大阪丸ビル大樹化計画の幻
大阪に丸ビルと呼ばれるビルがある。その名の通り丸い形で、大阪のランドマークにもなっている。それが解体されることになったそうだ。
高さは124mある。複合ビルで、ショッピング街からレストラン、クリニック、ホテルまで入っている。竣工は、1976年で、大阪の超高層ビルの先駆けだろう。ただ建設から50年近くも経ったので、もはや老朽化が進んでいる。ランドマークと書いたが、回りのビルは、みんな丸ビルより高いため、埋もれてしまっている。だから建て替えは仕方ないのかもしれない。(鉄筋コンクリートの建築物が50年も持たないというのは、どうかと思いはする。)
ところで、このニュースに接して私が最初に思い出したのは、「丸ビル大樹化計画」である。
これは2012年末に発表されたもので、建築家の安藤忠雄氏の提案で始まった壁面緑化である。丸ビルの丸い壁面にツタを這わせようというものだ。13年1月に第一期工事が行われ、1~3階までの約30mが緑化された。ツタなど7500本を植樹したのだ。
今後、ツタが伸びていくのを待ち、ビルの最上階まで伸ばそうというわけ。ツタは年に2~3mは生長するそうだが、最上階まで届くのは80年くらいかかるだろうとれた。実際、地上階から124mまでツタが伸びられるかという問題もあり、おそらく途中でまた別のプランターを設置するつもりだったのかもしれない。
この点、私は、本ブログで「そんなにビルのコンクリートの方が長持ちしないと思うが……(^^;)。」と記している。
ところが、近くで観察すると、植えつけられたものの半分くらいは、まだ造花?人造ツタ、プラスチック製だったのだ。
フェイクじゃないか。
と言いたくなるが、どちらにしても、ビルは解体されるのである( ̄^ ̄)。
全然、継続するつもりはなかったのだ。人工ツタだって、どこまで伸ばしたのか。途中で投げ出していた気がする。
さて解体工事後、2025年関西万博のバスの発着場、待機場となり、新ビルは2030年春の完成を目指す。今度も円筒形なのかどうかはわからない。
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