一画に天平の景観を復活させてほしいのだ。それは日本のブランディングとしても有益なはずだ。

もともと朱雀門前には巨大な化学工場があったのを移転させるなど、この史跡全体の仕上げ段階だった。しかも移転費用などの点でなかなか進まないものを、ようやく実現まで持ってきて、関係各者も同意したばかりなのである。それをちゃぶ台返しをすれば、今後100年は実現しないだろう。今はミスマッチ感覚で面白い景色だからいいや……というのは、視点がさもしい。

と言っても、維新の頭では文化なんてわからないだろうなあ。この知事は以前生駒市長だったが、その時も伝統的な火祭りに市が関わるのは、宗教行事だから憲法違反とのたまわった人物だからなあ。目先の開発中止で財源を浮かしたと自慢しても、歴史的視点からは後世に批判されるだろう。

 

2023/06/27

AERA記事と週刊朝日

アエラ7月3日号広告に『政府の「花粉症対策」を成功させるカギは何か 「はげ山」続出の危険性が高い』という記事があると知った。

すぐ連想するのが、私がYahoo!ニュースに書いた2本の記事だ。

花粉症対策が日本の森を破壊する 

花粉症対策「スギ林2割伐採」の、ありえねえ~現実

どう見ても、パクリだ(笑)。少なくてもアイデアは。それで、図書館にアエラを見に行く。買わないところが意地(笑)。

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まあ、無難にまとめているが、パンチ力がない。タイトル負けしていて、はげ山を増やすことへの危機感や環境に対する悪影響をあまり感じさせないし、経済原則をはなから無視して、需要がないスギを補助金出して伐るグロテクスさに気付かないのだろうか。だいたいサブタイトルに「花粉症対策」を成功させるカギ……なんて書くところがぬるい。まあ、筆者が花粉症らしいから、本音では期待してしまっているのだろう。そもそも書き手は内部の記者(新聞記者)のようだし。表面的にまとめるのは上手いが、思い入れがない(今回の記事ならば、林業なんぞに興味ないことが透けて見える)。ホントぬるい。

とまあ、パクられ疑惑を拭えない私は、斜め上から目線で見ている。

実はアエラには、以前かなり頻繁に執筆していたのだが、編集長とぶつかって止めた。その編集長は首になったようだが、その次の編集長にも、緊急に書き上げた記事(もちろん事前了解済み)を2カ月も放置されてキレたし。

そう言えば、週刊朝日は休刊した。

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週刊朝日に執筆したのは、たしか1回だけだったと思うが、正直、休刊にいたっても仕方ないと思う。とにかくぬるい。企画がぬるい。読みたくさせるフックの記事がない。書いているのは、みんな内部の記者なんじゃないかと思ってしまう。部数が落ちると経費節減で、取材費を削り、さらに外部ライターを減らして内輪の書き手で間に合わせる。トラブルを避けて記事の尖ったテイストはことごとく削られる。お公家さん集団なのだ。逆に言えば、外部の尖ったライターはやる気を失い逃げ出す。

ぬるい仕事は、決してバズらない。ま、林業はほとんどそうだけど。

 

 

 

2023/06/26

林業技術のパラダイム転換~競争から共存へ

実は津山では仕事もしていてヾ(- -;)、それは講演だったのだけど、内容の一部に「混交林は木の成長がよい」という話をした。

すると終わってから質問が出て、「どれぐらい?」と聞かれる。その場で数値的回答はできなかったのだが、気になったので、その後のセミナー中に検索。以前読んだ論文を見つけ出す。

「science」に昨年掲載されたドイツ人の論文であった。

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ま、難しい点は抜きにして言えば、世界中の225の単純林と混交林の記録を精査して、複数の種を含む森林プランテーションが単一栽培よりも生産性が高いかどうかを確認した、というもの。

結果として、「平均樹高、胸高直径、地上現存量は、単一種林分と比較して複数種林分の方がそれぞれ5.4、6.8、25.5%高かった。」というのだ。最後の現存量(バイオマス量)で言えば、混交させていると25%も生産量が多くなったことになる。樹高も直径も混交林の方が5~6%大きくなったというのだから、凄くない?

細かな条件などは論文を読んでいただいて確認してほしいし、また精査は研究者に任せる。私もよくわからない部分はいっぱいある。

もっとわかりやすい説明を探すと、こうしたブログサイトがあった。まさに混交林についての研究を記している。

Fores-Try 森林研究の最前線⑦~独り勝ち?チームワーク?混交林と生産性~

ここで、なぜ混交林の方が成長がよいのか説明されている。

そのメカニズムには、樹種の「個人プレー」「チームプレー」があるという。
まずたくさん種類があれば、成長のよい優秀な種もある。それが大きく成長する。これが個人プレー。
一方で、「チームプレー」には植物同士の「助け合い」と「すみ分け」、植物以外の生物との「仲介」の3要素があるそうだ。植物同士が養分などを分け合って助け合う効果のほか、あるいはそれぞれ適応しやすい場所に棲み分けたら成長がよくなる効果、そして各種が分散混在していることによる病虫害などの蔓延を防げることで生産性の上がる仲介効果。

なお混交林が常に成長力があるのではなく、林齢が影響するそうである。フィンランドのケースでは、「樹木が若いときは単純林の方が成長が良く,逆に,樹齢20年ごろになると混交林の方が樹木の成長が良くなる」ようだ。

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よくわからないけど、論文のこんな図も載せておこう。

 

科学的な意味は専門家に任すとして、林業技術的にもパラダイムの転換になりそうな話である。

なぜなら、従来の林業は植物間の「競争」に人為を入れて制御する発想で施業していた。一斉に同樹種を植えて、植えた苗木だけを成長させようとする。そこで植えた樹種以外の草木を人為的に取り除く「下刈り」や「除伐」を行う。次に、次に植えた木同士の競争に人間が介入して、より大きく育てたい個体(将来木)を選んで、それ以外を伐る「(保育)間伐」を行った。

つまり競争相手を除くことで、望む種・個体だけを大きく、早く、育てようという発想だ。そこには異種・同種ともに競争相手と栄養や光などを取り合えば、上手く育たないと考えがある。ついでに言えば病害虫も、原因の微生物や虫類を退治しようとする。

しかし、混交林の方が成長がよいという事実に向き合うと、下手な競争への介入は、成長を遅らせることになりかねない。それぞれの異種の草木を共生させ、また同種でも並んで生えることで助け合う可能性があるのだ。これまでの施業は、大間違いだった?

とはいえ、人が利用できない(というより利用するつもりのない)草木がいくら成長しても役に立たないから、多少の誘導は必要だろう。植えたスギやヒノキを優占させつつ、ほかの木々、草も残す施業法を考えて取るべきかもしれない。

そういや雑草制御法として私も試した「全部取り除かない」、雑草の高さだけを制御して植えた種(花や果実目的)を育てる方法と考え方は一緒だ。ツル植物などヤクザ植物への対処法としては、ツルは地面を這わせてマルチにするのがよいのかもしれない。ならば、造林地の雑木や雑草も、植えたスギやヒノキ苗より高さを抑えておくだけで、残してよいことになる。その方が病害虫や風水害に強く、栄養を融通し合って早く育つ可能性がある。また雑木と呼ぶ広葉樹も太く高く育てば立派な収穫物になるから、スギ・ヒノキと少し離した場所で成長させる。草も商品化は可能だろう。

育つ速さだけでなく、リスクマネージメントにもなるし、低コスト施業にもなる。そして今風に言えば炭素固定と生物多様性の増大化が図れる。

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スギが優越しているものの、多くの広葉樹や草が生える森。

こうした林業のパラダイム転換を図れないか。明治以降、続いてきた造林-下刈り-除伐-間伐の作業を一から見直すのだ。

「競争」介入法は農作物など短期間栽培には役立つかもしれないが、林業のような長期育成を必要とする場合は、「共生」「共存」「混在」理論に基づく施業に取り入れるべきかもしれない。

 

 

2023/06/25

人形峠とウラン

さて、ようやく人形峠。

と思ったが、その前に「妖精の森 ガラス美術館」なるものがあり、そちらに寄り道。

これは町営施設なのかなあ。なんでもウランガラスの作品展示と工房があるのだそう。ウランガラスとは、微量のウランを含んだガラスのことで、紫外線を当たることで光るのである。エミール・ガレの作品もあったが、まあ、なかなか面白い。

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ただお土産で売っているものの高いよね。小さな一つ6000円くらいから万を超えるのだもの。

さて、そこを通りすぎて、ようやく峠に登る。今や鳥取に抜けるにはトンネルがあるので辺鄙な道を登るのだが、その峠付近には原子力機構の大きな施設がある。そして「人形峠アトムサイエンス館」などと名を打った原子力の解説・宣伝施設がある。土曜日だからか、わりと子供連れも来ていた。

ただ、あまり人形峠や日本の原子力開発の歴史については触れていない。単に写真パネル展示で済ませているのが残念。ゲームなどで原子力の説明することには力を入れているのだが……。

それでも、ウラン鉱石の展示はされていた。なんでもウランを含む鉱石は200種以上あるそうな。

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暗いところでみると、こんな感じ。これが路頭で落ちていたら採集したいと思っていたのだが、無理だなあ。原研施設は入れないし。せめて露鉱床を見てみたかったのだが。

で、記念碑だけ。

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回りはスギ林であった。きっと、このスギは巨大に育つに違いない(笑)。その木材には放射線が含んでいるから、それで家を建てたら人間も巨大化したりして。もしかしたら、家が光るかもしれん(丸ごと偏見)。

2023/06/24

岡山山中で発見した逸品

津山で一仕事を終えて帰途に着く前にどこか寄ろうと智頭を見る。

すると津山から北に進むと人形峠があるではないか。よし、人形峠でウラン鉱石を拾うのだ、と目的を定めて出発。

ただ、その前に発見したのが、「かがみの近代美術館」だ。鏡野町の山中に、古民家を改造した美術館ができたという。これは個人美術館らしい。そしてテーマは、夭折したミカンの画家たちの作品だという。「才能はあった 情熱もあった ただ時間だけが無かった・・・」というキャッチフレーズに惹かれてGO!

それが、なかなかのものだったのだよ。

詳しくは、かがみの近代美術館を見てほしい。

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が、今日は疲れているので、またの機会にするとして(^^;)、あえて驚きを。

津山市では、今注目を集めている人物がいる。一つは漫才コンビ「ウエストランド」。M-1グランプリで優勝して一躍人気者だが、この二人とも津山市出身だった。

そして、もう一人がドルーリー朱瑛里だ。女子駅伝で新星の如く登場し、17人抜きの偉業を見せた後も、次々と記録を出している。そして今春は進学校で有名な津山高校に進んだ。スポーツだけでなく頭脳もなかなか、と思っていたら、実は絵も習っているらしい。そして小学校のときに描いた絵が、かがみの近代美術館にあったのだ。狼の絵なのだが、なかなか上手い。小学校でこんな密な描写をしたのか、と思わせる。
実は絵の先生が、この美術館の顧問なのである。だから彼女も出入りもしているらしい。こんなに有名になる前は、彼女にゆるキャラのコスプレさせるイベントまで計画があったとか……。

ただ、彼女の絵を公開することは禁止されているのでここに今回できません。また絵自体も、現在は展示されておりません。見たい人は、この美術館を訪ねて、館長と交渉してください(^_^) 。

ここでは、別の面白さを紹介しておく。

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古民家を改造して美術館にする時にわかったこと。この立派な梁が、なんと床の間を串刺しにしていたのである。こんな構造はかなり珍しい。そのほか、巨大ケヤキの大黒柱など、見どころいっぱい。古民家に(^^;)。

あ、人形峠の話は、次回にしよう。

2023/06/23

アジサイ寺でアジサイを考える

岡山の津山に来ている。仕事前に1時間弱、余裕ができた。どこか軽く観光する場所はないかと地図を見て見つけたのが、長法寺。

アジサイで有名なのだそう。アジサイ寺と呼ばれているとか。車なら10分もかからない距離なので訪れた。

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3000株のあじさいが咲いている。なかなかのものです。

アジサイを名物にする寺は各地にある。寺とアジサイは何か縁があるのだろうか。

まず強靭でよく育つ。日陰でも育つし、挿し木で増やせる。花は大ぶりで長持ちする。品種が多くて、色とりどりなのも楽しめる。こんなところか。

 

実は我が家の庭にもアジサイが咲き始めている。

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アジサイは昨年植え付けたばかり。山から採取した枝の挿し木や小さな鉢ものを狭い庭の隙間に植え付けたもので、まだ小さく根はりも十分でないだろうから、花は少ない。それでも咲き始めるとうれしいものである。いつかアジサイ邸にできないか。

タナカ山林にも植えている。こちらもアジサイ山にしたい。

 

2023/06/22

庭の雑草と格闘し、ヤクザ植物について考える

毎朝、まず庭の草取りをしている。そして気付いた。

ていねいに草刈り・草抜きをすればするほど、草は生えることに。あまりていねいに草を取ってはいけない。むしろ地表部を少し高めに残して上を切り落とすと、そのまま低い位置に繁茂を続けて、ほかの雑草を抑えてくれる。雑草を一掃することは、パイオニア種の繁殖をうながすことになるのかも。迷惑にならない程度に在来の草を生やしておく方がよろしい。

もともと地肌を剥き出しにしたくなくて始めたのだが、あまり草木の競争に人為が介入しない方が、草木の生態系も安定するのではないか。また異種植物同士の共生も促せるのではないかと思い出した。

ただし、例外はある。ツル植物だ。とくに今年は、なぜかヤマノイモが大繁殖してきた。これまでも、多少は生えていたのだが、今年はもはや群生状態。もしかしてムカゴをまき散らしてしまったか。とにかくすごい勢いでなんにでも巻きつく。ヤマノイモ以外にも何種類かとツル植物が繁殖している。

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気付くと高樹の上の樹冠まで伸びて覆い尽くしかねない。それでは樹木の葉が抑えられて成長しなくなり、悪影響を与える。だから、必死で伐って引き剥がすのだ。そして短く切り刻んで、マルチにする。堆肥にもする。

こうしたツル植物の戦略は、他者(背丈のある植物・樹木)に巻きついて早く伸び、あげくは乗っ取ってしまう、ヤクザ的処世術を持っているのではないか。いわゆるフリーライダーである。(フリーライターではない。ただ乗りのこと)共生のように見返りは与えず、自身だけが松甘い汁を吸う寄生的な生き物だ。動物にも多いが、植物界ではツル植物。ヤクザ植物と呼ぼう。

もっとも、人間界にもヤクザを利用して儲ける、さらにいやな連中がいるから、このヤクザなツル植物を利用することも考える。アサガオやゴーヤも栽培しているが、これらは人が手を貸して早く伸びて早く花を咲け、早く稔れ、とやる。ほかにもいっそ地面を這わせて地面のマルチに利用し、背丈のある邪魔な雑草を抑えることはできまいか。

 

2023/06/21

「森林投資」最新情報記事にツッコミを

こんなサイトを見つけた。

脱炭素化のカギを握る森林投資、成長を後押しする「林業テック」とは? 

どうやらこのサイトは、「HEDGE GUIDE」 という金融・投資情報を扱うもので、その一環で「今注目の森林投資!」という具合に取り上げたらしい。

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そこで語られる森林投資とは、「生産性の高い林業用の森林地や木材製品、関連技術・サービスを提供する企業などへの投資を行うことです。森林投資の方法は直接投資やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)のほか、近年は「森林ファンド」や「森林カーボンクレジットファンド」など、ESG(環境・社会・ガバナンス)の要素を配慮した森林投資商品も多数販売されています。」「機関投資家による森林投資は1980年代に北米で始まり、世界各国に広がったとされています。

とある。ただし、その後に続く「森林投資では苗木の段階から育てた材木を売却し、利益を得るまでに10~15年を要します。」にはえっ? と思ってしまう。苗木から10年~15年で売却するほどに育つのか。(それだって長すぎるというニュアンスで書かれているが。)

これはアメリカの例かもしれない。それでも早すぎる。ファルタカのような早生樹種だろうか。どう急いでも30年、できたら40年、いやいや60年にしてよ、と思ってしまう。ただ森林カーボンクレジットオフセット制度」の紹介もあるから、15年でカーボンクレジットとして売却するのかもしれない。

いずれにしろ、長期保有に適した投資対象と指摘する。またインフレ環境下でも長期的に安定したリターンを期待できる実物資産として魅力がある、のだそうだ。
世界的には「森林・林業セクターへの資金流入はエネルギーと金融に次いで3番目に多く、224億400万ドル(約3兆586億円)に達している。

なお林業テックと呼ぶ、最新技術のスマート林業も紹介している。リモートセンシングで森林資源をリアルタイムで計測して計画を推進できる、だから、どんどん効率がよくなって、生産性も上がるから投資対象になりやすくなったというわけだ。計測だけじゃあねえ……。

一方で「フィンランドは、早くから積極的に森林再生に取り組んできた国の1つです。同国においては過去50年間にわたり、胸高直径が一定以上の生木(成長中の木)が増加しており、近年は森林の成長率が年間伐採量を30%上回っています。
というのはなあ。年間成長量が年間伐採量の30%上回っているというのは、自慢になるのだろうか。それなら日本はどうか。数値は忘れたが、100%くらい上回っていない? 

むしろフィンランドは、林業が盛んで成功しているからこんなに伐って成長量がヤバくなっている、日本は林業が衰退しているから伐採量が成長量を大きく下回っている、と思ってしまう。

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フィンランドの林業現場。『フィンランド 虚像の森』より

やはり、金融目線で記すと、林業や森林の実態から外れて机上の論理になってしまうように感じる。

ただ私は、森林投資を否定的に見ているわけではない。むしろ大いに推進してほしい。木材を建材として使うのなら15年では無理だと思うが、カーボンクレジットとか、長期安定資産としてなら15年毎に取引(転売)を重ねて、大きく太らせることも可能かもしれない。いっそ美しい森を所有することのブランド価値を売買する、さらに銘木を1本単位で知財として扱う手段を考えられないか。
そして林業界に巨大資本が流入するようにできれば、身動きとれない現状を打破できるかもしれない。

 

 

2023/06/20

美術館の椅子

先日、大阪・中之島美術館で開かれている「佐伯祐三」展に行ってきた。

日本では珍しく大半が所蔵品で開いたものである。というか、中之島美術館が建てられたきっかけは、佐伯祐三の作品が大量に寄贈されたからなのだが……。今回は会館1周年記念である。

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実は、私自身はそんなに佐伯祐三の絵は好みではない。が、もうすく閉館(6月25日)だったので、せっかくだから行くか、という気分であった。

たしかに一人の作家の140点を超える作品群は迫力はあった。ただ……申し訳ないが、やっぱり好みではない(^^;)。

風景画が多いのだが、なんとなく陰鬱になる風景で、しかも初期のものは有名なパリ時代のタッチとは違い、これまた好みではない(しつこい)

それでも、いいなあと思えたのは、最晩年、パリで描いた絶筆5点。有名な「郵便配達夫」に加えて、「ロシアの少女」、そしてレストランの扉。ちなみに、絵画の大半は撮影OKだった。昔とは様変わりである。厳重に撮影禁止、スケッチも禁止。そんな時代から、どんどん撮影してね。それをSNSで発信して宣伝してね、という時代に変わった。いい加減なものである。

ただし、チラシをひらひらしながら絵に近づいたら注意を受けている人がいた。これは何の意味があるのか謎だ。古くさい監視員である。

それと気に食わないのは、ほとんどの絵画はガラスに覆われていること。そこに天井からのわりと強いスポットライトが当たり、反射するのである。それでは絵画鑑賞に水をさす。なんとかならんか。

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が、私は、ここで自分の好みの絵画を語りたいのではないのだ。実は、気になったもの。

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展示室の各所に置かれた椅子というかベンチ。これ、集成材である。が、本当に全部木材なのか。重すぎるのではないか。したにはキャスターがあるかのようだが、動かすのが大変すぎないか。内部は空洞になっているのだろうか。この椅子の構造が気になってしまったのである。ちなみに何の木だろう。特注か。それとも意外と出回っているのか。気になる。

本当は下を覗き込みたかったのだが、美術会場でそれはあまりに怪しいし。誰か、知りませんか。

 

2023/06/19

【林業写真遺産】筏場の風景

このところWedgeに土倉庄三郎について連載している。3本目はYahoo!ニュースにも転載されたようで、拡散を期待できそうである。

吉野山の桜を買い取り:文化財保全に尽力

女子教育こそ国力の要 財産の3分の1は教育に

「木を植えよ!」林業救国説を唱えた明治の山林王

の林業と植林、教育、そして文化と来たら……実は、あと1本書いて終わらせるつもりなのだが、そこでは庄三郎の死と息子娘の代表として龍次郎、政子の足跡も少し記した。
そこで問題は写真である。毎回、どんな写真を使うのか頭を絞っているのだが、今回は葬儀のほか、龍次郎、政子の写真も探してみた。

どんな写真を使うのかは、掲載時のお楽しみということにしておくが、その時に龍次郎の子孫の方からお借りしている写真を探した。借りていると言っても実物ではなくて、見せていただいた際に大慌てでカメラで複写したものである。本当はもっとちゃんとした形でスキャンさせてもらい、また傷んだ写真の修復もしたいと思っている。フォトショップ、買おうかなあ。

が、その話は別として、改めてアルバムごと撮った写真を見ていると、なかなかのものが見つかる。なかでも、これは、オッ!と思ったもの。

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おそらく川上村大滝の土倉屋敷前。1枚目は水が少ない……というか途切れている季節のようだが、筏が滞留している。もっとも整然と並べられているから、もしかしたら、ここで筏を組み上げて、流量の増える季節に備えて流すのかもしれない。

ただ左岸には今とは地形も少し違うようだ。

そして2枚目、その筏場らしき場所。人が河原の岩場で何やら作業している。これは筏を組んでいるのか。人は女性のようにも見える。前にたらいのうようなものがある。洗濯しているのか? 転がっている丸太は、かなり細いから、洗い丸太(磨き丸太)をつくる作業だろうか。もともと太い丸太は筏にせず樽丸に割るから、筏用は意外と細いのだが、細すぎる。

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吉野林業全書の「洗い丸太」の図

こうした筏場の風景の写真は、これまで見たことがなかった。もしかして貴重なのではあるまいか。吉野川の川流しに関しては、まだまだ資料が少ない上、流している筏の写真は比較的あるが、(筏を組むあろう)丸太の作業風景はどんな記録があるだろうか。

これを「林業写真遺産」に指定したい(^-^)/ 

もっと詳しく確認したいが、その前に写真の修復も行わないと。

 

 

2023/06/18

大阪丸ビル大樹化計画の幻

大阪に丸ビルと呼ばれるビルがある。その名の通り丸い形で、大阪のランドマークにもなっている。それが解体されることになったそうだ。

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高さは124mある。複合ビルで、ショッピング街からレストラン、クリニック、ホテルまで入っている。竣工は、1976年で、大阪の超高層ビルの先駆けだろう。ただ建設から50年近くも経ったので、もはや老朽化が進んでいる。ランドマークと書いたが、回りのビルは、みんな丸ビルより高いため、埋もれてしまっている。だから建て替えは仕方ないのかもしれない。(鉄筋コンクリートの建築物が50年も持たないというのは、どうかと思いはする。)

ところで、このニュースに接して私が最初に思い出したのは、「丸ビル大樹化計画」である。

これは2012年末に発表されたもので、建築家の安藤忠雄氏の提案で始まった壁面緑化である。丸ビルの丸い壁面にツタを這わせようというものだ。13年1月に第一期工事が行われ、1~3階までの約30mが緑化された。ツタなど7500本を植樹したのだ。

今後、ツタが伸びていくのを待ち、ビルの最上階まで伸ばそうというわけ。ツタは年に2~3mは生長するそうだが、最上階まで届くのは80年くらいかかるだろうとれた。実際、地上階から124mまでツタが伸びられるかという問題もあり、おそらく途中でまた別のプランターを設置するつもりだったのかもしれない。

この点、私は、本ブログで「そんなにビルのコンクリートの方が長持ちしないと思うが……(^^;)。」と記している。

ところが、近くで観察すると、植えつけられたものの半分くらいは、まだ造花?人造ツタ、プラスチック製だったのだ。

 

2_202306181416012013年1月撮影。

フェイクじゃないか。

と言いたくなるが、どちらにしても、ビルは解体されるのである( ̄^ ̄)。

全然、継続するつもりはなかったのだ。人工ツタだって、どこまで伸ばしたのか。途中で投げ出していた気がする。

さて解体工事後、2025年関西万博のバスの発着場、待機場となり、新ビルは2030年春の完成を目指す。今度も円筒形なのかどうかはわからない。

2023/06/17

「ブラタモリ」吉野編に映る不都合な真実

本日のNHK「ブラタモリ」は、奈良・吉野を訪ねていた。奈良関係の方は色めき立ったかのようだが……。

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冒頭は、吉野山の金峰山寺蔵王堂を見下ろす花矢倉から。お題は「なぜ桜といえば吉野なのか?」なのだが、ここからならば一面の桜の花が見られるはずだった。が、今年は早すぎて散っていたらしい。が、その方が客が少なくてロケはやりやすかったはず。

だが、それ以上にヤバいものが写っていたことに気付いた人はいるだろうか。さっと画面はソレを外すアングルになるのだが……。

あえて、その部分をアップしてみた。

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気がついたかな。尾根筋の商店と寺社の並ぶ通りの背景になっているもの。山の上が切り取られている一画があることに気付いたかな。

もっともわかりやすい図も使われていた。

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これは桜が北斜面に植えられていることを示したのだが、衛星写真を使って加工したものであるが、手前右下に写っているのは……そう、メガソーラーである。元はゴルフ場建設途上地だったが、それを断念した跡地につくられたもの。吉野町は誘致したのに近いのかな。敷地面積は126ヘクタール。そのうちパネルを並べているのは半分ぐらいだろうか。

ここでメガソーラーの問題点を並べる気はないが、少なくても吉野山の一部なのだから景観には配慮してほしかったな。桜を見渡そうと高みに登ると、蔵王堂とともに否応なしに目に入るのだもの。ゴルフ場建設で、すでに地形改変などは行われていたようだが、芝生ならともかく、ゾーラーパネルが白く光る景観は、観光客もがっかりするのではないか。

 

ところで、折しもWedge on lineに『山林王』の土倉庄三郎の事績を連載しているが、こうし記事も書いた。

吉野山の桜を買い取り:文化財保全に尽力

やはり土倉庄三郎の業績の中で、吉野山桜買取は、非常に一般受けするのである。私は、なぜ明治初年に桜が売られようとしたのかという理由として「薪にするから」と記した。これは『評伝 土倉庄三郎』にあったのか、土倉家の人への聞き取りだったのか、今すぐ確認できないが、根拠のないことではない。

ただ、最近目にした本によると、「桜の木を版木にするため」大阪の商人が買いに来た、とある。明治になって印刷物が増える中、版木が足りなくなったのである。桜材は、版木に向いているらしい。

たしかに版木という需要はあるだろう。それも理由として考えられる。でも版木のために吉野山の桜を全部伐ることはないと思うよ……。当時でも1万本以上植えてあったのだから。

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そういやブラタモリでは、吉野山で桜が持て囃されたのは、役の行者が桜の木で蔵王権現を彫ったから、というのも理由に上げていた。これは伝説だなあ。吉野山に桜が増えたのは、室町時代中期だからね。どこまで信じるか……。一方で、やはり秀吉の花見を取り上げておりました。

2023/06/16

Y!ニュース「都市の森のからくり。…」を書いた裏事情               

Yahoo!ニュースに「「都市の森」のからくり。木そう建築は炭素固定をしない」を執筆しました。

このテーマは、以前から考えていたのだが、いつ書くかが問題だった。そこに例のプラチナなんとかの構想が打ち出されたのである。飛んで火に入る夏の虫(^_^)。

この構想は31ページにわたる、わりと綿密な論文なのだが、読めば読むほどツッコミどころか見つかる。これでも私は手加減したのだけどね。木造建築の炭素固定に絞ったし。何より上から目線なのである。

こうすれば林業は改革できる、で、それは誰がやるの?と主語が消える。

しかし、メンバーには、一応森林組合や住友林業、中国木材も入っているんだけどな。木材の歩留まりを知らないはずはないと想うのだが。

参加してるだけ?だったのかもね。

2023/06/15

ジンのような焼酎?マーガオの秘密

ふと店先に並んでいたお酒。「CHILL GREEN チルグリーン」。ワインボトルのようなデザインだが、不思議なポップがついていた。

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ボタニカル系焼酎」。なんじゃ? スパイシー&シトラス風味 とあるが、香辛料マーガオ使用ともある。シトラスとは柑橘類の香りだが、マーガオとは?そもそもボタニカル系とは何か。焼酎だろうに。

ただ酒類でボタニカルというのはジンでよく使われる。つまり植物性の何か(果実、樹皮、葉……)をアルコールに浸透させエキスを移すものだ。ということは焼酎に植物質のものを浸透させたということか。それがマーガオ。ではマーガオとは?

ちょっと検索してみると、台湾などで使われるスパイスだが、「馬告」と記し、山胡椒とある。日本の山椒とか、中国の花山椒とは違うものらしい。クスノキ科ハマビワ属の植物で、台湾原住民のレアなスパイスとある。ただし、Amazonなどでも販売しているから、日本でも手に入れるのは難しくなさそう。

Photo_20230615174401マーガオ。(Amazonより)

メーカーは鹿児島の焼酎メーカーなのだが、焼酎は芋ではなく麦という点も面白い。ともかく焼酎にマーガオを漬け込んだらしい。が、果実酒でもない。香りづけなのか。

まあジンと同じだ。でも、あえてクラフトジンとはせず、ボタニカル系焼酎とは。なかなか潔い(笑)。アルコール度数は25度と一般的な焼酎で、ホワイトリカー(焼酎甲類)より低い。

ジンの場合は、ジュニパーベリー(ネズの実)が欠かせなく、それに柑橘系のボタニカルを使うのが基本だが、最近のクラフトジンはまったく違うものも入れている。日本産の場合は山椒を入れる場合もある。なおアルコール度数は高め。40度前後から46度以上もある。実は、私が今味わっているのは60度というとてつもないジン。ストレートでは飲めないよ。

このチルグリーンは、炭酸割りがオススメになっていて、炭酸2で割るとマーガオのレモングラスか柑橘系の香が際立つ、炭酸4で割るとさわやかなラムネのような味わい、とある。

さっそく試してみた。まず2で割る。たしかに柑橘香と言えばそうか。しかし、さして強くない。4で割ると……う~ん、ラムネのようとあるが、まさに清涼飲料水のよう。だいたい4で割るとビール並の度数だ。結局、私はほとんどロックアイスに炭酸はほんの少し。そのまま飲むのが美味しいと感じた。度数は日本酒並かなあ。

これはこれで楽しめる。今度、マーガオを購入して自家製のボタニカル系焼酎をつくってみようか。

ちなみに、最近私のお気に入りのジンの飲み方は、カルピス割り。実はマンゴーカルピスなるものを手に入れた。

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もともと昨年見かけていたのだが、その時は買わずにいたら、その後どこを探してもないのだ。何か不祥事?で引き上げたか、まったく売れなかったのか。。。と思っていたら今年は再び並んでいる。さっそく購入した。で、ジンに少し垂らして飲むと、なかなかのカクテルになるのであった。甘み酸っぱみがジンとよく合う。マンゴーの香りもジン向きかもしれない。

今夜はチルグリーンにも垂らしてみようか。

 

2023/06/14

広葉樹の樹齢と最大径から感じる広葉樹林業

森林総合研究所による北日本の主要な42樹種の寿命と最大径が研究されている。主要樹種とはいうのは、ほぼ広葉樹になってしまうらしい。

北日本の主要樹種の寿命を推定
—天然林の再生のための重要情報—

それによると、トチノキ、ミズナラ、ハリギリの寿命は約700年以上、ミズキ、シラカンバ、ドロノキ等の寿命は短いが約100年以上、北日本の天然林を代表するブナやハルニレは約400~500年以上ということだ。詳しい内容・推定方法は記事を読んでいただければと思うが、次は西南日本の樹種の寿命を出してほしいものだ。

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グラフを見ると、北米種の木で飛び抜けて長寿命なのはネズコである。これ針葉樹だな。。。日本の場合はイチイやネズコが針葉樹だが、そんなに長くない。ただ私が、ん?と思ったのは、タイトル(^^;)。

天然林の再生のための研究だったのか。

現在、日本では、人工林の一部を本来そこに分布していた広葉樹林に復元する方針をとっていますが、広葉樹の見た目の大きさだけではなく齢構成の点からも真に原生的な森林を再生していくためには、400~700年におよぶ超長期的なビジョンが必要とされるでしょう。

広葉樹林に復原とか天然林再生というだけでなく、広葉樹の人工林づくりや混交林づくりなども課題としてある。針葉樹の森づくりは、そこそこ研究されて実用にもなっているが、広葉樹の造林方法はまだまだ未確定。

しかし700年と言われたら、もはや方法論というよりも、放置して700年間手を付けなくする法制度の方が必要だろう。いや、その法律だって持続するかどうか怪しい。

林業的に考えると、広葉樹は樹齢200年までに急成長するオオヤマザクラ、ドロノキ、オニグルミ、コブシ……などの木を使うべきか。

2023/06/13

森林から見た、北米と東南アジアの相似性

北アメリカの森林と東南アジアの森林が似ている、と言ったら、誰もが怪訝な顔をするだろう。きっぱり否定されるかもしれない。

なにしろ、かたや亜寒帯針葉樹林で、かたや広葉樹主体の熱帯雨林。気候も樹種も違う。お国柄だって違うから、当然森林行政も違う。

だが、そう感じたのは、まずこの記事。

カナダ山火事、東部ケベック州で消火活動進展 西部で拡大も

今年に入って既に4万6000平方キロ近くが焼失。中部と北西部で厳しい状況が続いており、国内416カ所で火災が継続し、うち203カ所は「制御不能」とされる。消火できないから、「夏いっぱい続くのではないか」と警告も出ている。

すでにテレビニュースでもやっているから知っているだろうが、ニューヨークの空もカナダの山火事の煙でくすんでおり、見通しが悪いどころか健康に悪影響を与えるほどだという。

ただ、私は30年近く前に、ボルネオからマレー半島で同じことを経験しているのだ。隣国インドネシアのスマトラ島などの熱帯雨林が焼けていたからである。これは焼き畑の飛び火とか、アブラヤシ・プランテーションを開くための放火とも言われるが、伐採時にもよく火が出るらしい。その煙でクアラルンプールも煙かった。またボルネオでも飛び火らしく焼けたジャングルを歩いている。

2_20230613202401ボルネオ上空より

いや森林火災だけではない。違法伐採と言えば発展途上国、のイメージが強いが、北米では毎年10億ドルの樹木が盗伐されていると最近知った。アメリカの公共地(国有林・州有林)で伐採された木の10本に1本が盗伐だというのだ。

そういや日本が購入しているバイオマス発電のペレット燃料も、合法か違法か知らないが、丸ごと皆伐して森林破壊丸出しだ。

フィンランドなど北欧も、合法だとしてもひどい皆伐が行われているのは、すでに昨年の『フィンランド 虚像の森』で紹介したが、先進国だなんだと言ってもやっていることは同じじゃねえか、というのが私の感想。

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もちろん日本もそうだ。盗伐に関しては、もっと酷いかもしれない。なにしろ東南アジアや北米の盗伐は、価値の高い木 もしくはもっとも高く売れる部分(いわゆる銘木)部分を伐って持ち出すものが多い。だから盗伐があった森も、見たところ木々が繁っているのである。森の奥で数本伐られたという状態。その点、日本は丸ごと森を伐って木を全部持っていく。

ただし、日本の盗伐額はアメリカよりずっと低いだろう。木の値段が安いから。森の中の価値の高い木を数本伐るアメリカや東南アジアと、何ヘクタールの森を全部伐ってもバイオマス燃料のよう捨て値で売る日本ではなあ。

林業も、森林火災も、盗伐もお国柄が出るだって? 

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2023/06/12

ヘラジカを映すだけの番組があるなら…奈良は

スウェーデンには、森に約30台のカメラを設置し、ヘラジカをはじめとする野生動物の姿を24時間、そのままにライブ中継する番組があるそうだ。5年前に始まったこの番組は大人気で、今年も始まったとのこと。

魅力は「何も起きない」こと、超スローなヘラジカ番組 スウェーデン

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もともとは、ノルウェーで始まったスローテレビだ。延々車窓風景だけを映し続けたり、クルーズ船の様子を映したり。なんと5日間続けたという。さらに焚き火の薪が燃える炎を映し続けたり。

なんだか環境ビデオみたいで、それを見続けるのは瞑想みたいだそうだが、こんなに人気があるなら、日本でもやってくれないか。内容はヘラジカに対抗して奈良のシカ、ナラシカでいいのではないか。

奈良公園にカメラを設置して、ひたすらナラシカを撮影する。おそらくヘラジカより面白い。何もないということはなく、むしろ観光客との絡みはかなり面白い。
たとえば横断歩道の前にカメラを設置したら、赤信号では立ち止まるシカが映し出されるだろう。しかし、車が来ないと、そろそろと赤信号でも渡る。周りと見て、観光客の動きにも目を配る。また鹿せんべいをねだる姿もかいま見られるし、子鹿を守るべく高ぶる親シカも目にするかもしれない。逆になんとかナラシカと並んで写りたいと悪戦苦闘する観光客(とくに外国人)もいる。

私も奈良公園を訪れたらよく観察しているが退屈しない。かなり変化に富んでいるのだ。

ナラシカを映すと、そこに人が入り込む、許可なく人の顔が映ると肖像権だなんだと言われそうだが、最近はかなりAIで自動ぼかし処理できそうだし、ウケると思うよ。

それに、こうした研究もある。

奈良公園のシカ、コロナ禍で「おじぎ」をしなくなる、研究

テレビを見ているだけで研究ができる、かもしれない。

やるなら奈良テレビだな。だって、ナラシカが地元…というだけでなく、奈良テレビの放送欄を見てほしい。

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買物情報とテレビショッピングを除けば何がある? これらの番組の視聴者は、買い物するためではなく、ただ眺めているだけの人も多いはず。そこに差し替えると簡単。シカを眺めている方が健康的だろう。え、収入源? 視聴率が上がればCM代も上がるだろう。

 

2023/06/11

睡蓮と金魚の関係

朝、庭の池をいると、睡蓮の蕾が膨らんでいた。

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おお、いよいよ開花するな、と待ち構える。すると夕方には、もう……。

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開いた。早すぎ。

だいたい3日前の蕾がこんな感じだったのに、あっと言う間に少し蕾の先が開いたかと思うとあっという間である。

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このまま睡蓮が池に広がり、モネの絵画のようになればいいな、と思っている。が、それが目的で睡蓮を植えたのではなかった。

もともと池には金魚を入れていたのだ。結構金をかけて、高い金魚を10匹以上入れたのだが、気がついたらいなくなっていた。姿を消したのだ。死骸もない。おそらく鳥にやられたのではないかと睨んでいる。なにしろ近隣にはサギも飛んでいるからね。

そこで金魚の隠れ場をつくろうと池に多くの植木鉢や瓦、石を沈めておき、その一貫で睡蓮もある。

昨春には和金の小赤を30匹と大きめの赤白のコメットという金魚を5匹入れたはず。が、コメットの姿はなくなり、現在は大きくなった小赤が8匹しか見かけない。隠れているのがいても1、2匹だから、昨年の3分の1か4分の1になってしまった。やはり鳥の餌になったのかなあ。睡蓮がもっと大きく葉を広げてくれたら助かる確率も増えるだろうか。

ただ池に網をかぶせるなどはしたくない。何かよい手はないか思案中である。

2023/06/10

日刊ゲンダイ『山林王』書評

日刊ゲンダイに『山林王』の書評が載った。

Photo_20230610164501前半

先日の『絶望の林業』は4年経ってからだったので驚いたが、『山林王』も刊行から2カ月経つと、そろそろ世間の耳目が離れつつある。書店の店頭からも外れていく。この時期に掲載とは有り難い。しかも、結構長め。全体を要領よくまとめてくれている。感謝<(_ _)>

出だしは吉野山の桜買い占め事件(^_^) 。これを持ってきましたか。

いつも記事や本を書くとき悩むのは、トップに何の話題を持ってくるか。最初に興味を持たれないとその先を読んでもらえない傾向がある。どんな記事でも同じだが、1冊の本となると余計に悩む。

だから『山林王』も、吉野山にしようかな、という誘惑?はあった。派手で目を引くが、庄三郎を描くのに最初にこの話題だと後を続けるのが難しくなる。結局、新島襄との邂逅にしたのだが。

なお最後の書影をクリックしたら、Amazonの『山林王』ページに飛んだ。加えてKindle版のページもあるし、楽天ブックス、7ネット、honto、紀伊国屋書店までネット書店と全部リンクを張ってある。有り難いなあ。こういう書評、好き(笑)。

 

 

2023/06/09

Y!ニュース「…家具輸出額が急伸した理由」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「日本林業を救うか。家具輸出額が急伸した理由」を執筆しました。

この記事、結構難儀した。

Photo_20230609120801 受賞したのは、こんな真っ黒デザイン。

家具の記事を書きたかったが、私には無理だ(> <;)。そこで林産物輸出額に絡めて林業的な記事になる。家具は高く売れる可能性のある木工品だが、現状では輸入材を使って製造する家具が多いうえ、消費する木材量はわずか。それを山元に還元させるにはどうしたらよいか、様々な仕掛けが必要となるだろう。

ネタは、この前の福岡行脚の一つ。大川の家具業界をかいま見た後に、なんと熊本県の阿蘇地方まで足を延ばしていたのであった。実は家具より驚いたのはカフェなのだが、それは記事にはできなかった。しかし、すごいぜ。

Dsc01312 こんな椅子もある。

なお、前回と同じように、同日アップされたのが、こちらの記事。

女子教育こそ国力の要 財産の3分の1は教育に 

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こっちも、よろしく。

 

2023/06/08

今『絶望の林業』書評が!

ちょっとネットサーフィンしていて、不意に引っかかった記事。「絶望の……」とあったので、反射的にクリックしたのだが……。

「絶望の林業」 持続性を考え、衰退する林業に希望を 

いやあ、びっくりした。なんと拙著『絶望の林業』の書評なのだ。えっと、4年前の本になりますか。 アップは、今年6月6日だ。

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内容を説明しつつ、「途中で読むのを辞めてしまいたくなるくらい絶望する。」とある。その上で読むのは「最後まで読み進める力となるのは「林業に期待する人が増えているのならば、勘違いで盛り上がるのではなく、現実と背景を知ったうえで応援することが望ましい。一度絶望しないと、その向こうにある光も見えないだろう」という前書きにある著者の言葉だ。」とのことです。

サイト名は「NEWS SALT(ニュース ソルト)」。はて、何か専門分野のあるニュースサイトだろうかと思ったが、そうでもない。テーマは広いし、話題は海外まで広がっている。サイトの説明には以下のようにある。

私たちNEWS SALTは、
やってくる未来をただ待つのではなく自ら主体的に創っていきたいと考え、
このニュースサイトを運営しています。
世の中にあふれる情報の中から以下のような切り口のニュースを取り上げ、
理想的な未来を考えていきます。
サステナブル オルタナティブ ローカル タレント

SALT=塩は、腐敗を防ぐものであることから、
転じて社会・人心の純化の象徴にも用いられます。
NEWS SALTは、明るい未来を描けるようなニュースサイトを目指します。

とのこと。母体の運営会社とか住所などがまったく載っていないので、イマイチわからんのだが、記者一覧には学生もいるなど若手のようだ。

ともあれ、拙著を取り上げてくれたことに感謝。サステナブルの一覧に入っているが、内容は全然持続的でない林業(^^;)。

でも、あの~、その~、誠におこがましいようですが……できることなら新刊の『山林王』も紹介してください(^_^) 。

 

2023/06/07

しぶとい!倒伏一歩手前の生態系

生駒山を登るルートはたくさんあるが、私の通るのはかなりマイナールートが多い。その最中に見かけたのが、この木。

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おそらく強風に煽られて幹がゆさぶられ、根鉢ごと浮き上がったのだろう。生駒山は花崗岩質で土壌がわりと薄いから、根も地表部に広がり、幹-樹冠に風を受けると根から倒れることがままある。この木は完全に倒伏はしていないが、危ういところ。

が、よく見てほしい。この木の樹冠には緑の葉が繁っている。どうやら根が全部切れてしまったようではなく、かろうじて地面に伸びた部分が残っている。おかげで枯れずに済んだようだ。もしかしたら、最近注目の「菌根菌ネットワーク」によって、周辺の草木からも水や栄養をもらっているのかもしれない。

なかなかしぶといではないか。

一方で、完全に倒伏した樹木もある。

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根鉢の大きさは、直径3メートル近い。これは斜面に倒れて梢を下向きにするほどだから、枯れずに済まないように思える。

が、ひっくり返って根鉢の裏側に、早くも草が生えていた。根鉢を舞台にあらたな生態系が生まれるかも? 

自然界では、樹木が倒れると、その上に草や稚樹が生える倒木更新などが起きるが、実は根ごと地面を攪乱するから、そこに新たな草木が生えて、虫や動物が集まってきて……と植生が変わりやすい。それによって極相になっていた森林に、新たな植生の遷移が生まれるかと思えば、樹木の倒伏も重要な森のメッセージだね。

 

2023/06/06

Wedge「日本の森林「孤独死」寸前」Kindle版

先月発行のWedge6月号「瀕死の林業」。なかなか(業界内では)話題騒然、評判が高いらしい。

雑誌版発行後は、徐々にon line版で各記事がアップされているので読まれた人も増えたのではないか。

私としてもうれしいが、実はその前段になったのが、Wedge2010年9月号の『日本の森林「孤独死」寸前』だ。12年以上前の雑誌記事。

当時は民主党政権で、林業改革「森林・林業再生プラン」の立ち上げなど、わりと喧しい動きがあった時期にレポートされた林業記事である。

私は、当時この記事を読んでブログにも記し、「買いですよ」と推した。

WEDGEの森林記事

私はこの号には関わっていないが、その後、立て続けに横行する宮崎の盗伐問題や、皆伐に出る補助金の問題をレポートした。それらをまとめて1冊にした特別版が、なんとKindle版のWedge on lineとして発売れている。

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日本の森林「孤独死」寸前【特別版】 WedgeONLINE PREMIUM Kindle版

今読んでも面白い。背景は違うように見えて、今でも十分に通じる面がある。もちろん、事情や理解が変わった面があっても、それはそれで面白い。とくに宮崎の盗伐事情は、何も変わっていない。盗伐列島とか盗伐大国にっぽんというフレーズが浮かぶほど。だから「瀕死の林業」でも 冒頭に持ち出したのだ。

林業には素人でも、しっかり各所を取材し真っ当に考察すれば、こうした記事は書けるんだ、と思った次第。(逆に言えば、林業界には詳しいはずのライターは何をしているんだ、とつっこまれることは覚悟しなければならない。)

実は、今回の「瀕死の林業」でも同じで、編集部の取材先は多岐に亙る。紙面化していないものも多いのだ。今回は私は企画段階から参加したが、その時にその内容を少し聞かせてもらっている。う~ん、記事化しなかったのがもったいないと思うものもあるし、わりと話題になったから取材したのに使い物にならないかった、というネタもある。それらも合わせて記事になっている。

……それにしても、この13年近くの歳月、何をしていたんだ、というツッコミは誰に向けるべきか。

 

日本の森林「孤独死」寸前【特別版】

戦後、数多くの国民が、苗木を背負い、奥山まで徒歩で分け入って、未来の世代のために一生懸命植えた木々がいま、放置されている。本来伐採に適した50歳という樹齢を迎えた多くのスギは、都市住民にとって、花粉症を引き起こす厄介な存在でしかない。所有者は高齢化し、山に愛着のない世代に相続が進んでいる。自分の土地の境界すらわからなくなっている。手入れされずに荒れていく森林は、国民から関心を持たれないまま、外国人に大規模に売られ始めている、というニュースまである。
これぞまさに森林の「孤独死」ではないか。森林は、木材を生み出してくれるだけではない。洪水を緩和し、水を適度に川に流し、二酸化炭素を吸う。人間の生存にとって欠かせない存在だ。人工林の放置をあと数年続ければ、回復不能なレベルに達してしまう。そうすれば、いつかきっと、手痛いしっぺ返しを食らうだろう。今、手を打たねばならない。

月刊誌『Wedge』2010年9月号(8月20日発売)の特集「日本の林業『孤独死』寸前」に、同誌18年2月号(1月20日発売)の「本末転倒の林業政策 山を丸裸にする補助金の危うさ」(ジャーナリスト・田中淳夫氏)と19年7月号(6月20日発売)の「横行する『盗伐』、崩れる山林 林業の優等生・宮崎県の『闇』(同氏)の記事を加えた特別版です。

 

2023/06/05

日経が取り上げた「フォレスター」

日経新聞が、なんとドイツのフォレスターを取り上げ、それを日本の森林官と比較している。

ドイツで医師並み人気の「森林官」 自然の均衡保つ守人 

ドイツで医師やパイロットと並んで子供に人気の職業が、森林を管理・調査するFoerster (ドイツ語で「森林官」の意)だ。日本の半分以下の森林面積ながら、2倍以上の国産木材を伐採・供給し、かつ多様な生物を育む豊かな自然を残すドイツ。森林官は経済合理性と持続可能性とのバランスを保つ「森の守人(もりびと)」の役割を担っている。

ドイツには約5000人の森林官がいる。日本でも林野庁の出先機関である森林事務所に公務員の森林官を置いているが、850人程度にすぎない。ドイツの森林面積は1070万ヘクタールと、日本(2500万ヘクタール)の半分以下で、その手厚さがわかる。

……とまあ、ドイツのフォレスターを持ち上げている。

ドイツ駐在の記者なので、ドイツの実情については信じてよいかと思うが、残念ながら日本の事情については疎いようだ。

もっとも気にかかるのは、最後の余談的につけた明治神宮の森問題。

ドイツ留学で本多が学んだ「天然更新」を実践し、成功したこの森だが、今年3月、その一部の神宮外苑で大規模な再開発計画が始まった。

「目の前の経済的利益のために先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません」

だが本多静六がつくった神宮の森とは内苑である。現在伐採するかどうかと揉めているのは外苑。こちらは街路樹か公園木みたいなもので、全然別だ。天然更新するわけがない。それをくっつけたらイカン。想像だが、ドイツのフォレスターが現場を見たら伐るのに賛成するのではないか。フォレスターは林業、つまり経済にも通じているから。伐って植えてという循環は認めるだろう。

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内苑(上)と外苑(外苑)。この違いを感じてほしい。

 

なおフォレスターを訳せば、森林官になるわけだが、林野庁の森林官をドイツのフォレスターと同等に見てはイカン。あくまで林野庁の職員である。ドイツの場合は、特別な養成コースがあり、国家資格なわけだが、林野庁の職員にそこまでの技能知識を求められない。

そもそも日本では、かつて(民主党政権時代に)日本型フォレスターという役職を設けようとして、それが自民政権にもどると、この名称が気に食わんと「森林総合監理士」に変えてしまった。これだってペーパー上の資格である。資格ではあり、役職ではない。この資格をとっても仕事内容は、全然森林に関わっていない人が多い。だいたい転勤が多すぎる。それでは森を扱えない。
最近は民間でも資格を修得できるようになってきたが、果たして仕事にできているか。ただ日本では、こちらをフォレスターと呼びがち。

しかし、それとは別に各地に独自のフォレスターと呼ばれる人がいる。自称もある。環境省にも自然保護官がいる。
それぞれを区別するのは厄介だ。たとえば奈良県には奈良県フォレスターと名付けた役職がある。こちらは奈良県職員の森林管理職という転勤のない特別職である。あくまで公務員の役職の中で、森林林業知識を身につけた資格という位置づけになる。資格と役職が一致している希有な例とは思うが、肝心の権限は弱い。

奈良県の条例で定めたから、国の法律を超えることはできない。かろうじて伐採届の受理をするかどうかを決める権限がある程度ではなかろうか。それだって、正確には微妙だが。

権限がない日本の「フォレスター」を、ドイツのフォレスターと比べるのはかわいそう。

せっかくフォレスターを取り上げたのに、惜しい! と思わせる記事なのであった(^_^) 。

 

2023/06/04

排水溝の生態系

我が家の庭は、排水溝まで広がっていることに気付いた。

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家の前の排水溝なんだが、意外と多くの植物が生育している。

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写真はほんの一部だが、花だけでも片手の指では足りないぐらいの種類。ほかにミントがあるから、もう少し増えるのを待って収穫するかも(^^;)。

もっとも、そうそう生態系を観察してニンマリはしていられないのだ。排水溝だけに水の流れをよくしないといけない。本来なら草が生えていること自体問題である。と、周りの家の前の排水溝を眺めると、ありゃ、みんな綺麗に草をむしっているよ。私だけか生やしているのは。

ただ苔などもわりと分厚く繁っているから、これらを全部剥がすのは大変だし、私自身の気持ちとしてはやりたくない。少しでも自然の岸辺ぽくしておきたい。幸い先日の大雨も、我が家の付近はたいしたことなかった。たしかに一日中降っていたが、なにしろ山の上なもんで、水はけのよいこと。排水溝を超特急で流れていく。草が少し生えていても大丈夫ではないか……と思ってしまう。

まあ、そこそこ取りました。実は写真も草を毟っている途中に思いついて撮影したもので、最初はもっと繁っていた。これぐらい残しつつ日々少しずつ草取りをするというのはどうだろう。

ちなみに生態系の動物は、アリなどを見かけた程度。それからネコが通り道にしている。

 

2023/06/03

フェノロサ講演会に思う

今日は、急遽、浄教寺の本堂で開かれた「フェノロサ講演会」に足を運んだ。

講師は、西山厚・奈良国立博物館名誉館員。「奈良の仏像 フェノロサを読む」

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アーネスト・F・フェノロサは、明治期の日本の「お雇い外国人」である。専門は哲学だったとのことだが、実質は美術、文化財となった。そして日本の文化財保護に大きな足跡を残した人物である。

奈良市の浄教寺は、そのフェノロサが「奈良ノ諸君ニ告グ」という講演した場所。1887年6月5日、今から136年前のことだ。寺の境内を借りて行われた講演会には、岡倉天心が通訳となり、数百人を集めたという。その中には奈良県知事もいたようだ。非常に注目を集めた講演であった。

そこでフェノロサがぶったのは、日本の絵画や彫刻、とくに仏像の素晴らしさであり、これは奈良の人の宝ではない、日本の宝だ、いや世界の宝である、古代ギリシャ彫刻に引けはとらぬ、ギリシャの最盛期は1、2世紀しか続かなかったが、日本は千数百年も続く、今も続いている、これを守らずしていかにせん! と檄を飛ばしたのである。

実際、フェノロサは、仏教徒になったうえ、アメリカに帰国後はボストン美術館に日本館を設けてキュレーターとなった人物だ。生涯を日本の美術に関わったのである。

さて、なぜ私がこの講演会に行ったのか。それは『山林王』を執筆中に浄教寺について書いたからである。それは土倉庄三郎が古社寺の文化財の保護に取り組んだ(『山林王』136ページ参照)章に関連してであった。

なぜ、庄三郎は、古社寺の保護を言い出したのであろうか。そのヒントとして浄教寺の講演会があったのではないか。もしかして、庄三郎も参加していたのではないか。これに刺激を受けて自らも文化財保護に乗り出したのではないか……というのが、私の仮説。

もちろん証拠はない。どこにも参加したとは書いていないし、講演会の参加名簿でもあればなあ、と思っている。

が、それから9年後、庄三郎は「古社寺保存ノ請願」を貴族院議長宛に提出した。その内容には、西洋の文化財保護の内容などにも触れており、とても個人では知ることのできない情報が含まれているのである。そして欧米諸国が日本の美術を称賛していること、これは大和のみならず日本帝国そのものの価値と記す。これって、フェノロサの言い分に似てはいないかい?

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……とまあ、そんな気持ちで講演会を後にした。ちなみに、浄教寺には父の葬儀でお世話になった関係である。これも縁だ。

 

2023/06/02

Y!ニュース「花粉症対策…」とWedge「木を植えよ!…」を書いた裏事情

今日は、忙しい。なんと2本の記事がアップされた。

まずは、Yahoo!ニュース「花粉症対策「スギ林2割伐採」の、ありえねえ~現実」を書いた。
このところ、何かと話題になっている政府の花粉症対策としての伐採計画だ。これ、世間と林業関係者との温度差がすごい。本気で歓迎する声があふれているのだが、まともに考えたら不可能というか、強行したら散々なる結果を生みそうな政策だ。なかなか表立って、それを指摘する論説がないのは怖い。ようするに一般のメディア関係者に林業の現場を知っている人がいないからだろう。
業界誌の林政ジャーナリストを名乗る人たちは知っているかもしれないが、この政策でもっとも潤いそうだから、批判しない(笑)。応援する側に回る。この政策は無理と感じつつも、ニンマリしているのではないか。オソマツである。

いつもはタイトルに悩みつつ、後で失敗したかな、と思うことも多いのだが、今回は「ありえねえ~」とすぐ浮かんでそのまま採用。校正から、この表記でいいんですか、と質問が来た(笑)。いいんです。

 

そして、これは偶然だが、Wedgeオンラインで始まった土倉庄三郎連載の第1回目が本日アップされた。

「木を植えよ!」林業救国説を唱えた明治の山林王 

これはいうまでもないが、『山林王』の内容をちょっと角度を変えて執筆。今回は、あえて王道の林業を取り上げた。林業救国説、林業立国、富国殖林(庄三郎は植林ではなく「殖林」の字を好む)……いずれもカッコいい言葉だなあ。今いうと、何を寝ぼけているのかと思われるが。

時代とともに林業、とくに吉野林業の位置づけは変わる。今の感覚で捉えて、それに庄三郎の動きを当てはめたらイカンのである。いや、当時の視点で、今の山を、林業を、そして国のあり方を見直すべきだ。庄三郎のめざしたことが浮かび上がるはずだ。

今後も、できれば週刊で連載を続けたい。3回か4回になるはず。

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乞う、ご期待。

2023/06/01

土倉庄三郎の研究?「大和の国のリーダーたち」

『大和の国のリーダーたち』(京阪奈情報教育出版)という本が出たと知らされた。

奈良県立大学ユーラシア研究センター編、とあるが、ようするに奈良県立大学で行われた講義を元にした本のよう。近代奈良に現れた産業界のリーダー格の人たち8人を取り上げているのだが、その中に土倉庄三郎も加わっている。

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その章は、「土倉庄三郎-不動の人」として編集責任者の中島啓介氏の執筆。

さすが学者らしく、私も知らなかった庄三郎の登場する文献を引っ張りだしてきて紹介している。そして吉野林業やインフラ整備、教育支援、自由民権運動などを取り上げて解説。ただ、林業のとらえ方も私とは違うところもある。それに庄三郎の行動をすべて家業である林業、そして吉野林業とつなげて分析しているのは違和感がある。道路や水路整備はともかく、自由民権運動を吉野林業の発展のために取り組んだ、とされてしまうとなあ。

私自身、以前は庄三郎の行動は、結果として土倉家が儲かるようにつながったのではないか、と感じていたこともあるのだが、『山林王』の執筆を通して、かなり見方を変えた。今で身、むしろ反対ではないかとさえ思う。そう言えば、本書の文献には私の前著『樹喜王 土倉庄三郎』が入っている。(『山林王』とは出版時期がかぶっているから、当然ながら参考にはできないはずだ。)

Ex-ex

まあ、それはよいのだ。ちょっと驚いたのは、これを「土倉庄三郎研究」の助走とするという文言があること。つまり、学問として研究対象とするらしい。これまで、私以外誰も土倉庄三郎の思想や行動履歴に手を付けていなかっただけに、ついに現れたか!という思いなのだ。

これまで部分的、たとえば板垣退助との関わりとか、『吉野林業全書』の成立とか、部分的に土倉庄三郎を研究する人はいたが、人物論として全人格的に論じる研究はなかった。だから喜ばしい。

私としては、もう先鞭をつけたので、後は研究者sがそれぞれの切り口で土倉庄三郎を研究してくれたらよい。私は、もう一線から外れるつもりだ。もともと私は、吉野林業を解読して描く道標として土倉庄三郎に目をつけたのだが、やがてミイラ取りがミイラになったように庄三郎という人物に魅せられてしまったのである。それにブルーオーシャンというか、誰も手を付けていない、未知の人物だから興味を持った面もある。今後大きな新事実などが出てきたらフォローはするだろうが、老兵は去る、つもり(^^;)。

私の興味は次に向かっている。人物としての面白さ、ドラマチックな生涯は、庄三郎以上と思っている。土倉龍次郎である。

 

 

 

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