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森と林業と田舎の本

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2023/07/12

石版印刷と吉野林業全書

朝ドラ「らんまん」で、石版印刷が登場する。ドラマでは槙野万太郎(モデル牧野富太郎)が、植物学雑誌、そして、いよいよ植物図鑑の刊行をめざして動き始めるのだが、そこで当時もっとも精密な印刷ができる印刷機として石版印刷が紹介される。実際、牧野も印刷所に通って印刷技法を身につけたらしい。

実は、私も石版印刷には興味を持っていた。というのも、「吉野林業全書」がその技法で出版されているのだが、肝心の石版とはどんなものかわからなかったからである。ドラマでは、わりと細かく説明されていて、だいたい理解できた。石版の上に毛筆で絵や文章を書いて、それを撥水させる方法で印刷するようなのだ。現在のオフセット印刷に近い原理ではないか。

ただ枚数を重ねると、石版を削って描き直すらしい。また原盤の保管もしない。大量印刷には向かないのか。原盤が残っていたら面白いのだが。

「吉野林業全書」のあるページ。

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少し拡大してみる。

Photo_20230712102601

土倉屋敷もしっかり描かれている。部屋の配置や植木までわかる。また門前から河原には、筏を組むところが設けられている。柵があるのは何だろうか。魚の生け簀ではもいだろうが。

Photo_20230712102701

そして右ページにあるのが、割滝だ。吉野川の岩を削って筏を流せるように水路である。ちなみに道を歩く一間で描くのは、画工のこだわりか。
こうした細かな点まで描けるのが、当時石版印刷が一世風靡した理由だろう。ドイツ製とか言っていたが、世界的に広がったのかもしれない。

Photo_20230712101001

写真では、こんな具合。

この割滝について、毎日新聞に記事を書いた。

124 林業遺産を訪ねて/1 土倉翁の足跡・磨崖碑と割滝 /奈良 

ほとんと読めないけど(笑)。

Photo_20230712101201

小さくしておいたけど、頑張れば読めなくない(^^;)。

「らんまん」では、いよいよ石版印刷機を購入することになった。当時の1000円というのは、現在の2000万円ぐらいか。大奮発である。

「吉野林業全書」は、森庄一郎著で土倉庄三郎は校閲だが、450ページで挿絵102枚、筆工は中邨芳水、画家は小林芳崖、彫刻は田無瀬芳嶺である。そして出版費用は、土倉家が負担している。

 

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