再エネは、FITからFIPへ
覚書。
これまで再生可能エネルギーの価格と言えばFITだった。固定価格買取制度。再エネ指定された発電方法の電力は、高めに設定された固定価格で買い取ってきた。が、このほどFIP制度が生まれた。フィードインプレミアムである。2020年6月にFIPの導入が決まり、2022年4月からスタートしていたのである。どちらを採用するかは業者側が選ぶらしい。
もう昨年から施行されていた? 知らなかった。いやあ、情報がどんどん更新されるから、しっかりチェックしておかないと時代遅れになるわ。
現行のFITでは、電力会社が再エネ電気を買い取る際の1kWhあたりの単価(調達価格)を固定している。対してFIPのしくみは、あらかじめ「基準価格」が、再エネ電気が効率的に供給される場合に必要な費用の見込み額をベースに設定される。これがスタート時点ではFITと同じだったから、業者も違いがわからず、目立たないため話題にならずに知られなかったのかもしれない。
一方で「参照価格」も定められる。市場取引などによって発電事業者が期待できる収入分のことで、参照価格は市場価格に連動し、1カ月単位で見直される。
この「基準価格」と「参照価格」の差を、「プレミアム」として再エネ発電事業者がもらう。つまり再エネ発電事業者は、電気を売った価格にプレミアムが上乗せされた合計分を、収入として受け取ることになる。プレミアムは、1カ月ごとに更新される。市場原理を取り入れるから、電気料金は上がり下がりするし、全量買取でもなくなる。各業者の経営もおんぶに抱っこではなくなるか。
ヨーロッパなどでは導入が進んでいるようで、まあ固定価格よりは電力料金が抑えられそうだから、日本でも導入したのだろう。現在は、どんどん電力料金が上がっているから、業者にとっても有利だから切り換えも進むのかもしれない。
ただFIPの対象は、規模の大きな業者のようだ。小さな所はFITのままで、大規模なメガソーラー、風力、バイオマス発電……などほど、FIPに移行する。
しかし大規模な再エネほどインチキ(脱炭素に結びつかない)になるという実態を見ると、むしろ地球環境的には悪化するんじゃないか。とくに大規模バイオマス発電なんて、再生可能とちゃうで。石炭火力より二酸化炭素出しよる。またソーラーなどもヨーロッパは森林を伐採して設置するメガなのはペナルティがあるらしいが、日本は野放し。
2030年度までに再生可能エネルギーを日本の主力電源とし、全電源の36~38%をまかなうという目標を掲げている。FITにしろFIPにしろ、再エネ拡大路線は続く。
今からFIPを勉強しておいた方がよさそうだな。
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