【林業写真遺産】筏場の風景
このところWedgeに土倉庄三郎について連載している。3本目はYahoo!ニュースにも転載されたようで、拡散を期待できそうである。
の林業と植林、教育、そして文化と来たら……実は、あと1本書いて終わらせるつもりなのだが、そこでは庄三郎の死と息子娘の代表として龍次郎、政子の足跡も少し記した。
そこで問題は写真である。毎回、どんな写真を使うのか頭を絞っているのだが、今回は葬儀のほか、龍次郎、政子の写真も探してみた。
どんな写真を使うのかは、掲載時のお楽しみということにしておくが、その時に龍次郎の子孫の方からお借りしている写真を探した。借りていると言っても実物ではなくて、見せていただいた際に大慌てでカメラで複写したものである。本当はもっとちゃんとした形でスキャンさせてもらい、また傷んだ写真の修復もしたいと思っている。フォトショップ、買おうかなあ。
が、その話は別として、改めてアルバムごと撮った写真を見ていると、なかなかのものが見つかる。なかでも、これは、オッ!と思ったもの。
おそらく川上村大滝の土倉屋敷前。1枚目は水が少ない……というか途切れている季節のようだが、筏が滞留している。もっとも整然と並べられているから、もしかしたら、ここで筏を組み上げて、流量の増える季節に備えて流すのかもしれない。
ただ左岸には今とは地形も少し違うようだ。
そして2枚目、その筏場らしき場所。人が河原の岩場で何やら作業している。これは筏を組んでいるのか。人は女性のようにも見える。前にたらいのうようなものがある。洗濯しているのか? 転がっている丸太は、かなり細いから、洗い丸太(磨き丸太)をつくる作業だろうか。もともと太い丸太は筏にせず樽丸に割るから、筏用は意外と細いのだが、細すぎる。
吉野林業全書の「洗い丸太」の図
こうした筏場の風景の写真は、これまで見たことがなかった。もしかして貴重なのではあるまいか。吉野川の川流しに関しては、まだまだ資料が少ない上、流している筏の写真は比較的あるが、(筏を組むあろう)丸太の作業風景はどんな記録があるだろうか。
これを「林業写真遺産」に指定したい(^-^)/
もっと詳しく確認したいが、その前に写真の修復も行わないと。
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