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森と林業の本

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2023/07/04

環境省が出すのは「環境白書」ではなかった!

環境省が毎年発行する白書。当然ながら「環境白書」だと思っていた。いや、昔はたしかに「環境白書」というさっぱりした名だったと思う。

ひょんなことで検索してみてびっくり。

今や「環境・循環型社会・生物多様性白書」というのだそう。いつのまに、こんな長くなっていたのか。どんどん付け足して行ったのかね。林野庁の白書は、かつて「林業白書」だったが、現在「森林・林業白書」になっているが、そんなに違和感なかった。しかし、ここまで長いと……。

最新版は、これ。

令和5年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

Photo_20230704165701

表紙はなかなかイイネ! である。森林・林業白書の表紙はそっけないからね。

なお「令和5年版」となっている。森林・林業白書は、今年発行分が「令和4年度」なのだが。環境省の方が未来を描いている? こうした年代の使い方は、各省庁に任せられているのか。なんとも混乱する元をつくっているように思うが。

目次を拾い読みするだけでも、なかなか興味深い。カーボンニュートラル、生物多様性、里山、木質バイオマス、持続可能な農林水産業……。

そのうち林業部部分を引用する。

(2)林業

森林・林業においては、持続可能な森林経営及び森林の有する公益的機能の発揮を図るため、造林や間伐等の森林整備を実施するとともに、多様な森林づくりのための適正な維持管理に努めるほか、関係省庁の連携の下、木材利用の促進を図りました。

また、森林所有者や境界が不明で整備が進まない森林も見られることから、意欲ある者による施業の集約化の促進を図るため、所有者の確定や境界の明確化等に対する支援を行いました。

ほかにも森林保全や持続的な経営の項目もある。

5 森林の保全と持続可能な経営の推進

世界の森林は、陸地の約31%を占め、面積は約40億haに及びます。一方で、2010年から2020年の間に、植林等による増加分を差し引いて年平均470万ha減少しています。1990年から2000年の間の森林が純減する速度は年平均780万haであり、森林が純減する速度は低下傾向にありますが、減速ペースは鈍化してきています。地球温暖化や生物多様性の損失に深刻な影響を与える森林減少・劣化を抑制するためには、持続可能な森林経営を推進する必要があります。我が国は、持続可能な森林経営の推進に向けた国際的な議論に参画・貢献するとともに、関係各国、各国際機関等と連携を図るなどして森林・林業分野の国際的な政策対話等を推進しています。
(どこがや!とツッコミを入れたい)

「国連森林戦略計画2017-2030」は、国連森林フォーラム(UNFF)での議論を経て2017年4月に国連総会において採択され、我が国もその実施に係る議論に参画しています。

国際熱帯木材機関(ITTO)の第58回理事会が2022年11月に神奈川県横浜市にて開催され(オンライン併用)、ITTOの設置根拠であり、2026年まで延長中の「2006年の国際熱帯木材協定」について、2027年以降の再延長等の必要性について加盟国間で議論を行いました。また、加盟国等から総額約400万米ドルのプロジェクト等に対する拠出が表明され、我が国からは、タイ及びインドネシアにおける持続可能な木材利用の促進等計約1億500万円の拠出を表明しました。

 

ともあれ、今後は環境白書(と、ほか2つ)にも目を通すべきだろう。森林、そして森林保続原則に従う林業に目を向けるのなら。さもないと林業しか視界に入らず、(世界が滅んでも)林業さえ栄えたらいい、という業界脳になるよ。

 

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