CO2を食べる?自販機の謎
自動販売機がCO2を吸収する……アサヒ飲料は、大気中のCO2を吸収する「CO2を食べる自販機」による、CO2の資源循環モデルの実証実験をしているそうだ。
「CO2を食べる自販機」が話題! 吸収したCO2はどうなるの? アサヒ飲料に聞いた
まあ、別に難しいことではなくて、庫内にCO2を吸収するカルシウム系の物質を搭載し、大気中のCO2のみを吸収する。そして自販機内の飲料を温めたり冷やしたりすることで電気を消費し、排出しているCO2分を吸収してプラマイゼロにする発想だ。関東・関西エリアを中心に、屋内のほか屋外も含め約30台設置し、CO2吸収量や吸収スピードなどを比較・検証する……とか。
まあ、面白い試みだとは思うが、私が興味を示したのはそこではない。
「1台当たりのCO2年間吸収量は稼働電力由来のCO2排出量の最大20%の見込みで、スギ(林齢56-60年)に置き換えると約20本分の年間吸収量に相当する」というプレスリリースの部分に目が止まったのだ。1台がスギ約20本分なのか。この計算方法が面白く感じた(笑)。
排出量の20%ということは、完全に炭素の排出をゼロにするには100本のスギが必要で、逆に言えば、自販機は100本分のスギの成長を御破算にするCO2を排出していることなのか。(スギの吸収量の計測はちょっと怪しい気がするが。)将来的にはCO2排出量と吸収量が同等となる自動販売機にしたいという。
仮に1ヘクタール50年生スギ1000本が生えるとして、自販機10台分である。ちょっと密か。ならば間伐進めてスギ500本を成長をよくして育てるとして5台分。それが毎年伐られている状態? かなり甘い計算だけど。案外、木造建築物より効率がよいような気がする。
ちなみに吸収したCO2は、セメントなどの材料にするようである。
なおネーミングが「CO2を食べる自販機」というのも、いかにもなキャッチコピー(^_^) 。本格展開は2024年からを予定しているそうである。そのうち都市の炭素貯蔵は「自販機の森」で、と売り出すのかもしれない。
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