再造林マイスターって?
このところ、再造林ブーム。といっても、再造林をすべしという声のブームなんで、本当に再造林が進むかどうかはこれからだが……。私も、何かと再造林しろ!という記事をたくさん書いた気がする。
そこで目に止まったニュース。
秋田県では、再造林の適地選定と事業支援を行う森林資源造成課を設置し、2020年度の実績332ヘクタールの再造林面積を、25年度に倍以上の750ヘクタール確保することをめざすとか。
ちょっと驚いたのは、再造林適地を県が認定するという点。えらく県が前面に出ている。どんな条件を適地とするのか知りたいものだ。
昨年度には、再造林の知識を持った技術者を「あきた造林マイスター」として認定する制度を開始している。こちらは民間の事業体の中から選ぶようだ。その上で県が認定した再造林に適したエリアを、マイスターが在籍する事業者に情報を提供する。マイスターのいる事業体は、今年5月時点で34。
マイスターは県の情報を元に、森林所有者に再造林を働きかけ、所有者が植栽や下刈りなどの森林管理を事業者に10年間委託する契約を結ぶ。このように再造林にこぎ着けた場合、県は事業者に1ヘクタール当たり15万円、森林所有者に5万円を助成する……というものだ。
この10年契約というのも面白い。下刈りだけなら5、6年でよいかと思うが、10年間も委託するのは、除伐や初期の間伐まで含むのだろうか。秋田県は雪どころだから、それも関係しているのかもしれない。でも長く一つの事業所が担当するのはよいね。他人の山でも、10年間世話を見たら、自身の山のような気分になれる。10年経てば、かなり木も育って森のようになっているだろう。
そんな気分醸成も、これからの林業に必要ではないか。1作業ごとに依頼した担当者が変わるという現状が森づくりのモチベーションを下げている気がするのだ。自分の山ではないけど自伐型、みたいに、自分の山ではないけど自分の山気分で森づくりしなければ(笑)。
よ~く見ると、植林が行われている皆伐地。
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