無料ブログはココログ

森と林業の本

« 効果的炭素固定法を考える~木炭 | トップページ | 最大の木材輸入元はベトナムだった! »

2023/09/19

リンゴの木は自ら実を間引く

いつまで経っても夏が終わらないが、そろそろと庭の草刈りをした。多少はすっきりしたが、リンゴの木の根元周りの草を除くと、その下にはたくさんのリンゴの実が。

1_20230919151501

知らないうちに落ちていたらしい。もともとリンゴの木は父が植えたものの実らず、今年初めて花が咲き実をつけだした。かなり鈴なりになったが、あまり剪定はしなかった。というのも、今年は実を食べることより木の丈を伸ばしたかったから。繁らせて目隠し効果を望んでいたのである。また放置したらどうなるか確かめようという気持ちもあった。

それでも自身で多すぎる実を落とすのだね。暑すぎたのも原因かもしれない。

2_20230919151701

木には、まだ多数付いている。少し太って大きくなったが、まだ食べられるほどではない。夏前に小さなリンゴの実でジャムなどを作って食べたが、わりとイケた。売り物になるほど大きくは育っていないが、背丈は伸びたので、来年は実の収穫に挑戦するか。やっぱり肥料かなあ。

それにしても……自分で実を落とすというのは、どういう生理だろう。栄養を取り合った末なのか。それとも渇水が続いたり虫でも付いて弱ったものが先に落ちるのか。

人工林も、実は間伐は必要ないという説がある。実験によると、ちゃんと自己間伐というか、一部を枯らして全体を育つようにするそうだ。3000本の苗を植えて無間伐で放置しても、40年後に1000本は十分な太さの幹になって木材として利用可能だったという。間伐をする場合も、実際に収穫できるのは1000本以下だから、たいしてかわらないのだ。

植物は単体ではなく、森全体のバランスを考えて挙動を決めているのかもしれない。森全体が一つの生命体となり、「ちょっと本数が多すぎるから君は枯れてくれたまえ」なんて相談している、のかもしれない。マザーツリー妄想だね。

 

« 効果的炭素固定法を考える~木炭 | トップページ | 最大の木材輸入元はベトナムだった! »

生駒山中・身近な自然」カテゴリの記事

コメント

コナラ属などで有名ですが、自分で未成熟種子などを落としてしまう現象があります。生態学ではabortion(中絶)と呼ばれています。リンゴでもあるんですね。ちなみにコナラで枝ごと落ちてきているのはハイイロチョッキリが種子に産卵した後で枝を切り落としているものです。見事な切り口にいつも感心させられています。

不思議なのは、未成熟種子を全部落とすのではなく、いくつかは残すことですね。どんな基準で選別しているのだろう、と思ってしまいます。なかには大きな種子(果実)が落ちる場合もあるし。虫が選別しているのか?

もしかしたら未成熟といっても害虫の餌たりうるので、健全なもののために身代わりとして残している…と考えると面白いかもしれないですね。ただ本当に害虫の餌資源となるのであれば、天敵を増やすこと助長してしまうので、戦略として微妙ですけれど笑

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 効果的炭素固定法を考える~木炭 | トップページ | 最大の木材輸入元はベトナムだった! »

October 2024
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

森と筆者の関連リンク先