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森と林業と田舎の本

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2023年9月

2023/09/30

林相が変わった?

久しぶりに生駒山の我が森へ。夏の間は、とにかく暑いのと虫が多いので行きにくい。行くときは完全武装的な姿にならないといけないが、今回はちょっとした用事があって済ませるつもりだったので、サンダル履き(^_^;)。

ところが、車から降りて森に入ったところ、何か違和感が。森の様子が違う。

夏の間に木々は枝葉を繁らせている……はずが、なんだか隙間が多いような。林相が変わった印象がある。ミョーな気がしつつ、目的の場所に行く。そこで、回収するものがあったのだが。あらら。

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なんと側にあった大木が倒れている。以前からナラ枯れにあっている様子はあったが……。見ると、中はスカスカではないか。
夏の暑さ(乾燥)と、台風などの風雨の嵐でやられたように見える。

倒れているのはこの木だけだが、よくよく見ると、森全体の精力が落ちたよう。

一方で、参ったのは蜘蛛の巣と蚊だ。そりゃ、すごいのよ。蜘蛛の巣は覚悟していたが、蚊はちょっと無防備だった。森に入るのは5分か10分くらいだったから油断していた。あっと言う間に10カ所くらい刺される。焦って車の中に逃げ込むと、扉を開けた際に1、2匹入り込んだ(> <;)

扉を開けて追い出そうとしたら、もっと入ってきそう。おかげで車内で蚊を追いかけて奮闘しなければならなくなる。

そういや、庭の盆栽のマツが枯れた。おそらく50年くらい経つ盆栽だが、庭の植え込みの間にあるので、あまり気にしなかったのだ。だが、今年の夏には負けた模様。もっとしっかり水やりなどをやっておけばよかった。

何かと酷暑の代償を感じる。まだ今日も昼間は30度超えのようだし。

2023/09/29

ロビン・フッドは木を伐ったか

面白い記事。いや、これを面白いと感じるのは、多分私だけだろうし、そもそも内容もナンなのだが。

樹齢200年の「ロビン・フッドの木」切り倒される 英警察、16歳少年を拘束 

英国の世界遺産「ハドリアヌスの長城」のそばに立っていた樹齢200年近くの木が、何者かに切り倒された。この木は、1991年の映画『ロビン・フッド』にも登場した名木。警察は「意図的な破壊行為」の疑いで捜査を進めており、16歳の少年の身柄を拘束した。

ロビン・フッドは、実在したのかしないのかはっきりしないが、13世紀のイングランドの英雄的人物である。何人かの人物の伝承を合わせて形成された人物像である可能性が高いそうだ。

で、何が英雄的だったかというと、弓の名手だったことに加えて、代官、貴族などの領主、傲慢な宗教家などに反抗し、ときに財産を奪っては庶民に分け与える義賊だったと伝わるからである。

そこで行った行為とは、金品を強奪するほか、森で勝手に獲物をとること、そして木を伐採することだった。当時、森はすべて領主のもので、勝手に森に入ることだって禁止だった。木の伐採はもちろん、ときに落枝などの薪やキノコの採取まで禁じられていた。またシカなど野生動物を捕獲することは重罪だった。

それをあえてやったロビン・フッドは、単なる山賊以上に、時の権力者に逆らう英雄だったのだろう。

さて、今回の事件。イングランド北部のノーサンバーランドにあった「シカモア・ギャップの木」とか「ロビン・フッドの木」と呼ばれていた大木が、勝手に伐採されたらしい。容疑者というか参考人が16歳の少年というわけ。

シカモア・ギャップの木というのは、樹種で言えばなんなのか書いていない。ただシカモアは、エジプトイチジクとか、セイヨウカジカエデ、アメリカスズカケノキなどを指すらしい。それにギャップがつくというのは?シカモアの隙間の木? ハドリアヌスの長城沿いの2つの丘の間にあることを隙間としているのか?

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ただ写真は載っていて、大木ではある。ノーサンバーランド国立公園とナショナル・トラストが共同で管理していたとある。公園当局によると「最も写真に撮られる場所」となっていて、樹齢は200年弱から300年の間と推定。

そして『ロビン・フッド』などの映画に使われたほか、ドラマの舞台としてよく撮影されてきたらしい。だから「ロビン・フッドの木」なんだろう。

しかし、そのロビン・フッドは、盗伐者だったのだ。そして、当時は、盗伐することを反体制的行為として英雄視していたのである。ちょっと皮肉ではないか。……という意味で、私は面白いと感じたのであった(笑)

 

2023/09/28

台湾林業の不思議

こんな記事を目にする。

台湾産木材使用の体験施設、台北市内で除幕式 国産材の魅力を発信 

台湾産木材をより身近に感じてもらおうと、国産材を使用した体験施設「从森」が台北市内に設置され、22日、除幕式が行われた。来場者は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を通じて、国産材製品の魅力を体験できる。

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写真は記事より

別にどおってことない、日本でもよくある、ローカルニュースなんだが……台湾で台湾産木材を使って施設をつくることにニュースバリューがあるんだ、という点に目が止まったのだ。

台湾といえばタイワンヒノキなどを思い出して、森の深い山々を想像するのだが……、いや事実、かなりの森林率を誇る(59・18%)のだが、林業は極めて低調だ。ほとんどない、と言ってもよいほど。

台湾で消費する木材の99%が外材だなのである。ある意味、自らの森林は温存してきたということになるだろうか。なぜ、そんな政策を選択したのか。

2017年を「国産材元年」とし、建築物への国産材使用などを促進してきた。27年には国産材自給率5%の達成を目指している。これまでの自給率は0.5%にとどまり、2022年末時点で辛うじて1%超となった。

台湾を日本が領有した際の森林率はわからないが、実はかなりはげ山が多かったことが知られる。玉山、阿里山も、草原が広がっていた。それは原住民が焼き畑をやっていたからという説と、清国時代にひどい伐採をしたからとも言われている。日本も森林資源開発をして、阿里山などかなり伐ったのは事実だが、実は当時、台湾は日本から木材を輸入していた。そして造林を進めている。だから日本が台湾の森林を食いつぶしたという議論は、正確ではない。

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1900年ごろの阿里山の写真。禿げている。

戦後、国民党がやってきて、ひどい伐採を続けたらしい。よりはげ山を増やしたのだろう。そうした状態から、再び政策を改めて伐採禁止と、造林推進とともに森林保護策を取るのは、意外と最近の話となる。その政策転換の事情はよく知らない。

ただ林業も縮小したのだろう。近年、ようやく造林木を使えるようになったから林業復活をめざしている。ところが、そこに入ってくるのが、日本の安い木……。日本の木材が、台湾林業を圧迫しているらしい。

今回、台湾産材の建築を誇るところを見ると、台湾産材を本格的に使おうという気運になってきたということかな。

それにしても、写真の施設は、日本の古民家を思わせるな。

 

 

2023/09/27

朝日新聞が描く野生のネコとクマ

昨日26日の朝日新聞で、1面2面を使った大特集。テーマはアーバンクマなのである。ネットでも3つの記事に分けてアップされている。

ピザを食べるヒグマ、民家の庭に出没 高まるアーバン・ベアの脅威 

北海道のヒグマは30年で倍増 押し込まれる人間との境界線、対策は

【そもそも解説】全国のクマ被害、過去最悪ペース どうして人里に? 

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紙面は、こんな具合。

ここまで大きな特集にしたのは、ようやく危機感を持ってきたのか。これまでマスコミは他人事の記事が多かった。

内容は『獣害列島』などで私が書いてきたように、野生動物は農山村での出没だけでなく、次は都会に向かうということだ。すでに地方の中核都市に、そしていよいよ人口100万超えの大都会に。
都会をめざす理由は至ってシンプル。生息数が増えたからであろう。それに加えて餌は豊富。人も優しくすぐ銃をぶっぱなさない。野生動物にとっては天国のような環境だ。

記事はヒグマ中心だが、ツキノワグマもイノシシもシカもサルも、みな同じだ。たしかに最大の恐怖はヒグマだろうが、ツキノワグマもイノシシもサルも怖いよ。シカは、とりあえず怖くない(^_^) 。

ともあれ野生動物と人間の接触が増えていることへの警鐘を記したのだから、結構なことだと思っている。

ところが。その1日前、つまり25日の新聞には、こんな記事もあるのだよね。

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こちらはノネコを保護することに熱心な御仁。ノネコも野生動物なんだが、いきなり野生動物との向き合い方の原則をすっ飛ばしている。野生動物に人は手をさしのべてはイカンだろう。それは都会人の視点じゃないか。
ネコは可愛いから保護したい……というなら、飼い猫だけ可愛がればいいのでは? 生まれたときから野生であるノネコを保護してはいけない。ネコの生態系に与える被害は、もはや無視できないほどになっている。

飼い猫とその生物多様性への影響:自然保護法の適用における盲点

そもそもネコは可愛いから何でも保護、可愛くないほかの野生動物は駆除仕方なしと選別するのは、極めて危険な思想となりかねない。

もちろん記事の筆者はそれぞれ違うのだろうが、腰の定まらない様子が感じられてガッカリする。

2023/09/26

花粉対策予算の真の目論見は

林野庁の「令和6年度林野関係予算概算要求の重点事項」に目を通した。

令和6年度林野庁予算概算要求の概要 

花粉削減・グリーン成長総合対策
・30 年後の花粉発生量の半減に向けてスギ人工林の伐採・植替え等の花粉発生源対策に加え、カーボンニュートラル等の実現に向けて川上から川下までの森林・林業・木材産業政策を総合的に支援する交付金を創設する等の取組を推進

これに222億円である。

なかでも一番手が花粉症対策。

ア 新たな花粉症対策の展開
・森林所有者への協力金を通じた伐採・植替えの促進、横架材のスギ材への置換えに資する集成材工場の整備、建築事業者によるスギJAS構造材の利用拡大、官民を挙げた花粉の少ない苗木の増産、木材加工業者による高性能林業機械の導入、他産業との連携による労働力確保、スギ花粉の飛散防止剤の早期実用化等の取組を支援

これ、本気で考えてるの?

<対策のポイント>
スギ人工林の伐採・植替え等の加速化やスギ材の需要拡大、花粉の少ない苗木の生産拡大、林業の生産性向上及び労働力の確保、花粉の飛散量の
予測、花粉飛散防止剤の早期実用化への支援等を一体的に実施する総合的な花粉症対策を進めます。
<事業目標>
〇 スギ苗木の年間生産量に占める花粉の少ない苗木の割合の増加 (約5割[令和3年度] → 9割以上[令和15年度まで])
〇 スギ花粉の発生量の削減(令和2年度比 約2割削減[令和15年度まで]、5割削減[令和35年度まで])

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すでにYahoo!ニュースなどに書いているから繰り返さないが、苗はどこで生産するのか、その苗は画一的なクローン苗になるのか。誰が植えるのか……とまあ、難問続出であります。

まあ、官邸、というより首相が勝手に決めたことを実行させられるのだから、御愁傷様……と思いかけたが、いやいや、そうではあるまい。シメた、と思っているのではないかと気付いた。なぜなら、花粉症対策という錦の御旗で、一気に予算がつくからだ。しかも、植え替えだよ。ようするに皆伐できるんだよ。

これまで皆伐には補助金をつけにくかった(一時、高度な搬出経費だとのたまわって付けたことがあるが、続かなかった)が、今度は無花粉・少花粉苗に植え替えるという名目で、皆伐を奨励できる。補助金ばらまけば、喜ばれるし権限を振り回せる。そして皆伐すれば木材生産量が増える。「(この政策で)木材生産量が上がった」という点を自らの業績にできる……(出世できるかも?)と喜んでいるのではないか。ヤクを中毒者にどんどん売りつけて儲けるとともに組の地位を上げる売人と一緒。

素材生産者は(補助金で)儲かるし、製材業者も安価な材料が手に入る。燃料不足に行き詰まりがちなバイオマス発電にもごっそり国産材を回せるし、いいことづくめ。
過剰生産で材価が下がって森林所有者が困ってしまう? そんなの知ったこっちゃない(笑)。もちろん、林業の持続性も考えない。だって十数年後に森林資源が底を突いても、自分の任期はそんなに先までないから。カーボンニュートラルに反していることも、世界の動向なんかに目を向けていないからね。

そのうち盗伐も花粉対策だ、と言い出しそうな気がする。

先日、盗伐問題の関係者にインタビューした際に、林野庁に「盗伐を止めさせるための法律改正はできないのか」と打診したところ、「そんなエネルギーない」とあっさり言われたという話が出た。「エネルギーない」とは、新たな政策を提案するようなやる気はないということか。これが幹部なら言いそうなことだが、もっと若手の現場レベルの声なのである。「(林野庁は)若い官僚ほどやる気がない」とは、某霞が関官僚の言葉であった……。

だから、自分から動くのではなく、官邸から降ってきた「花粉症対策」という政策ほど、美味しいものはないのではないかね?

 

2023/09/25

リンゴの木、非常事態

またもやリンゴの木に異常が発生した。

以前は葉に赤星病の発生で困ったのだが、今度は幹や枝に異常。何か掻きむしって樹皮をめくったようになっている。クマではあるまい(^^;)。
なんだかシュロのようになっている。

そこでバッサリ枝を切り落とす。

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中に空洞ができていた。そして、そこから何かが顔を出す。枝を砕いて正体をさらすと。

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芋虫。何かの昆虫の幼虫だ。こいつのせいか。しかも一カ所ではなく、幹や枝に無数について皮を剥いている。その奥に全部、このような虫がもぐりこんでいるのか。この芋虫ぽさからは、蛾の仲間だろうか。以前から若干、皮が剥けているところがあるのは気付いていたが、こんな無視の仕業とは思わなかった。ノラネコが引っかいたかかみついたのかと思ったりもしたが。

それが気付くと、いきなり樹木全体に広がっている。リンゴの実はまだ実っているが、大きくならないかも。もはやリンゴは助からんかもしれん。いまさらクスリを撒いても手遅れそう。木酢液ぐらい吹きつけてやろうか。

悲しい。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。

ちなみに庭には、こんな実もなる。

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ヨウシュヤマゴボウ。名前のように洋酒とも、牛蒡とも関係ない。実には毒が含まれているらしい。そうか、この実をリンゴの木に塗り付けてみるか。

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なお、ミカンは豊作の模様。昨年が豊作だったから、今年は減るかと思ったのだが。また柿も鈴なり。剪定していないので小さなものばかりになりそうだが。リンゴだけが不作かもなあ。

2023/09/24

三つの矢伝承から邪馬台国へ

大和郡山には、3つの矢の伝説がある。ニギハヤヒノミコトが射た3本の矢が落ちたところに塚があるのだ。

どれも田んぼの中。だから矢田(^-^)/ 。しかも三之矢塚は、邪馬台国の地に選ばれた。昔から「みやどこ(宮所?)」と呼ばれていたという。

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一之矢塚

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二之矢塚

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三之矢塚。ここが邪馬台国の地

一の塚は、何やら雑草が生い茂っていたが、二、三の塚にはサカキらしき木が植えられている。これは後世の人が石標を建てる際に、神聖な木として植えたのだろう。サカキは榊と書くように神の木である。一はどうした? 周りが水田だから土地争いでもあったわけではあるまいな。

このあたり一帯の地名も矢田。やはり矢田一族の根拠地だったのだろう。

ちなみにニギハヤヒは、生駒の豪族ナガスネノヒコの妹を娶ったにもかかわらず、自分の弟カムイワレノヒコ(後の神武天皇)が襲来すると、裏切ってナガスネヒコを暗殺した男だからなあ。生駒各地に祀られているが、釈然としない。

2023/09/23

自宅にキノコ群生

暑さが和らいできたので、自宅の庭の草刈りを少しずつ進めている。

そこで発見。

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キノコが盛り上がるように群生していた。たしか、ここには何かの切り株があったような気がするのだが、もう覚えていない。おそらく腐った切り株に生えたのだろう。

でも、種類はわからんなあ。キノコはまったく苦手。毒キノコかどうかもわからないが、食べることはないのでいいか。。。ただ生える草の種類も変わってきたし、バッタも大量発生している。秋を感じる。

2023/09/22

47万年前の木造構造物?

アフリカのザンビアで、人間が加工した木材でつくったとされる木造構造物が発見されたとニュースになっている。

47.6万年前の木造構造物発見 ザンビア 

北部の国境近くにあるカランボ滝のすぐ上流の川辺で出土したとのことで、約47万6000年前につくられた世界最古の木造構造物だという。建造物と言わないところが微妙 (@_@)。

具体的には、見つかった木材は長短2本の丸太で、短い方の木材には、長い木材と組み合わせた際にずれないように、石器などでくぼみが作られていた。周りからはくさびや穴を掘る道具なども見つかっている。川辺の足場か通路、水上家屋の一部ではないかという意見と、木造住宅などを建てて定住していた可能性があるとする見解もあるらしい。ちなみにつくった人種としては、ホモ・ハイデルベルゲンシスが指摘されている。ホモ・エレクトスと同時代の原人とされる。ホモ・エレクトスと同種とする説もある。

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発掘風景。記事よりいただきました。

たしかに大発見だとは思うが、そもそも原人ともなると、火や石器を使っていたことは確認されていて、木材もなんらかの加工をして使っていると考えられていたはず。槍とか丸木舟とか。こん棒だって加工は必要だろう。ただ木材は腐るから証拠となる遺物がない。今回は腐らず砂に埋もれていたのが偶然地表に露出していて見つけられたそうで、その点からの大発見だろう。

原生人類ホモ・サピエンスではなく、時代も桁違いに古いが、木材の利用には、加工が必要という証明かも。そのうち組織的な伐採=林業の痕跡とか、植林の可能性が指摘され始めるかもしれないよ。

ちなみに日本では縄文人の遺跡(石川県真脇遺跡)から、ほぞ穴を開けて組み合わせた木材の遺物が出土している。これは軸組工法で建物を建てていた証拠とされる。こちらで4000年くらい前だったかな。伝統工法の家づくりは、それぐらい歴史がある?

 

2023/09/21

白い彼岸花

彼岸入りしたが、まだまだ暑くて秋の兆しは感じないのだが。

彼岸と言えば、彼岸花。先日訪れた伊豆・韮山の反射炉の脇で、白い彼岸花を目にした。

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面白いのは、赤い彼岸花も少しあること。なんだか白い花は赤い彼岸花(ヒガンバナ・ Lycoris radiata )の突然変異体のように思われるが、白い彼岸花は正確にはシロバナマンジュシャゲ(はLycoris albiflora )であって、同じヒガンバナ属であっても別種。

でも、ヒガンバナは種子をつけないので誰か植えたのだろう。赤と白を混ぜたのか? それにサクラの木の根元に群生しているのも、なんかヘン。ちょっと意図的に感じる。

ほかにも黄色の彼岸花などもあるそうだから、ヒガンバナの花園を作ればウケるかも。

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2023/09/20

最大の木材輸入元はベトナムだった!

2023年上半期の木材輸入額で、もっとも多いのはベトナムだった……。

ベトナムは木工や家具製造が盛んで、日本からも木材を輸入しているはずなのだけど。内容を見ると納得。

林野庁情報誌「林野」令和5年9月号

そもそも今年は、建設不況というか資材費高騰のあおりで、建設件数が激減しているが、木材輸入額も前年比20%減だった。

とくにロシアは戦争起こして66%減。いやまだ3割程度は輸入しているのかよ、と思わないでもないが、EUが56%減、インドネシアが同24%減、カナダが同35%減、マレーシアが同27%減……だそうである。製材、合板、集成材と輸入量を減らしている。その中でベトナムは20%増なのである。ちなみにアメリカも10%増。

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問題は、ベトナムの輸出品だが、木質ペレットであった……。そもそも木質ペレットそのものが31%増なのである。木質ペレットの主要な輸入先であるベトナムは、45%増、 カナダ28%、そしてアメリカになると、なんと473%増なのだ。

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説明するまでもなく、木質ペレットはバイオマス発電の燃料。円安だし、世界中で引っ張りだこだから価格も上がっているが、発電所を止めるわけには行かず買わざるを得ないわけか。

すでに木質ペレットの製造のために伐採していることは知られてきた(当初は端材や製材屑をペレットにすると大嘘付いていた)が、値上げしても買うのを止めないのだから、ぼろい商売である。でも、発電事業そのものが赤字になるのは必須だね。いつまで輸入して発電し続けるかな。

バイオマス発電所の一覧と地図はこちらにあった。ご参考に。

全国木質バイオマス発電所一覧地図

 

 

2023/09/19

リンゴの木は自ら実を間引く

いつまで経っても夏が終わらないが、そろそろと庭の草刈りをした。多少はすっきりしたが、リンゴの木の根元周りの草を除くと、その下にはたくさんのリンゴの実が。

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知らないうちに落ちていたらしい。もともとリンゴの木は父が植えたものの実らず、今年初めて花が咲き実をつけだした。かなり鈴なりになったが、あまり剪定はしなかった。というのも、今年は実を食べることより木の丈を伸ばしたかったから。繁らせて目隠し効果を望んでいたのである。また放置したらどうなるか確かめようという気持ちもあった。

それでも自身で多すぎる実を落とすのだね。暑すぎたのも原因かもしれない。

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木には、まだ多数付いている。少し太って大きくなったが、まだ食べられるほどではない。夏前に小さなリンゴの実でジャムなどを作って食べたが、わりとイケた。売り物になるほど大きくは育っていないが、背丈は伸びたので、来年は実の収穫に挑戦するか。やっぱり肥料かなあ。

それにしても……自分で実を落とすというのは、どういう生理だろう。栄養を取り合った末なのか。それとも渇水が続いたり虫でも付いて弱ったものが先に落ちるのか。

人工林も、実は間伐は必要ないという説がある。実験によると、ちゃんと自己間伐というか、一部を枯らして全体を育つようにするそうだ。3000本の苗を植えて無間伐で放置しても、40年後に1000本は十分な太さの幹になって木材として利用可能だったという。間伐をする場合も、実際に収穫できるのは1000本以下だから、たいしてかわらないのだ。

植物は単体ではなく、森全体のバランスを考えて挙動を決めているのかもしれない。森全体が一つの生命体となり、「ちょっと本数が多すぎるから君は枯れてくれたまえ」なんて相談している、のかもしれない。マザーツリー妄想だね。

 

2023/09/18

効果的炭素固定法を考える~木炭

地球沸騰時代。今年の夏は異常に暑かった。いや過去形ではない、今も暑い。実は先週の熱海~韮山界隈に滞在していたときがもっとも暑く感じた。熱中症を心配するほど。8月より九月中旬の方が暑いって何? 

それにしてもカーボンニュートラル、脱炭素、温暖化ガス削減……さまざまな言い方をされる地球環境問題の解決法。そこにすぐ取り上げられる森林。実際、これらの解決法に森林を活かすことの国際決議(気候変動枠組み条約)がされているのだが、肝心の森林の扱い方には疑問ばかりだ。

何が間伐をしたら森林吸収分を認めるだ、木材使って脱炭素だ。木材は燃やしても理論上は炭素を排出しない? そんなデタラメを言っていて、本当に二酸化炭素排出削減にはならないし、気候変動も止まらない。

多少とも真っ当な思考をできたら有り得ないことぐらいわかるだろう。間伐は木を伐って減らすことだし、木材を建築などに使って蓄積するのも伐った木の体積の3割程度で、それも永久保存ではなく長くても数十年程度で寿命を迎えて廃棄されて二酸化炭素が排出される。燃やせば確実に二酸化炭素を排出する。それと同じ量を吸収できるのはしっかり植林しても数十年後だ。

と、ずっと警告を発していた、というよりがなり続けてきたが、批判ばかりでなく本当に炭素を固定する方法を考えてみた。

そこで思いついたのは、木炭。木炭は、樹木のうちの炭素成分を固めてしまえるし、それは放置しても水に溶けないし細菌・菌類に分解もされない。確実な炭素の固定だ。燃やすといけないが、水分を含ませたらまず燃えない。木炭にして保管すればよいのだ。粉炭でよいから焼き方もそんなに難しくない。無人自動炭焼き窯もある。

そもそも現在の化石燃料は過去の樹木を石炭石油にして固定していたのだから、木炭に近いではないか。また現在の森林が蓄積している炭素の大部分が土壌ということも重要だ。地表の草木の体積なんかの10倍ぐらいの炭素量が土壌に含まれる。腐葉土もあるが、山火事や火山噴火の名残などの炭素もある。

木炭の保管場所には、土壌に入れてしまうのがもっとも合理的だ。土壌の鉱物と地下水位によって安定させられる。

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狙うは農地。土壌に木炭の粉を漉き込んで炭素量を増やせば、土壌改良材として生産能力が向上する期待もできる。木炭は、長く土壌に滞留して透水性や保水性を高めるし、肥料を長く保つ保肥力の向上効果も指摘される。加えて木炭に含まれるミネラル分が、土壌に供給される可能性。そして木炭にある微小の空隙はバクテリアや菌類が住み着く場、バイオリアクターとなりやすい。

農地の生産性を拡大しながら、炭素固定もできるのならもってこいではないか。黒ボク土も、炭が混ざって黒くなっている。

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真砂土の中の黒い点は……。

実は、すでに土壌に入れるべき炭素量が計算されていた。二酸化炭素として大気中に排出される炭素量は、年間で約100億トンと推定されている。そのうち植物の光合成や海水に吸収されるのが約57億トン。残り約43億トンが毎年増えていく計算になるそうだ。これを相殺するには、木炭43億トンを土壌に入れたらよい。

莫大な量に思えるが、実は世界中の土壌に含まれる炭素量は、9000億トンと推計されている。それをほんの少し増やせばよいだけではないか。

フランス政府が2015年のCOP21で提唱した「4パーミル・イニシアティブ」は、土壌の重さの0.4%(4パーミル)分の木炭を毎年土壌に入れましょう、という発想だ。

そうそう、こんな記事もあった。

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農地だけでなく、宅地に埋めたら除湿になる。いや、海に沈めてもよい。水質浄化にもなるではないか。埋め立て工事に使えばどうだろう。炭を地下深くまとめて埋めておけば、もしエネルギー危機になったら、国内の炭鉱として掘り出して使える(笑)。

馬鹿げた補助金をばらまくなら、その金で木材を蒸し焼きして木炭をつくり(その過程の熱で発電でもすればよい)、粉にして農地に漉き込む。

なかなかよいアイデアだと思うなあ。日本では山梨県の果樹園などでやっているそうだ。国を挙げてやれば、安全保障にもなるよ。

 

2023/09/17

熱海土石流の現場

2年前の熱海の町を襲った土石流。ようやく立ち入りも解禁されたとのことだが、気になっていたので現場を見に行こうとした。メガソーラー建設地など各地で、盛り土がされているから、土石流は他人事ではないはずだ。

が、山の上まで徒歩で登るには時間もかかるし、とてつもなく暑い日だったので断念した。冬なら登ったんだけどなあ。

そこで伊豆山神社に行く。実は山の上にあるこの神社の本宮が崩壊した盛り土現場の近くで、土石流も神社の横の谷を駆け下ったらしい。

神社そのものは無事なのだが、鎌倉幕府の鎮守とともに源頼朝と政子の結ばれた場として有名だ。

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バスで向かう途中、土石流の起きた谷の工事現場に出会う。

また神社の鳥居前に被害者の事務所になっていたが、この通り関係ニュースが張り出されている。

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 傷口は大きいね。特に住民の心に。「写真撮るな」と看板かかっていたよ(-_-;)

 

2023/09/16

最初の並木を植えた人は大河ドラマ向き?

東京大手町の内堀通り。そこに「市内最初並木」の碑があることを知っているだろうか。

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市内とは当時の東京市のことだが、近代都市の街路樹発祥の地であるわけだ。

植えられたのはニセアカシアの木。津田仙がウィーン万博から持ち帰ったニセアカシアの種子を、明治8年(1875年)に大手町に植えたものだ。これが東京初の街路樹となった。

日本では、当初は並木と呼んだが、道路沿いに木を植える施策は、織田信長の命にもあるので、わりと歴史は深い。当時は道順であり、旅人に木陰を与える役割があったという。ただ明治に入って道路沿いに木を植えることが欧化思想の一環になったのだろう。

津田仙と言っても知る人は少ないかもしれないが、下総の国佐倉藩に生まれ、蘭学や英語を学んで、アメリカへの軍艦引取使節にも参加している。明治になるとウィーン万博にも派遣されるが、そこでニセアカシアの種子を得たのである。その後は農学者となる。

ちなみに娘が梅子。津田梅子の父と言った方がわかりやすいか。青山学院大学の設立などにも関わっている。来年の5000円札に津田梅子の肖像が使われるのだから、それに合わせて注目を集めるかもしれない。彼も大河ドラマ向きの人物だ。

ところで、現在内堀通りに植えられているのはエンジュである。ニセアカシアは枯れたのか、大きくなりすぎたのか、植え替えられた。

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街路樹は、定期的な剪定を含めた世話が必要で、大きくなりすぎたら伐採して植え替えることが前提にある。しかし、ニセアカシアを伐ってエンジュに植え替える時には、誰も批判しなかったのかね。市内最初の街路樹ですぞ。文化的価値は高くはないのか。植え替えるのも、同じニセアカシアにしなくてよかったのか。だれか、ユネスコに密告したらよかったのに(⌒ー⌒)。イコモスが反対の声明を出してくれたかもよ。

 

2023/09/15

VIVANTとたたらと反射炉

TBS系のドラマ日曜劇場「VIVANT」は、テレビドラマとは思えぬスケールのモンゴルロケがすごい。

そこでは自衛隊の非合法闇組織「別班」が取り上げられている。そして堺雅人さん演じる主人公の乃木憂助のルーツとして描かれたのが出雲のたたら製鉄の家だ。モデルになったのは、島根県奥出雲町で製鉄業を営んできた「櫻井家」らしい。(実際にロケもそこで行われたという。)

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櫻井家は、大坂夏の陣で活躍した塙団右衛門の末裔なんだそうだが、彼は戦国の一瞬だけの活躍のおかげで500年後の現代まで名を残した。
それはさておき、たたら製鉄が出てきたことで私の興味は増した。櫻井家は松江藩鉄師ご三家の一つだが、ほかにあるのが田部家と絲原家。そして田部家と言えば、山陰の山林王で知られた家系だ。

こちらは「もののけ姫」で描かれた世界かもしれない。ただ「もののけ姫」は、たたら製鉄のために山を荒らし森をなくしたとされるが、実際は森の再生にも取り組んだ。田部家は、一時期数万ヘクタールの山林を保有していたと聞く。現在も林業家であるのは間違いない。

ただ最近の田部家は、たたら製鉄の再興に取り組んでいる。一種の文化事業による観光振興というイメージだろうか。櫻井家や田部家の歩みは、歴史ロマンがあふれており、大河ドラマ並のスケールが必要だろう。土倉庄三郎と山林王争いをしてほしい(^^;)。

そんなことを考えているときに、なぜか伊豆の韮山反射炉を訪れた。

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これが日本の近代製鉄の始まりである。(現存の唯一の反射炉。第一号ではない。)幕末、西洋の製鉄の仕方を学んで、試行錯誤の末に作り上げた製鉄所ということになる。こちらをつくった江川太郎左衛門は、地元では大河ドラマにしてほしいそうである。土倉庄三郎とどっちが先になるか?

「VIVANT」から幕末~明治まで連想を広げすぎだが、なぜか最近は製鉄の歴史にもはまってしまう。それにしても鉄をつくるたたらが、緑をつくったというのは、誇るべきことだろう。モンゴルの砂漠と違って、緑の世界なのである。

2023/09/14

日本第二の大楠

なぜか熱海に来ている。

熱海と言えば、土石流。というわけでなく、来宮神社を訪れた。知っているかな、意外とマイナー扱いだけど、熱海観光的には比較的人気かも。

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そして見所と言えば。

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大楠。本州第一の大木とあるが、鹿児島の「蒲生の大楠」に次ぐ、日本第二の楠の木。

よく見ると、合体木?と思わせるところもあるが、深くは追及しないでおこう(^^)v。

2023/09/13

林齢による水害の正と負

九州大学から出た論文。毎年のように発生する水害だが、降雨量と森林の成熟度(林齢)による関係が研究された。

森林の成熟によって土砂災害は変化する 気候変動下における効果的な土砂災害対策,森林資源の管理手法の開発に期待

先に結論から言えば

土砂災害を引き起こした降雨および発生流木量を比較しました。その結果,成熟した森林は若い森林と比較して,より規模の大きい豪雨に対して防災機能を発揮できることを明らかにしました。しかし,成熟した森林では,若い森林と比較して土砂災害時の流木量が大きくなることが明らかになりました。

林齢が高まれば、土砂流出・表層崩壊を防ぎやすくなるが、崩れたときには流木量が増える。林齢が若い森だと崩れやすいが流木はそんなに出ない。想定どおりで当たり前といえば当たり前のようにも感じるが、それを証明したことに価値があるのだろう。

防災という点からは、なるべく崩れないことを望み、大木の多い森、つまり林齢の高い森を残す方がよい。しかし、いつかは崩れるという前提なら、さっさと伐った方が川下の安全のためになる。 さて、どちらを選ぶ?

いや、そもそも成熟した木と若い木が混ざっていればいいんじゃない、という解答も有り得る。樹種が違えば高さも変わるし。複層林とか混交林も防災のための森林になり得る。

ただ、逆の可能性も感じる。

成熟した森には大木が多いはずで、その重量は増す。平地の場合は、それが地面を安定させるかもしれないが、山の斜面に生えていると、重量のベクトルが谷方向になり崩壊圧力になるのでなかろうか。大木は風が当たりモーメントも増すはずだ。これは影響あるのか、無視できるほどなのか。

それと林齢という基準は人工林だけだ。雑木林も皆伐した後に再生途上の若い森と、成熟し天然林へ向かう森とでは、木の高さ・太さが変わるだろうが、樹種によるバラツキも出る。

水害には、矛盾というか、一見条件が同じでも、微妙な差によって正反対の結果が出ることが多くて難しい。

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これは作業道上部の窪地が崩れたところだが、流木というか倒伏木が多いねえ。

 

2023/09/12

植物は痛めつけられると悲鳴を上げる

こんな論文がある。

Sounds emitted by plants under stress are airborne and informative 

これを機械翻訳すると「ストレス下で植物が発する音は空気中に伝わり、情報を提供します」となった。


私なら「植物にストレスを与えると、悲鳴を上げます」なんて意訳してしまう(^^;)。

研究したのは、イスラエルのテルアビブ大学の学者だ。要旨にあるのは、ストレスを受けた植物は、色、匂い、形状の変化などの変化を示す。とくに超音波を発することから、植物の種類と状態を明らかにできる。そこで植物の脱水度や傷害などの状態を把握することに成功した……。なかなか緻密な実験を繰り返したことが論文には掲載されているが、じっくり読むのは辛い(^^;)。

ただ、そこにあるのは、植物も外敵などから痛めつけられると、そのことを信号として発信するということだ。それは「悲鳴」と言ってもよいのではないか。

草木のストレスの最たるものは、切り取られることだろう。生存が脅かされるのだから。
これまでも植物が害虫などに葉をかじられると、揮発成分を発出して周りに危険を通知する、といった研究がされていたが、この研究によると超音波の悲鳴を上げていると私は解釈した。

化学成分の飛散ではなく、音という物理的発信であるのは興味深い。これを聞いた周辺の植物は、警戒を高めるのだろうか。

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このツユクサは泣いているだろうか。花を愛でるために切り取ったが、実は強いストレスで超音波悲鳴を上げている……。

これを突き詰めると、花の採集はできないし、野菜も食べられないよ。ベジタリアンも困ってしまう。



 

 

2023/09/11

40年前の熱帯雨林伐採風景

私が学生の頃に訪れたボルネオの写真の中で、ティンバーキャンプ、伐採基地のものが見つかった。

これ、わりと貴重かも。

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私は、探検部として訪れて、この伐採基地で寝泊まりさせてもらいながら、周辺の「調査」をすることになったのだが…。

調査とは、野生オランウータン探し。見つけるだけで論文を書けると言われるほど難しいことだったのだが、私自身は憧れの熱帯ジャングルを歩くことに夢中だった。そのため伐採基地に滞在していることが貴重であるという意識がなかった。しかも当時のフィルムカメラは枚数が撮れないので“無駄な”基地の写真など撮らなかったのだ。

その中に1枚だけ、丸太がゴロゴロしているシーンを押さえていた。モノクロで。

いずれの木も直径1メートルぐらいはあったかと思う。私自身は熱帯木材は直径2メートルもあるんだぞ、と聞かされていたので、なんだ細いじゃないかと思っていたけど。今思うのは、これらの木をジャングルから伐りだすのは、法的に問題がなかったのかどうかということ。違法伐採にならないだろうか。それとも州政府公認だったのかもしれない。

今では、丸太輸出はほぼ禁止になっている。現地で合板なり製材にされてからの輸出だ。そもそもサバ州は伐りすぎたので隣のインドネシア領から密輸が行われているそうだ。

いずれにしろ私の原点である。

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オマケ。大木の上に小さく枝葉がまとめられている部分(4カ所)は、オランウータンの巣。一晩限りの寝床である。

2023/09/10

400年生スギの切り株の秘密

Yahoo!ニュースでも紹介した川上村「歴史の証人」の伐採。

「歴史の証人」400年生のスギを伐る意味を考える

この切り株の写真をよく見てほしい。違和感を感じる人はいるかな? あれっ、なぜ?と思ったら、貴方も林業通。そして違和感のある切り株になっている理由がわかれば、吉野林業の世界に肉薄できるかも。

角度を変えて何枚か。

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なお、この400年スギだけでなく、ほかの地区でも見かける。こちらも樹齢300年くらいはあるスギの切り株だが。

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ヒントは、吉野の伐倒は、山側にするのが普通。

 

 

 

そう、通常なら倒す方向に受け口をつくる。吉野なら山側だ。ところが、この写真の切り株には受け口が見当たらない。谷側の切り込みも、受け口らしくない。

実際に伐採直後の写真をお借りした。

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ちゃんと山側に受け口がある。そして、そこに倒した木が引っかかっている。まさに吉野の正統な伐り方。それが、今では切り口の形が変わってしまっている。

なぜでしょう。実は私も以前から不思議だったのだ。そして折に触れて関係者に尋ねた。

すると、切り株に残る根っこの部分の木材は、太い上に年輪も密で彫刻材料などに重宝されるとのことだった。だから切り取って販売対象になるのだそうだ。これも吉野材ならではだろうな。

 

2023/09/09

Y!ニュース「歴史の証人」400年生のスギを伐る…を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「「歴史の証人」400年生のスギを伐る意味を考える」を執筆しました。

別に神宮外苑の開発問題を意識したわけではない……こともないが、まったく別に書きかけていた記事である。

でも、冒頭の枕に外苑を使わせていただきました(^-^)/ 。やっぱりウケ狙いは必要なのです。

木を伐るという行為に、過剰というか感情的というか無意味というか、とにかく反対する人が多いのだが、では木を伐る産業である林業は、それに対していかに対応するのか。そこんところを吉野林業の中心地・川上村の話で描けないかと思った。

実は、毎日新聞奈良県版の記事としての取材だったのだが、これは広く知ってもらいたいと思って。「遺産」は保護ばかりが脳じゃない。利用も含めての文化遺産である。

また300年間伐とか400年間伐という点からも、間伐材に対する勘違いと値下げ圧力のおかしさを感じてほしい。


ついでにいうと、この「歴史の証人」の森こそが、ヒルだらけの森なのですよ(TОT)。

せっかくだから、切り株の写真をこちらでも公開。

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これ、400年生のスギだが、伐ったのは1本だけだから間伐、あるいは択伐と言ってもよいかと思う。しっかり必要な木を選んで伐ったのだから択伐の方が正しいだろうか。


2023/09/08

味わい深い全国森林計画案

2024~39年期間とする全国森林計画の素案が出てきたようだ。決定するのは、林政審議会の答申を経てから閣議という手順だろうが、異論をぶって卓袱台返しをする委員や議員はいないだろうから、10月ごろには決まるのだろう。

そこで目玉は、やはり「花粉発生源対策の加速化」である。スギ人工林の伐採や花粉の少ない苗木などの植え替えを促進する。

これ、林野庁も内心忸怩たる思いがあるのではないか、と想像する。首相が大臣や長官までぶっ飛ばして勝手に発言したことが実行に移されるというか移さなくてはならなくなったのだから。

だいたい、多少とも林業かじっていたら無理無茶な計画だとわかるだろうから。でも、ネットニュースのコメント欄を見ていたら、世間は歓迎する声も多いのである。そして森林管理とスギ林減らしは両立すると独自の理論をぶつ素人もいる。

人気取り政策の効果はあったようだ。しかし、「花粉発生源対策」なのだから、何もスギを伐らなくてもいいと解釈できないか。ロボット枝打ち機を導入して、全国のスギの枝打ちを行います、とかなんとかでっち上げて数年待てば、首相は忘れてしまうだろうし、首もすげ替えられている可能性は高いだろう。

「盛土規制法(改正宅地造成等規制法)」もある。盛り土を全国一律の基準で規制するそうだ。知事が指定する規制区域の森林では、渓流となる谷での盛り土を極力避け、技術的基準を守るよう求めた。

林地開発に対する許可制度の見直しも盛り込んだよう。ソーラーなどでも盛り土は盛んだから、規制につながればいいのだけど。

やはり気になるのは、木材生産と再造林の施策である。

15年間で伐採する立木の体積は、8億8899万立方メートルに目標を設定。19~21年の年平均実績よりも、約1000万立方メートル増やす気らしい。

これ、捌け口はあるのか。在庫がだぶついて材価が下がれば、たくさん伐っても利益は薄くなるだけかもしれない。

一方で再造林面積は、9万2000ヘクタールが目標。現在の年平均3万4000ヘクタールだから大幅増だ。これも、人手と苗は足りるの?

林業不適地は「複層林」にするという。複層林面積は、現在の111万ヘクタールから172万7000ヘクタール! 昔の複層林の失敗は繰り返さないでほしいが。

ただ、複層化することを作業管理の省力化……とあるのは解せん。本気で成り立たせようとしたら、むしろ手間は増える。ようするに皆伐しないで間伐後を放置するということなのかしらん?

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昔懐かしい複層林。

とまあ、読めば読むほど味があるよ。

 

2023/09/07

ジビエが売れない理由は?

ジビエで農作物の獣害を防げ……そんな声は今も強いが。

シカ1500頭で食肉200キロ… 進まない食肉生産の現実 ほぼ犬の餌「ありがたく食べ命頂いて」/兵庫・丹波市

こんな記事もあるわけで。

シカの有効活用処理施設「丹波姫もみじ」(同市氷上町)に搬入された約1500頭のシカのうち、食肉にできたのはわずか200キロ強

シカ1頭当たり平均重量30キロのうち、精肉歩留まりが3割とし、内臓や骨を除き、1頭当たり10キロの肉が取れる

丹波姫もみじに昨年度の狩猟期に推計45トン搬入されたシカのうち、食肉にできたのは224キロで、実態は肉のほとんどがドッグフードになっている

都内だったらソースと付け合わせを添え、ロースト肉2切れを9000円で提供する。

こんな言葉が並ぶのだが。

ここで、なぜ、獣害駆除の個体がジビエにならないのかを説明すると長くなる。この記事のとおりではないと私は思っているが、それはともかく私もジビエに貢献してみた。

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これは、某地に売っていたジビエ、つまり鹿肉缶詰を、ものは試しと購入したもの。オイルで低温処理したコンフェである。消費税を入れると880円になったかな。

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そして中身はこれだけ。キノコ(エンリギ)を除くと、本当に一口で食べ終わりそうだった。上記の記事でもレストランで2きれを9000円?
本気か (@_@)

まあ、そんな料理をどんどん売れるというならよいが、そもそも需要がないだろう。美味しい美味しいというが、やみつきになるものでもない。言っておくが、高すぎるというわけではない。捕る苦労、解体する苦労、猟にかかるコスト。衛生管理も大変だ。缶詰にするのも設備がいるからねえ。飼育している牛や豚、鶏よりいかに手間がかかるかと考えたら、こんな値段になってしまうのだろう。

私はドッグフードにするのが、もっとも適した利用法だと思うよ。愛犬家は金を惜しまないし(笑)。

 

 

 

 

2023/09/06

ブルシットジョブと自然選択説

昨日と正反対のようなことを書く(^^;)。

ゼロからの『資本論』」(斉藤幸平著・NHK出版新書)を読んでいる。これはNHKの「100分de名著」に「人新世の資本論」を取り上げたときのテキストを元にしているらしいが、番組内容とはあまりつながらない、斉藤氏の書き下ろしに近いと感じた。

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基本、マルクス主義の主張を書いてあるので、あまり面白くない。社会のより一面だけを追っているように感じる。150年前の世界観と現代のズレを感じる。
ただ、幾度も事例として森林や林業が取り上げられている点が目新しい。実は「森は誰のものか」というのはプロシア~ドイツの大命題であって、多分マルクスも影響を受けたのではないか。所有者が地元民を締め出して薪拾いさえ許さなくなったことから闘争は始まった。いわゆる入会権に関わるコモンズの意識だ。そして民衆は森の自由権と呼ばれる権利を勝ち取っていくのだが……。

一方で、森は樹木の時間で生長するのに、人間つまり資本主義は樹木が育つまでの時間を待てずに次から次へと伐採を進めていく。それはいつか破綻する……という例題も登場する。この点は、私と同意見だ。樹木の時間に人間の勝手な時間軸を入れてはいけないのである。資本主義を持ち出すまでもなく、人間の性としての自然への介入が、現代社会を膿ませているというのは、私の命題でもある。

ただ、ここで取り上げたいのは、ブルシット・ジョブ(くそどうでもよい仕事)だ。資本主義は効率を求めて(機械化、ロボットなどで)人を減らすが、人を労働から解放せずに社会的に重要と思えない仕事を生み出す……それをブルシット・ジョブと呼んでいる。

その例として上げるのが、広告業やコンサル業であり、無駄な会議、書類作成、くだらないキャッチコピーづくりやマナー研修などを上げる。

さて、これらは本当に「くそどうでもよい仕事」だろうか?

たしかに「無駄な」とつけられると無駄なんだろうが、会議は、本当はコミュニケーションの場であり、お互いの意見交換や情報交換の場と捉えれば重要な役割を果たす。新しい気づきを生み出す場だ。そして納得感をもってもらうことで推進力とする。

広告は、いわば告知であり情報伝達の技術である。それはマナーとも同質だろう。伝え方を誤ると、他者の心をつかめず伝わらない。「君の意見には同意するが、無礼な君は嫌いなので反対する」論理が働くのだ。なかなか伝わらない意図を、短い言葉で伝えるのは「コミュニズムが不可能だなんて、誰が言った?!」というキャッチで本書を売るのと同じである。

そしてコンサルタントは、専門家による専門分野のアドバイスである。当事者の知らなかったノウハウが伝わり、上手く使えば、壁にぶつかっていた経営を逆転させる可能性を秘めている。

もちろん、すべてが役立つわけではない。結果的に失敗する、無駄なものも多い。が、それを最初から切り捨てると、会議もなく少数のトップが独断する社会となる。専門家の意見を取り入れずに、ド素人が頑迷な失敗を繰り返す。

ここで私は、ダーウィンの自然選択説を紹介したい。わりと誤解されやすいのだが、ダーウィンの進化論は、強いものが弱いものを倒して生き残る弱肉強食でもなければ「変化するものが生き残る」ものでもない。とにかく生物は多種多様な変化を行って、そのうちの少数だけが環境に適応して生き残るのだ。変化しても滅んでいくものは多い、いや大多数だ。数打ちゃ当たる、それが自然選択説の根幹だろう。

仕事も多種多様なものが生みだせば、そのうちの少数が生き残り大きく花開く可能性がある。新規事業なんて、ほとんどがブルシット・ジョブなのである。ただ、そのうちの一つが社会を変革するきっかけになるかもしれない。まあ、それまでは無駄をまき散らし続けるだろうが。

それは科学研究でも同じで、無数の失敗があって一つの成功がある。最初から成功しそうな分野に絞って研究する……なんてことは有り得ないのだ。それをわからないブルシットジョブの政治家が、成長分野を絞って予算を注ぎ込め! なんてくそどうでもよい政策を打つから、日本の科学は没落したのだろう。

斉藤さんも(そしてマルクスも)、この本を読んだ限りだが、この世の仕組みに正解があって、それをめざそうという発想のように感じる。私は、それさえも信じていないからね。

失敗社会と成功社会は、「あざなえる縄のごとし」であり、それも時間ととともに入れ代わる。成功体験は失敗の始まりであり、失敗が次の成功を生み出す。

2023/09/05

補助金から脱却した国

以前、林業の新ビジネスを考えようという企画で、「いかに補助金を取るか」というビジネスモデルを提案した人物がいる。森林組合出身者だったけど。税金が原資の補助金を取っても何も生産物を生み出さないと思うのだが、それをビジネスと言えるのだろうか。

私が大嫌いなのは「ふるさと納税」である。これって、自治体ごとの税金の分捕り合いであって、ある自治体が他の自治体(たいてい都市)の財源を奪うだけである。何も生み出していない。いや、全額奪うのではなく、3割(実は5割まで行くケースもある)は民間に流れる。寄付した個人に返礼品という名の餌代だけでなく、「さとふる」なんていうブルシット・カンパニー、くそどうでもよい企業がかすめ取っていく。

なかには、いかにふるさと納税を増やすかを仕事にする部署を設けている自治体があるそうだ。他所の税金ぶんどりビジネスモデルか。

ほんま、クソ。

一方で、世界中のほとんどの国で第一次産業は、補助金なしに成り立たないとされる。日本は農林水産、どれも補助金がある。補助金をなくせば農業も林業も消滅するとさえ言われる。だいたい穀物大生産国のアメリカでさえ、莫大な農業補助金があるのだから、なんとも妙な構造だ。

だが、補助金から脱却した国もある。

「補助金なしで、農業は繁栄しない」という神話を覆した国の話。

ニュージーランドでは、ほぼすべての農業補助金を廃止を議会で決めたらしい。ただし1980年代の改革以前は、農産物の最低価格、投入資材補助金、低利融資、税制優遇措置、債務償却など、さまざまな農業支援を行っていたそうだ。それをなくすことに成功したのだ。

そこに載せられているグラフがすごい。一番上と一番下を見てもらいたい。

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スイスも、林業補助金を全廃した。たしか2010年ごろだったと記憶する。それまでは日本に負けないぐらいの補助金が出ていたそうだが、長い議論の末に撤廃することにしたという。どこかに資料ないかな、と思って検索してみると、なんと私自身の記事が出てきたよ。

林業再生の特効薬は「補助金撤廃!」

日本もできないわけがない。でもできるとは思えない。。。だって、当事者は全員やる気がない。補助金の弊害は常に語られるのに、もらって嬉しい補助金、出して支配するのが楽しい行政の組み合わせだ。なぜなら、みんな麻薬中毒患者と麻薬の売人だから。

私の持論は、補助金の必要な分野は、災害などの緊急事態への対処、新規事業の投資や研究開発ぐらいである。
補助金に限らず税金の使い道としては、儲からないけど必要のある分野に限って注ぎ込むべき。具体的には医療、福祉、教育、警察・消防・防衛費である。今後は環境分野も入れるべきかもしれない。

もし林業も農業も、どうしても麻薬もとい補助菌もとい補助金がほしければ、そうした分野に入る工夫をした方がいいよ。林業は国土防衛だとか、林業は福祉だとか。林業で精神病を治そう……なんて風に。

まあ、これ以上書いても愚痴を通り越して罵倒になるから止めておこう(笑)。

2023/09/04

鹿児島に林業大学校?

鹿児島県に林業大学校を設立する案が、検討会でまとめられたとか。林業大学校は、現在、24道府県に設置されている。道府県のほか市町村、森林組合、製材会社が主体とさまざまだが、鹿児島にはなかった。

林業大学校では、1年間の研修を行うことや、就業後の専門研修を拡充することなどが検討会の案となっている。

 県は02年以降「鹿児島きこり塾」を開き、年間25人ずつ人材育成を進めてきた。ただ、期間は2週間ほどで研修内容も限られ、即戦力を求める現場のニーズに合っていないとされる。
 19年3月に県が策定した森林・林業振興基本計画は、28年度までに木材生産額150億円、生産量150万立方メートル、再造林面積1200ヘクタールの目標を設定。達成するには、約1400人の林業従事者を25年度までに1700人まで増やす必要があるとしている。
 県が22年9月に実施した県内事業体向けのアンケートで、林業大学校の必要性について回答した177事業体のうち「必要」としたのは72事業体(40.6%)。「現在、県などが開催している講習や研修などで十分」との答えも70事業体(39.5%)に上った。(南日本新聞)

へえ。ちょっと大丈夫か。。。

すでに各校で定員割れが発生しているのに。九州も宮崎県、熊本県などにあるからなあ。でも検討会で検討したんだから。。。

が、それ以上に私が思ったのは、その先。県など公的機関が学校を作ったら、簡単には閉校にできないだろうな、ということ。定員割れでも当面は続けざるを得ないだろう。そして莫大な経費がかかり続ける。いいのか。でも検討会で検討したんだから。。。

そもそも人材も増やしたら、勤め先があるのか。そして仕事があるのか。鹿児島だと、鹿児島大学に林業の学び直し講座が設けられているが、これはすでに林業で働いている人、林業経営をしている人向けに新しい現代的な林業を学び直してもらう目的のはず。それならよいかもしれないが、新規作業員はどうだろうね。でも検討会で検討したんだから。。。

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鹿児島大学の学びな圧し講座。

林業も始めたら、維持しなくてはいけない。高価な林業機械を購入したら稼働させなくてはならない。稼働させる現場を確保しなければならない。同じことを人材でも求められる。

まだ開校が決まったわけではないのだろうが、検討会の案は、たいてい実行するのだろう。検討会なんだから、私の疑問の点もすでに検討しているかな?

2023/09/03

杭の上の生態系

不定期にやっている連載? 「切り株の上の生態系」。今回は、ちょいと違うが、「杭の上の生態系」である。

これは、い生駒山の某森林公園なのだが、木道が作られていて、それを支える杭が並ぶ。おそらくスギ小丸太ぽい杭だが、耐腐処理をしているのかいないのか。ただ年月とともに杭の上部、木口部分に腐食が進む。

ちょうど、この一帯には、上にツバキが繁っていた。その実が杭の上に落ちるのだろう。

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まだ実が青い。

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実が茶色になるほど時間が経ったか。腐った窪みに実がめり込んだよう。

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いよいよコケが茂り、落葉が乗り、一部に草が生えている。杭の上に植物が繁り始めた模様。
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もはや完全に杭の上に生態系ができたような……シダのジャングルになっておりました。

この先、どこまで育つのか。また観察しに行こう。

 

2023/09/02

「らんまん」に描かれる台湾原住民の神話

先週の朝ドラ「らんまん」には、万太郎が台湾の原住民に助けられる逸話があった。そこで出てきた「マーヤ」という言葉を覚えているだろうか。ドラマでは、何も説明されなかったが……。(※原住民とは台湾の呼び方。先住民では差別的になるらしい。)

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マーヤとは、日本人のことを指すツォウ族の言葉である。

そこで、我が先祖は昔、二手に分かれて一方は北東に進んだ、それが日本人だという神話が唱えられた。台湾の東北方面に日本列島がある。つまり彼らの神話の中で、日本人と高砂族(台湾原住民14族全体を指す)は同根だというのだ。

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これは、実際の話である。たしかに高砂族に、そのような神話があるのだ。実は、14部族のうち4族(ツォウ族、パイワン族、プユマ族、タロコ族)に同じような神話がある。それぞれパターンは違うが、たとえば新高山に住んでいたツォウ族の祖先は洪水にあったため分かれたのだという。そして北に向かい日本へ渡った。だから日本人と高砂族は同根。日本人に親近感を持ってくれていたのである。「らんまん」の脚本家は、よく調べて取り入れたものだ。

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この写真集でツォウ族の生活を見ると、「らんまん」に登場した村や家屋とよく似ている。イノシシの頭骨も並んでいる。なかなかNHK、こだわったな。

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ただし、この神話が初めて知られたのは、大正12年。日本の研究者が採集した神話である。万太郎こと牧野富太郎が訪れた時代にはあったかどうか……。そもそも牧野は、ツォウ族と接触したのだろうか。

近年の研究では、この神話はわりと最近生まれたのではないかとされている。つまり日本が台湾を領有して頻繁に姿を現す過程で、自分たちのルーツに組み込んだのではないか。。。日本人も、支配するために都合よく解釈した可能性がある。もしかして同根の発想は、日本人が伝えたことも考えられる。確たる学説はあるのだろうか。

替わって、現代人類学の立場からは、日本人のルーツは、大陸から台湾に渡った民族が北進して縄文人の先祖になったという説がある。DNAも近似しているらしい。骨の研究からも、日本人とマライ人に共通点が指摘されている。中国人より近いそうだ。ちなみに台湾から南進した民族は、後にラピタ人となって南太平洋に広がっていった。ポリネシア人の祖である。

事実が神話になったのか、神話が人類学を浸蝕したのか。。。「らんまん」もなかなか含蓄がある。

2023/09/01

「サンダカン死の行進」の裏側

こんな記事があった。

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戦後78年目のサンダカン死の行進の「和解」だと。サンダカンとは、北ボルネオ、つまり現在のマレーシア連邦サバ州の東側の都市だ。日本では、からゆきさんのいた「サンダカン8番娼館」で知られる。戦争中は日本軍が占領していたが、末期になると連合軍が上陸が心配された。そこでサバ州の山岳地帯キナバル山麓のラナウまで撤退した。それが「死の行軍」である。

日本側からは、1945年に日本兵がジャングルの中を歩いてたどり着こうとして、途中でほとんど死んでしまった日本兵の悲劇として知られる。だが国際的には捕虜(主にオーストラリア軍兵)を着の身着のままで歩かせて、1000人近くのほとんどを死なせたことが「死の行軍」とされて戦犯にもなったはずだ。被害者と加害者を取り違えてはいけない。

一方で、このボルネオの地を戦時中に植物や民族調査に入った人、そして報道した人々もいた。それは台湾探検と重なる。

台湾に魅せられた鹿野忠雄

三つの顔を持つボルネオ探検家・里村欣三

ほか、「日本のゴーギャン」と呼ばれた土方久功も、戦争中に北ボルネオに赴任している。中央公論社の堺誠一郎もキナバル山に入った。

そこに私が訪ねたのは、学生時代。サンダカンもラナウも訪れた。

2_20230901110301キナバル山

もっともジャングルは……。

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こんな感じになっていた。木材のためというよりアブラヤシ・プランテーションを作るための伐採だと思う。

ちょっと夏を過ぎてからの夏の思い出である。

 

 

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