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森と林業の本

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2023年10月

2023/10/31

蚊を寄せつけずネコを招くマタタビ

岩手大学の研究で目に止まったのが、マタタビ。

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マタタビはマタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本あるが、「ネコにマタタビ」というように、マタタビの葉などをネコを与えると、身体にこすりつけて酔ったような反応を示す。有効成分はネペタラクトールと、幾種類かのマタタビラクトン類とされる。

実は、マタタビには別の役割があったようだ。というのは、マタタビの分泌する成分イリドイドには、防虫効果があるというのだ。同じくイヌハッカ(英語名はキャットニップ)などの植物にも、ネコの毛に付着すると蚊よけ効果があるそうだ。だからネコは、マタタビやイヌハッカを好むのではないかという。身体にこすりつけるて蚊対策にしているというのだが、同時に酔っぱらってしまう。

ただ私は、マタタビはネコにとっての麻薬のようなものではないか、と思っていた。ところが岩手大農学部の宮崎雅雄教授や大学院生上野山怜子さんの研究によると、マタタビ成分は肝臓や腎臓への毒性はなく、また与え続けても徐々に飽きるそうで、依存性はないと実験で確認したのだそうだ。(ちなみに論文は米科学誌アイサイエンスに掲載)

なんとなく栽培してみたくなった。防虫になるのは有り難いし、我が家の庭を徘徊するノラネコを酔っぱらわせたい。

しかも私が気になったのは、「葉から有効成分を濃縮する方法を開発し、マタタビスプレーが商品化されることになった」とコメントしていること。商品化されるのか。すると、このスプレーで蚊を寄せつけないようにするとして、実はネコを招いてしまうなんてことない? 

ちなみに検索してみると、すでにマタタビ商品はごまんとあった。ほとんとネコ用アロマ。ネコ商品は巨大市場なのかも。

ならばマタタビを栽培する農園をつくれないだろうか。有望作物になりそう。ネコだけで終わらず防虫剤やマタタビ酒など、クロモジと並ぶ可能性を秘めているかも。

 

 

2023/10/30

会計検査院の暴く獣害防護柵の効果

アーバン・ベアという言葉が使われるようになった。野生のクマが都市部に出てくる状況を示している。こうなるよ、私は拙著『獣害列島』で述べている。たかだか3年前だが、予言の書になった。
クマだけでなく、多くの野生動物が人間社会に越境している。実は、本日も幹線道路を走っていてシカと出くわした。奈良公園ではないよ。五条市大塔町だけど。

再造林地には、主にシカによる食害を防ぐため、国の補助を受けて造林地に整備された防護柵が築かれる。そのうち623カ所を会計検査院が調査したそうだ。すると3分の1に当たる213カ所で破損などにしており、シカが入り込める状態だった。つまり効果がなかった。

これって凄くない? シカ防護柵の3分の1は役立たずだったのだ。

調査したのは、2017~21年度に19道県で整備された623カ所・計約400キロもの防護柵。国の補助金約3億8500万円が使われたそうだが、その結果、17道県の213カ所・計約140キロが破れていた。それはシカが網を破ったほかに、倒木などによる破損もあるそうだが、いずれにしろシカが入り込める。そして116カ所は食害に遇って一部の木は枯死していたしていそうだ。

そしてあぶり出されたのは、防護柵の点検と補修をほとんどしていなかったことだ。点検を行っていたのは、68事業主体のうち一つだけ。ほかは、まったく点検をしないでいたか、下刈りを刈るなどの定期作業にやる程度だった。

こんな防護柵の効果を、会計検査院が調べてくれるとは。ちゃんと費用対効果を考えて、次の補助金に活かしてほしいが、多分、無駄だろうな。同じように同じ柵が作られていく。
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ちなみに柵が破れていなかった自治体はどこか。それが福井と奈良だったのである。いやあ、びっくり(笑)。写真も奈良の造林地。なぜ破られていないのか? 偶然?それとも必然? 

2023/10/29

「世界の森林破壊は止まらない」報告

ロイターの配信記事によると、

世界の森林破壊阻止、30年までの目標達成に大きな遅れ=報告書 

COP26では世界140カ国余りが、2030年までに森林破壊・荒廃を止め、反転させると宣言した。

しかし今回公表された「森林宣言評価報告書」によると、昨年は世界で約6万6000平方キロメートルの森林が破壊され、破壊は前年比で4%増えた。2030年の目標達成に向けた進展が21%遅れているという。 

若干わかりにくいのだが、森林破壊の面積は増えている。どんな森林が何の目的で破壊されているのかわからない。破壊された森林は、その後どう使われたのか、今どんな状態なのかもわからない。一応推定すると、伐採ではなく破壊という言葉であり、破壊されているのは天然林なのだろう。

近頃思うのは、林業はくまなく世界の森林を破壊しているのではないか、ということ。東南アジアや中国、シベリア、中南米、アフリカは言うに及ばずこれまで厳密な管理が行われているとされてきた欧米でも、過剰伐採に盗伐など違法伐採が耐えていないことがわかってきた。

まず北欧のフィンランドやスウェーデン。ポーランドにルーマニア、ブルガリア、そしてウクライナ。林業先進地とされるドイツでさえ、盗伐はなくなっていないし、合法的に見えても過剰な伐採量であるという指摘もある。

そしてアメリカやカナダ。こちらも調べていると恐るべき森林破壊が進行中だ。そもそも国の統計がデタラメだったり辻褄合わせ的な統計もある。それによる伐採計画は、ほとんど不可能な内容なので「神がかりの林業」と揶揄されている。皆伐地は「仮の牧草地」であり、自然豊かなんだそうだ。保護区の面積も水増し。森林認証制度も偽造がまかり通っている。

そして日本も、そろそろボロが見えてきた。

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林業で採算を合わせようとすれば、一定期間内に収穫量を増やさないと製材工場や合板工場、製紙やバイオマス発電所などの設備の稼働率が落ちて赤字になる。しかし遠距離からの輸送はコスト高で割に合わない。結果的に過伐する。おかげで地元の森林は減少し、いよいよ設備が動かず稼働率が落ちるから、より大きな設備にして低コスト化しようとするが、それはより多くの原材料を必要とする……。

論理的に現代林業は持続的ではないのでは……。もちろんコストと利益のバランスを計算して「神がかり的」に黒字を可能だとしても、結局人の欲望はそれで収まらないから伐りすぎてしまう。常に拡大をめざす性があるので、バランスを崩すように動く。

ようは林業は、常に森林破壊を伴い、限界が来たら林業を打ち止め、再生を待つ間は徹底した禁伐にする。その繰り返しではないか。いや、それだってできるだろうか。人類にそんな叡知はあるか。

私にいわせれば、上記の写真も森林破壊なのだが、これはれっきとした林業なんだろうなあ。

2023/10/28

王仁博士と関係ないワニ氏は木材マフィアだった?

昨日の隙間時間には、上野恩賜公園も散歩していた。

あ、モネ展がやっているのか……と思ったが、それを見るほどの隙間時間はなくて断念。その代わりに見つけたのが「王仁博士の碑」だ。王仁とはワニと読むから、わにはかせ、である。

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王仁という人は、応神天皇の時代(4世紀)に辰孫王と共に百済から日本に渡来した百済人とされる。そして漢字や儒教などの学問を伝えてた人物であるそうだ。全国に足跡があるのだが、奈良に隣接した大阪府枚方市の藤阪東町にある王仁公園があり、さらに近隣に「伝・王仁墓」もある。

それが、なぜ上野公園に? という思いはあるが、それはさておき連想したのがワニ氏。飛鳥時代の古代豪族だ。ワニは、和珥、丸邇などと表記される。しかし蘇我氏 物部氏、大伴氏、出雲氏、吉備氏、葛城氏、中臣氏……といった有名どころほどのネームバリューはない。

だが相当な大物で、ワニ氏の始祖は、孝昭天皇の皇子で孝安天皇の兄とされる。ほかにも多くの皇家と姻戚関係を多く結んだとされるが、その実態は謎の氏族。どうやら16もの氏族に分かれており、そこには春日、大宅、小野、柿本氏などの名が出てくる。それでワニは消えてしまったのかもしれない。柿本人麻呂も、その一族らしい。

で、何が言いたいかというと、最近の研究(橿原考古学研究所付属博物館の青柳泰介氏)によると、ワニ氏はヒノキなどの木材を、奈良市田原地区から伐りだして製材もしていたと発表しているのである。そして木津川を通じて運搬したと推測。つまり木材生産から流通まで掌握した木材業界のドンだったというのである。今風に言えばコンツェルン?木材マフィア?かもしれん。

この木材利権でヤマト王権に絶大な力を持っていたらしい。当時の木材は、絶対的必需資源であり、これなくして宮殿も建てられない。

いわば日本の木材産業元祖と言えるかもよ。

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奈良時代の木材輸送と製材の様子を描いた図(平城宮跡資料館)

ちなみに王仁博士とは、もしかしてと調べたが、何のつながりもないようだ(^^;)。

 

2023/10/27

古本まつりに遭遇

本日の隙間時間。

ちょっと寄った神保町。古本屋街で有名だが、なんと今日から古本まつりが始まっていた。

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10%20%引きだから、なかなかテンション上がる。隙間時間ではなくなった。これ、全部見て回ると何時間掛かるかなあ。

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結局、あちこち店を回って、重いのに何冊も買い込んでしまった。でも、なかには現在執筆中の本の資料となるものもある。これに目を通すと、書き直さなくてはならないかも。ヤバい。

今回の東京行の最大の収穫は、隙間時間かもなあ。いやいや、取材も充実してましたけどね。明日から忙しくなる。いやいや、出張も、忙しかった(^_^;)。

 

2023/10/26

目黒駅前今昔物語

と東京に来ている。

今回は駆け足で幾つかの取材や用件を済ませる予定なのだが、次の目的地まで行くまでに、隙間時間ができた。約3時間だが、移動時間を引けば2時間というところ。

どうするか若干考えたが、目黒駅前を歩くことに。

ここに、かつて土倉龍次郎の屋敷兼農園があったからだ。それは広大な面積だったが、当時は目黒駅もなく田舎である。敷地内に川が流れていたほどだ。

もちろん、今は跡形もない。それでも感覚的なものをつかみたくて歩いたのである。

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このように高層ビルと、タワーマンションが立ち並ぶ。でも裏通りは路地が多く行き止まりになる魚の骨状だ。これも痕跡?

次に訪れたのが高速道路を挟んで庭園美術館。この庭にしばしたたずむ。

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ここは、かつて皇族の朝香の宮の邸宅だ。

龍次郎の家に朝香の宮が馬に乗って訪れたというエピソードがあるので、ちょっと感慨に浸ってみる(^-^)。

取材の合間の息抜き? いや、これだって取材なのだよ。



2023/10/25

Y!ニュース「キノコの香りは……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「キノコの香りは森の情報ネットワークだった!」を書きました。

最初のタイトルは「マツタケの香りは……」としていたが、内容はキノコ全体だよなあ、でもマツタケを掲げた方が人の目に止まりやすいだろうなあ、と逡巡。もともとマツタケが不作というニュースに触れて、何かマツタケがらみの話を、と思いついたのが執筆動機だったのだ。

しかし、書き出したらマツタケだけに収まらず、キノコ全体になってしまった。ここは我が誠意(笑)に従って、「キノコの香り」にしたわけだ。
せめて写真はマツタケにしようと思ったのだが、食べるマツタケの写真はタイトルにあわないと思い、森の中にあるマツタケの写真を探したものの見つからず。仕方ないのでも利で見つけたキノコ写真コレクションから選び出した。マツタケの写真の方がアクセス増えたかなあ。(まだ未練)

そして「香り」はよいとして「におい」をどんな漢字を使うか。

日本人的には「匂い」だが、欧米人は嫌うのだから「臭い」。全体としては、できるかぎり香りを使いつつ、匂いにしておいた。ただし欧米人には「臭い」。まあ、臨機応変というか、テキトーというか。
いっそ、キノコの香りもフィトンチッドだ、と書いてしまってもよかったかも。あ、今から書こう。

2023/10/24

ツル植物の自立?末路?

奥山に入って巨樹に巻きついていたツル植物。

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なんで、根元が二股に分かれているのだろう。

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上部で合体して、巨樹に巻きついている。しかし、根元には巻きつく木がなかった。それなのに伸びて、合体できるのだろうか。こうした状況になるまでの木々の生態を想像してしまう。

これ、もしかして、2本のツル植物(フジだろうか)が1本の木に巻きつき、お互いグルグルと締めつけている最中に母樹(というのかどうか)は枯れてしまったのではないか。そしてツル植物だけが残り、そのまま伸びて隣の木につかみかかった……ように見える。

ツル植物は、自信は直立できずにほかの樹木に巻きついて上に伸びていくものだが、ここまで太くなったら自立するわけだ。

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こんな木もあった。これは見事、巻きついていた木が枯れて、ラセン上になったツルだけが残された様子。でも、高さ5メートル以上はあるし、もはや樹木と呼んでよいのかもしれない。

2023/10/23

木材の輸出と輸入の貿易統計の謎

月一度の「モクレポ」は、わりと楽しみである。どんな荒探しができるかと……(笑)。

モクレポ~林産物に関するマンスリーレポート~ 

わりと注目しているのは、林産物、そして木材の輸出入の推移。

どうやら、どちらも頭打ちになってきたようだ。

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まず木材輸入額の1~8月という変則的な3年間統計だが、2022年が大きく伸びたのに比べてガクンと落ちているのが目立つ。その内訳を見ると、ロシアが減ったのはわかるとして、ヨーロッパが大きく減った。これも、ウクライナ戦争の影響だろうかと思いきや、21年⇒22年の大きな伸びの理由がわからんので、結局は基にもどったと見る方がよいか。

一方で林産物輸出額だが、やはり減っている。

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ただ木材は減っているのに比べて木造家具は伸びている。

なお、日経新聞によると、22年の木材輸出量は21年を下回ったとある。輸出額だけで見ると伸びているように見えるのだが、このカラクリはなんだろうか。

ただ、そんな各論以上に気付いたのは、輸入に関しては輸入額と輸入量の両方が示されているのに、輸出は額だけで量の記載がない。

それは目次で確かめられる。

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輸出額は林産物と木材に分けて示すものの、輸入は木材だけながら額と量に分けている。なんで、こんなアンバランスになるのだろうか。額と量の両方を示して輸出と輸入を比べることができない。また輸出は林産物と木材という微妙な分け方をするのも不思議だが、それを輸入品の方に示さないのはなぜなんだろうか。
毎回、政府の統計を見ると、このような不可思議な点を見つけてしまう。誰か、説明してくれませんかねえ。

 

2023/10/22

庭のホネホネ団

庭を眺めていると、骨を発見した。一つ見つけると、ここにも。あちらにも。

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庭に散乱する骨……すわっ、事件だ! と騒ぎたいところだが、正体はすぐわかる。

私は、ブタのスペアリブとかトリカラ骨つきなどを食べると、残る骨を庭に投げる癖があるのだ(^^;)。
魚の骨のときもあるが、これはネコが食べてしまうようだ。これでゴミが片づくなら結構である。

というのは、もともとコンポストがあって、生ゴミはそこに放り込むようにしているからだ。そして草刈りした草や落葉なども入れる。約半年ごとにコンポストをひっくり返すが、底はほぼ土になっている。上のまだ原形が残る分を底に入れ直す。コンポストがあふれることないのだが、当たり前のようだが、骨はすぐに腐朽して土にはならない。腐葉土の中の骨は庭に撒いてしまう。それは土に埋もれるように見えて、今回のようにたまに顔を出すのである。

もし、我が家を売却して、次に入る人が庭いじりしたら面白いだろうな。。。ザクザクと骨が発掘される(⌒ー⌒)。

もっとも骨も、長い年月をかけて朽ちていくそうだ。今後どうなるか、実験みたいなものである。

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鈴なりミカン。こんな木が5本くらいある。ミカンも、食べたり汁を搾った皮はコンポストか、庭に直接捨てる。

2023/10/21

山形県にできる東北農林専門職大学の学科名

山形県に、東北農林専門職大学がつくられるそうだ。来年4月に開学する模様。

専門職大学というのがわかりにくいのだが、一般大学と同じ4年制ながら、大学校(たいてい2年制)のような、実学的なものらしい。ホームページには、特定の職業のプロフェッショナルになるために必要な知識・理論、そして実践的なスキルの両方を身に付けることができる大学 と書かれてある。

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建設中の新キャンパスの図。

そして教員が違うそうだ。一般大学は研究員が教員になるが、専門職大学というのは、実務家教員を積極的に採用、理論と実践を架橋する教育改訂に必要な研究者教員・実務家教員なんだそうである。設置基準では、必要専任教員の4割以上が専門分野で5年以上の実務経験を持つ実務家教員であることとあり、ここでも15人の実務家教員が配置される。これって、ようするに現場で林業をやったことのある、あるいは現役の林業家ということだろうか。

それはさておき、そこには農林業経営学部が設置されるのだが、あるのは農業経営学科と森林業経営学科だ。林業系の4年制大学が誕生したのは、久しぶりではないか。しかも私が注目したのは、この学科名に「林業」が入っていること(^o^)。

ちなみに専門職大学で農系があるのは静岡県の農林環境専門職大学だけだが、農林とはあるが、実質農業が中心だ。

これまで林学、林学科と呼んでいた大学では、ほとんど改名してしまい、森林なんたら科学科みたいな名になってしまった。林業の香りを消そうと努力した様子が見える。実際、内容も森林科学、環境系にシフトしているところが多いだろう。

その中で森林はつくものの林業経営学科である。なお入学定員は、8人だという。少数だ。(精鋭かどうかは、オープンしてから……)

森林業経営学科では、林業や木材産業のほか、バイオマス、森林環境教育、キノコや山菜なども学ぶ、とある。森をフィールドに新しい産業が芽生える動きがある、価値を最大化し、産業の活性化につなげていく、そうだ。

さてさて、どんな学校になるかな。林業大学校は、もう作りすぎの気配も漂うが、新たな林業教育の場になるだろうか。

 

 

2023/10/20

アメリカのクマ対応マニュアル

このところ、クマの猛威が連日報道されている。とくに酷いのはツキノワグマが出る秋田や岩手だろうが、北海道でもヒグマの出没は増えている。町に出てくるところから一歩進んで民家の敷地内まで入り込んだり、もはや緊急事態だ。

こうした自体において対応はいろいろ模索されているようだが、一般に通じるマニュアルがないようだ。そんなときに見つけたのが、これ。

『非致死的なクマ管理技術の手引き_日本語訳』の公開について 

カナダの市民団体がつくったというマニュアルだが、それを日本の<Bear Smart Japan>(団体というよりプロジェクトと記されている)が翻訳したものである。

タイトルどおり、クマを殺さず人間との共存をめざしたもののようだが、実は目を通すと銃器も使用するし、必ずしも非致死的とも言えない。ただ、できる限りクマを人間社会に近づけず、追い払うという思想で成り立っている。私は、分厚いので全部を読み切っていないが、とりあえずパラパラと目を通した。

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扱うのは北米に生息するグリズリーとクロクマだ。グリズリーは、ヒグマとほぼ同種。クロクマはツキノワグマよりは大きいが、近い種類で森林性なので生態もツキノワグマと近そうだ。それぞれの対策が日本でも対応できる。

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なかには日本ではできない手段もあるが、わりと参考になるかと思う。完全な駆除以外では、忌避剤によってクマに痛い目を合わせて人間社会に出てこないようにするのが基本のようである。

クマで悩んでいるのなら、まず読んで損はない。ちなみに近畿の山でもクマは出没している。東北ほどではないが、最近は山に入るのに緊張を強いられて、何かと準備が必要になった。

 

 

2023/10/19

森林現況2022を見る

林野庁が、こんな統計を発表していた。

「森林資源の現況」について  

リンク先を見てもらえればよいのたが。

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面積は、ほぼ変わっていない。蓄積は、55億6000万立方メートル。前回調査時(2017年)は、52億4000万立方メートルだったから、あきらかに増えている。ただし、人工林が大半のようだ。天然林は、太る余地は少ない。

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この齢級別の蓄積を見ても、増えたのは人工林。このまま太らせれば、長伐期になるのに。

若干面白いと思ったのは、面積で伐採跡地を「その他」に入れていること。以前、別の統計で「伐採跡地も(再造林するから)森林に含む」というただし書きを読んだ記憶がある。今回は分けてくれた。
その面積が138万ヘクタール。ここには未立木地や竹林も含むので、伐採跡地がどれだけなのかわからない(ここをちゃんと示してくれたら親切なのに)が、どう考えても過半は超えているだろう。70~100万ヘクタールぐらいと考えてよいか。また植えていても樹齢3年くらいまでなら、生態系は伐採跡地と同じ扱いをしてもよいと思うが。。。

ともあれ、こんな統計からいろいろ考えてみてもいいんじゃないか。

 

2023/10/18

ササもどきの正体

庭の林床に、急にササが覆いだした。

おや、どこから侵入したササだろう……と思ってよく見ると、ササに似た葉だけど、棹がなく、細い茎が地を這うように伸びている。引っ張ると簡単に引き抜ける。

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これはササに似た草だな、と気付いたが、さてその正体は。

さっそく検索する。するとササに似た葉の雑草というのはわりとたくさんあるようだ。まずはササクサ。そのままやんけ、という名なのだが、たしかに似ている。が、葉の大きさがちょっと違うような。もっと小さな葉だ。

そこでササガヤに行き着いた。カヤ(茅)の一種か。これだ、と思うが、必ずしもそれと同じ葉ばかりではない。

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このように、やや波打った葉もある。これは……チヂミササという種類らしい。ササとつくが、ササではなく、イネ科のチヂミザサ属。

調べていくうちに近似種がいっぱい。チゴザサというのもある。

種の系統は違っていても似た姿になるのを相似と呼ぶ進化の仕方だが、ササにも真似られる良さがあるのだろう。

どれがどれやら……ただ、我が家の庭に侵入し、大繁殖したのは間違いない。それは悪くない。

まず背丈があまり高くならないので、庭を覆い尽くすことなく、林床だけに広がっている。ササに似ているだけに、わりと美しい。そして、その気になれば、すぐに抜ける。手で引っ張るだけでずらずらと連鎖的に引き抜けるのだ。これのおかげで、鬱陶しい大型雑草が繁茂しなかったと思えば、庭の彩りになる。

こういう雑草は、保護したくなる(^o^)。

で、その正体(名)は何だ?

2023/10/17

不可解?タンコロのお値段

短くて製材などには向かない丸太をタンコロというが、その製品化を頑張ってほしい。そうした「端材」をいかに高い商品にするかが、林業の実入りを増やす要諦だと思うからだ。

最近は、スウェーデントーチという名で呼ぶ商品をよくホームセンターで見かける。これ、昔は木ろうそくとか、樵ロウソク、切り株コンロとか、いろいろ呼び方があったはずなんだが、なぜか最近はスウェーデントーチが広がっているよう。意味わかりにくと思うのだが、オシャレなんだろうか。昔から、私は記事にしているね。

木ロウソク・ボイラー

スウェーデントーチ?

だいたい使い方は、丸太をそのまま燃やしてコンロのようにするわけで、キャンプの際に楽しめる。そのまま鍋やヤカンをかけることもできて実用的だ。火力も結構強く長持ちもする。私が試したところ数時間は燃え続けたよ。(ただし自家製だが……。)

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これで880円とは、なかなかである。木は、多分スギだと思うが、切り目を入れて乾燥させるだけだ。林業家の小遣い稼ぎになるのではないか。

が、驚いたのは、その横だ。

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これ、ヒノキの薪割り台とある。切れ目も何も入れていない、タンコロそのもの。(まあ、表面は磨いたようにツルツルしていたが。)
それなのに値段は980円。スウェートーチよりも100円高い……。ヒノキだから? それは多分印象操作だ(笑)。値段設定が謎。

そもそも、この小さな切り株の台で薪割りする人がどれほどいるのか。いや、キャンプブームだからなあ。。。。

 

2023/10/16

無駄な豊作の生態学

庭のミカンとカキが豊作。どれも一枝分を収穫しただけで、とんでもない量になったので、近所におすそ分けしたりしているが、それぜ食べきれないほど。

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粒が小さいのは、花がたくさん咲きすぎたからか。それは夏の高温と関係があるのかどうかわからない。が、非常に甘いので満足のいく収穫であった。が、そこで考える。なぜ、こんなにたくさん実をつけるのか。昨年は、ミカンはそこそこ豊作であったが、カキはまったくの不作であった。たしか、一つ二つしか実は成らなかった記憶がある。

思えば無駄なのである。たくさん実をつけても、子孫を残すことに通じるのはわずかだ。それは、たとえば魚の卵でも同じで、1匹の生む卵の数は、少なくても数千、多いものは1億個以上を産卵する。が、生き残るのは1匹から2、3匹。

残りは無駄だ。いや、生き残るためには必要だというが、稔らせるために使うエネルギーを考えると、相当な浪費になる。農作と不作・凶作のリズムは何か理由があるのだろうか。

植物生理学的に説明はされているが、そうではなく進化論的に農作と凶作を繰り返す論理が知りたい。進化の過程で、AIではないがディープラーニングして、適正な量の実の成り方を身につけないのか。適度に周辺の動物を潤わせながら、自分の子孫も残しやすい最適解を求めたらよいのに。毎年、適度量を成らせたら、実を熟させるエネルギーを無駄にしなくて済むのではないか?

今年は全国的にブナ類の果実は凶作らしく(とくに東北)、それによって冬眠前の食料が得られないクマが里へ出没することが警告されている。里の農作物、そして人間の持つ食べ物を狙うとされるのだ。これも、その前の豊作時にクマの数が増えたから凶作時に飢えるクマも出る。

そこで考えた。あえて攪乱をもたらそうとしているのではないか。豊作で増えたクマを凶作で多く殺す。その翌年にまた豊作になったら、クマは減っていて実を食べ残すから、多くの実が発芽できる……。植物のすごい生存戦略ではないか。

さらに考え方によっては、無駄になった果実や卵も、それがほかの生物の栄養になったり土を肥やすことで生態系を循環させる。生態系も無駄があるから循環することができるのかもしれない。循環させるための無駄をあえて植物は作り出すのも進化の末の結論?

よし、無駄に数の多いミカンとカキは、かじっては捨てて庭の土の栄養としよう。

2023/10/15

技能実習法改正で林業職追加、とは?

場違いな記事を読んだ気がした。

厚生労働省は、技能実習法施行規則を改正し、技能実習第2号・第3号へ移行できる職種に林業職種(育林・素材生産作業)を追加する方針。令和6年度中の改正省令の公布・施行をめざす。

というものだ。

これ、十分に意味を読み取れる人は何人いるかなあ。技能実習とは、外国人が日本で仕事をする場合の技能講習のことだが、その2号だ3号だ、それに移行するだ? そこに林業職がどう関係するのか。

まず技能実習法とは、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るため、技能実習に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、技能実習計画の認定及び監理団体の許可の制度を設け、これらに関する事務を行う外国人技能実習機構を設ける等の所要の措置を講ずる」法律とある。

技能実習制度の区分について調べてみた。
企業単独型と団体監理型の受入れ方式ごとに、入国後1年目の技能等を修得する活動が、第1号技能実習。
2・3年目の技能等に習熟するための活動を第2号技能実習。
4年目・5年目の技能等に熟達する活動を第3号技能実習と分けている。

建前としては5年で終わりである。

さて、この法律・制度について調べると頭が痛くなるような言葉が並んでいるが、ここで解説はしない。気になる人は、自分で調べろ。

肝心の林業の技能実習生は、厚労省の集計(3年10月)によると64人。ただし、第1号だけだったようだ。つまり1年間だけの実習であった。それを第2号技能実習及び第3号技能実習を行うことができる職種及び作業に林業職種及び育林・素材生産作業を追加するものである。

まあ、その、極めて単純にまとめれば、林業にも外国人労働者を増やすよ、ということだろう。

これまで1年間の実習では、事実上、できる仕事は下刈りとか切り捨て間伐ぐらいだろう。利用間伐や皆伐・搬出作業は危険だ。だが、いよいよ木材生産の現場にも外国人を入れようということではないかな。しかし、具体的にはどんな技術だろうか。高性能林業機械の操縦をするのか。造材は?作業道開削は? 架線集材はあるのか。

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さらに育林とあるのは、どんな技能が含まれるのか内容はわからない。

まあ、昔から外国人に林業をやってもらおうという意見はあったが、いろいろ難しい条件がありすぎて流れたはず。今回は、いかにクリアするのかな。またも法律の文面だけになるのだろうか。

 

 

2023/10/14

巨石と木の枝の役割

昨日の続き、というわけではないが、また巨石と木の話。

今度は生駒信貴スカイライン沿いの「夫婦岩」に行ってきた。ここには巨大な岩が3つ隣接しており、巨石マニアに人気のスポットなのである。ただ大きな岩というだけではない、魅力?がある。まずは写真を見ていただこう。

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これ、いずれも高さ5メートル近い岩なのだが。この裾野にある木の枝は何だ? ちょっと不気味。ちょっと宗教的。ちょっと超古代文明の痕跡を疑ってしまう謎の光景なのだ。これが遺跡だとしたら、ここで宗教的祭祀を行った痕跡かと思ってしまう。何か魔物に憑かれたように……。石と木を合わせることに何か相関関係があるとか。。。

もっとも木の枝など数年で腐ってしまうので、超古代から残っているわけもなく、つい最近、訪れた人が置いたのだろう。

この光景を見た人は、みんな「気持ち悪い」とか「怖い」「妖気が漂っている……」とか言うのである。

が、同行者の言葉に引っくり返りそうになった。

この大きな岩を、こんな木では支えられないわ

あ、木の枝は、岩を支えようとしているのか!それが役割か。たしかに岩の裾野は土がえぐれてしまっているから、そのうち岩がゴロンと転がってしまうように感じるのかもしれない。それを支えようとして木の枝を置いた??

目からウロコの発想であった。一気に妖気が去る。宗教的雰囲気が雲散霧消する。超古代文明が裸足で逃げ出す。

しかし、言われてみれば……最初に岩に木を立てかけた人は、そんな意識だったのかもしれない。後からきた人は、それを見て自分もと周辺の森から木の枝を拾ってきて立てかけたのかもしれない。それが積もり積もって?

ちなみに私たちも、帰る前に岩に木の枝を立てかけてつっかい棒にしたのであった。

ちなみに巨石は3つあるのに夫婦岩。残る一つはなんだ、子供か、それとも不倫相手?

2023/10/13

何本のスギ?

生駒市内の某神社。こんなスギが生えていた。

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これは何本のスギが生えていると言えばよいのだろう。

というのも、根元はこんな風。

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つながっている。これは2本の癒着なのか、地面近くで枝分かれしたのか。幹は、太いところで直径40センチ級だが、根元を図れば1メートルを超える。幹周りなら3メートル超えの大木となる。

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実は、さらに上で分岐しており、幹は3本……いや4本あるのでした。写真でも4本の幹を同時に写すのは難しい。昔、お化け煙突というのがあった(見る方向によっては2本、3本、4本に見える煙突群)が、それと同じか。

この神社は、巨石があって磐座として祀られている。石が非常に重要な意味を持ち、この岩も空を飛んだという逸話もある。そんな非常に古くからあり古事記にも登場するとかしないとかいう神社なのだが、私が注目したのは、こちらのスギなのであった(^^;)。

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ご神体の烏帽子岩。

2023/10/12

「ニュースきん5時」で注目してほしい点

NHKが金曜日午後5時より放送している「ニュースきん5時」に出演することになった。

この番組、「ん曜・きん畿からの5時!大阪から全国へ「地域の視点」を大切にしたニュース番組。多彩なコーナーで心が動く!知られざる社会問題・地域ならではの話題をお届けします。」とあるが、全国放送なのかな?

出演すると言っても、私はもうオンラインで取材を受けており、VTR出演であってナマではない。
テーマは、「山林を相続したらどうする?処分したいけど……」というもの。わりと私にとっても身近な話で、つい最近は91歳の人に山林をどうするか相談を受けたばかりだ。そこにコメントを求められた。

まあ、内容は放送にお任せするとして、注目点を指摘しておきたい。もし、この時間に見ることができる人は(配信もあるから、後にネットでも見られるようである)、気をつけて見てほしいのである。

私はオンラインで出演することになる。それが決まって、まず考えたのは、バックをどうするか?だ(コメント内容じゃないのかよ)。。。

実は我が家のリビングは、リフォームを済ませたばかり。その際に壁一面に書棚を備えつけた。ここを書斎ぽく背景になるようにパソコンをセットしよう。

と決めると、次は背景の書棚にどんな本を並べるかだ(⌒ー⌒)。

すでに本は運び終えているが、今だ十分に分類などをして配置しているわけではない。そこで、私の肩の上に、ちょうど拙著が映るようにしなければ、と思ったのである。もともと出版した拙著の一群は書棚にあるのだが、よく映るようにねえ~。

何より新刊『山林王』を忘れてはイケマセン。1冊だけだと目立たないかな、と思って4冊ほど並べてみた。

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映る書棚の一角。この真ん中部分に私が座るのでその後ろは隠れるが、上段に『山林王』が並んでいるのが見えるように考える。肩というよりは頭の横になるだろうか。4冊あると、目に止まるはず。。。

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どうだ。

さて、目立つかな? これを見て『山林王』って、どんな本?と興味を持つ人が現れないかな?

いじましいほどの宣伝努力でしょう(^o^)ワハハ

ぜひ、番組を見て、本書を手にとってください。

2023/10/11

ビル・ゲイツの「植林しない」宣言の意味するもの

ちょっとしたニュースになっているのは、気候変動をめぐる討論会で「私は植林はしない」と明言したことである。

気候変動対策での植林は「ナンセンス」か ゲイツ氏、議論に参戦

この議論、欧米では以前から展開されてきたと思うが、日本では珍しいかな。(写真は、記事より借用。)

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ちょっと引用すると。

二酸化炭素の相殺方法について問われたゲイツ氏は、「立証が不十分なアプローチの一部」は避けるようにしている

十分な植林を行えば気候危機を解決し得るという主張は「全くのナンセンス」だ

大規模な植林活動は、特に熱帯で害が益を上回るとする論文が、学術誌「トレンズ・イン・エコロジー・アンド・エボリューション(Trends in Ecology and Evolution)」に掲載された。

この議論、私は一言で言えば、カーボン・ニュートラルとネイチャー・ポジティブの対立だと思っている。日本語にすると、脱炭素と生物多様性としたらいいかな。

どくらも地球環境にとって重要として車の両輪とするのが本来の形なのだが、ときに重心をどちらに置くかで対立する。とにかく植林して大気中の二酸化炭素を減らそうという立場と、生物多様性を確保するには単一樹種の植林はダメという意見と。どちらかというと前者の方が力を持っているような雰囲気。

日本でも、脱炭素の必要性はかなり広まって来て、気候変動対策として二酸化炭素の排出を減らす、吸収させるという議論はされている。しかし、生物多様性の方は、まったくだ。
私が講演などで両方を説明しても、反応は「気候変動はわかった」でも「生物多様性は、また後で考える」という感じ。

森林は、実は後者、つまり生物多様性の方に寄与する分が大きい。炭素蓄積の効果はあるにしても、成長に時間がかかるし、植物も呼吸をするので影響力は期待するほどではないと思う。むしろ排出量を減らす方がてっとり早いだろう。

だが、国など行政も、森林関係者も、あまり生物多様性を強調しないね。ひたすら「気候変動対策のために、森林を増やしましょう、管理しましょう、木材を使いましょう」のオンパレードだ。森林の大切さをいうならネイチャー・ポジティブを説明した方がよいと思うが。

私は、裸地などに森林をつくる植林はしたらよいかと思うが、木材を利用するために伐った跡地に植林する行為は、グリーンウォッシュ、つまり環境的マヤカシ、詐欺じゃねえの?と思っている。また単一樹種を植林した場所も、その後の管理で天然生に移り変わるように誘導するべきではないかという意見だ。

常に一歩先を行く私としては(笑)、世間が気候変動対策に二酸化炭素吸収より、まだ口にする人の少ない生物多様性増加策を訴えていくよ。

 

2023/10/10

Y!ニュース「鹿救助隊が鹿虐待?……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「鹿救助隊が鹿虐待?奈良の鹿騒動の裏事情」を書きました。こっちも裏事情(^^;)。

この記事のタイトルをどうしようかとああだこうだと考えているうちに、鹿救助隊の鹿虐待、と書いて、鹿が重なっているからよろしくないなあ、と思ったのだが、それならもっと重ねてやろうかと、奈良の鹿騒動とつけた。短いタイトルに鹿の文字が3回出てくるのはなんじゃらほい。
タイトルというのは考えれば考えるほどドツボにハマるのである。

さて、この事件、何から何までもやもやする。

そもそも通報した獣医というのが、愛護会に属する獣医なのだから、ちょっと異常というか、人間関係悪すぎない?

さらに、全国で70万頭以上殺している鹿なのに、奈良公園だけは保護している中で、虐待などという文字が登場すること自体がイヤらしい。しかし餌不足が虐待になるのか? 鹿苑が過密になったから、「奈良の鹿ではない」害獣には、早く亡くなっていただきたいという気持ちは有り得るのか。奈良公園以外の野生の鹿の寿命は、平均5~6年だという。20年も生きる奈良の鹿が異常なのだ。

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鹿苑。今年の夏は日差しがきつかったかもなあ。

2023/10/09

木育カレッジにも出演

昨日は智頭の「森のえんたく」を紹介したが、その前にもう一つイベントがあった。

木育カレッジ、オンライン講義である。これはどこの主催だったかな……。とりあえず宣伝してくれ、と言われているので(^^;)。

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私は11月の講義を請け負った。こちらは世界の木育・森林環境教育の歴史的背景から現在までの流れを話す予定なのだが……。

急遽、10月も担当することになった。こちらを担当する講師が体調不良で降板したのだ。テーマは「知っておきたい、木と森の話」 となっているが、具体的には「こんな間違いはNG! 木と森についての基礎知識 」らしい。

とはいえ、時間がないので、私と主催者の浅田埼玉大学教授で半分ずつすることになった。私は森に関する知識、浅田氏が木材に関する知識と分担する予定である。

さて、何を話すか。やはり「木を切って使って脱炭素なんて大嘘だ!」とか「林業こそ地球を破壊する!」とか「割り箸こそ環境保全カトラリー!」とか話すかな( ̄ー ̄)ニヤ。なんだ、智頭と変わらんじゃないか、というなかれ。

ちなみに11月は、産業革命の起きたヨーロッパからひもとき、ワンダーフォーゲルやワンデルンシューレ、ユースホステル運動、ボーイスカウト、そして森のようちえんに森のムッレ……と続く流れと、それらが日本に入ってきてからの受容、そして日本では江戸時代の本草学から博物誌へと発展し、牧野富太郎の活躍に、戦後の独自の野外教育や環境教育の戦後史、を語ろう(と、今思いついた)がわからない。まだ何も準備していないから(^^;)。きっと本番までに変わる恐れあり。

さて、本カレッジは、もともと連続講座で受講だが、単発もOKとのことである。

1日参加:各回2,000円
お申込みいただいた方へ振込先の情報をお送りいたします

主催・NPO法人木育・木づかいネット
お問い合わせ:080-4616-8654/info@mokukids.net
https://mokukids.net/

 

2023/10/08

智頭で「森のえんたく」開催

告知してくれと言われつつすっぽかしていたが、もう開催まで1カ月切っていた。あわてて紹介(^^;)。

11月4日に、鳥取県智頭町で「森のえんたく」と名付けたパネルディスカッションが開かれる。私も呼ばれているのであった。

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「森のえんたく in 鳥取県智頭町 〜いまこそ忖度無しに日本の森林の未来を語ろう〜」【2023.11.04】

「森のえんたく」とは

それぞれの立場・役職など関係なく、自由に忖度なく森のことを語る"円"卓会議のコンセプトで行うイベントです。
また、森林に関心がある様々な人たちの縁を繋げるという"縁"卓会議という意味合いも含まれています。

日程:2023年11月4日(土)
時間:開演14:30
(開場14:00)
料金:無料(※懇親会ご参加の方は2,000円)
場所:智頭町総合センター 1F大集会室
   
鳥取県八頭郡智頭町智頭2076-2
お問い合わせ:クレコ・ラボ智頭研究所
Tel:070-6524-5390 mail:creco.chizu@gmail.com


私は、『絶望の林業』の著者として呼ばれるみたいだが、あえて絶望を語る気にならない、というか林業の絶望を話し出したら止まらない(^^;)ので、ここはあえて「希望の林業へのパラダイム転換」という演題で話す。

ま、日本の林業が本当にパラダイム転換できるかどうかは疑わしいが、世界の潮流は変わっているのだよ、今どき皆伐再造林施業なんて前世紀の遺物だよ、木材使って脱炭素?笑わせるんじねえ。また乗り遅れるつもり? と挑発する予定だ( ̄ー ̄)ニヤ。

智頭林業には、記録に残る中でもっとも古い植林木「慶長杉」があることで知られる。私も幾度か訪れているが、400年、500年も前から木を植える林業を始めた先進地だからこそ、時代の先端を捉えてほしい。

どんなパラダイム転換が可能か。え?慶長杉を伐れって!?

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2023/10/07

庭で果実三昧

ベランダの月下美人が咲いた、らしい。

正確には、昨夜咲いたらしいのだ。私が気付いたのは朝。。。

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ちょっと悲しいしぼんだ花を見てしまった。夜に咲く花は、意識しておかないと見ないからなあ。

花だけではない。庭の柑橘や柿も、気がついたら実っていた。まだまだ実は硬くて熟すのは先だと思っていたら、一部は過熟して落ちている。

まだ夏が終わったばかりなのに……と思ったが、よく考えたら10月だった。長く暑さが続いたから、まだ夏の終わり気分だったが、熟してもおかしくない季節である。

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とりあえずいくつか収穫してみた。柿は今年は大豊作だが、実は小さい。リンゴも小さいながら実を収穫。
さらに、貰い物のブドウの王様、シャインマスカットもある。日本人は果物の摂取量が欧米と比べて低いという記事があったが、我が家に関しては一時的に果物三昧である。

今年は、庭にあまり手を入れなかった。あえて放置して木々や草花がどうなるのか見てみようという気持ちだった。すると果樹の成り方がわかる一方で、思いもかけない草が繁茂した。春先はドクダミ、今やヌスビトハギ全盛である。それも外来のアレチヌスビトハギと競合している。そこにツユクサなども伸びてきた。それらを参考に来年はそこそこ手を入れていくつもり。

月下美人も、増やしている。

2023/10/06

皆伐地、定点観測の記録

奈良県の上北山村の皆伐地。その場所を通り掛かるたびに写真に撮り続けている。

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最初は2019年のよう。皆伐地の真ん中に、なぜか新植地があったので撮影したのではないかと思う。ここは山主が違うのだろうか。(3月撮影のため、枯れ草の色が目立つ。)

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これは2021年9月。植林したところは、しっかり育っているようだ。その周りは、結局は植林しなかったようで、草が繁っているだけ。

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これが2023年10月。つい最近の撮影のわけだが、植えたスギ苗は十分に根付いたよう。植えて5年目くらい?
実は背後の山にも皆伐地があるが、そこはだいたい再造林したようで、その変化も確認できる。

5年生としたら、もう丈も2~3メートルぐらいにはなっているだろう。そして、その周辺は相変わらずの草原。むしろ禿げたように見える箇所もある。表土が流れてしまったのだろうか。くしくも2年ごとに撮影しているが、植生の遷移がわかる。

あまり単純化して語れないが、この遷移からも、やはり再造林は効果あると言えるだろう。ちなみに、皆伐跡地が崩れている箇所もあった。
もともとかなりの急傾斜面で、こんなところによく植えたな、そこをよく皆伐したな、と思わせる場所だ。

こんな定点観測もやってみるもんである。

 

 

2023/10/05

木の歴史を推理する

その木が、どんな境遇で育ったのか。ぞんな人生ならぬ木生を歩んだのか。樹木の形や生長度、傷、あるいは周辺の地形や植物などを見て推理するのは、ホームズごっこみたいなものだ(^o^)。

昨日まで歩いてきた森の木々のいくつかを紹介しよう。

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この木の幹はどこ?  きっと何十年か前に風で倒伏しかけたのではないか。ただし根っこは踏ん張って地面につく前に止まった。さて、そこからだ。たまたま上を向いた枝なのか、それとも倒れてから芽吹いた枝が、幹の代わりに天を向いて伸びて太くなった。もっとも二股になっておるな。そこでもともとの梢も負けずに天の方向に曲げて伸び始める。

とまあ、そんな想像をするのは楽しい。

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これは、よく根元を見てほしいのだが、二股に分かれて幹の真下は空洞? 宙に浮いているかのような生え方をしている。

もしかして、これは倒木更新をしたのかもしれない。倒木の上に落ちた種子が腐ってきた倒木の樹皮や苔に芽吹く。根を伸ばし生長する。根はたまたま二方向に伸びたので二股のようになり、腐った倒木から本物の地面に落ちるほど伸びて土の中にも根を張る。そして太くなる。
その頃、倒木はどんどん腐り、雨風や雪に流れて崩れて形をなくす。やがて倒木の表面に伸びていた根を残して消滅する。おかげで根が宙を伸びたようになる。

という風に形成されたのではないかと想像してみた。いや、ほかの可能性もあるかな。

もし木の太さから樹齢を読み取れば、さらに新たな歴史がわかるかもしれない。

2023/10/04

山村コンビニの商品

実は昨日から紀伊半島奥深くの森に入っていた。

そこで見てきたものは圧倒されるものばかりで、紀伊半島侮り難し、の思いを強くしたのだが……。

そこで、気になったことをいくつか。

まず山村のコンビニについて。最近は、いわゆる商店が消えて買い物難民が増える中で、何でも揃う小型店舗という点でコンビニは非常に重要な役割を果たしている。「道の駅」と名乗っていても、経営はコンビニチェーンだったりもする。そして観光客向きだけではなく、地域住民が顧客なのである。わりと日常品がそろっていた。ただ、そこで売っていたのは……。

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薪が置いてあるんだよねえ。しかも、安い。これ、オーナーが自分で生産したの?と聞いてみたくなる(笑)。バーベキューセットも売っていたけどね。

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シカがかなり多い。廃村集落的なところも訪れたのだが、巨大シカと遭遇した。さすがに真正面から写真は撮れず、かろうじて尻だけになったが、大きなオスジカだった。
森の中でも、幾度もシカが飛び出してくる。そしてピューピュー、ピューラリラと鳴くのだ。思わず、私も口笛で返事をする。すると、向こうも応えて返事。なぜか森の中でシカと鳴き声合戦になってしまった。意思疎通はできたのだろうか。

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一方、全国的に大凶作と聞いていたトチの実が豊富に落ちていた。トチの実はクマの重要食料なので、実が凶作だとクマは飢える、人里へ出没すると言われている。が、紀伊半島は、もしかしたら豊作。私は用心のためカランコロンと鳴る鈴を持って歩いたが、クマには遭遇せずに済んだ。ただ、ガスも出て神秘的な光景に震え上がったよ。シカも出るが、妖怪も出そうだった。

 

 

2023/10/03

吉野貯木場に並ぶ製品

吉野の貯木場を歩いた。吉野町で製材所や原木市場などが密集した地域で、昔は水中貯木場、つまりプールも3つあって、吉野川からの運河まであった地区である。

そこで私が撮った製材の山の写真をチェックしていて、我ながら笑った。

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さて、私の興味はどこに向いていたのでしょう(^^;)。

みんな、コワ、端材である。背板ばかりである。これが吉野林業の特徴なのだ。

褒めているんだよ。

背板は、割り箸のほか小物の木工品や内装材になる。そちらの方が高く売れることもあると聞いた。大径木ばかりを自慢しているのが吉野林業ではじゃない。
徹底した木材利用が、収益性を高める。まだ現在の吉野にも、その名残を感じた。

 

2023/10/02

木材自給率、頭打ちの局面

2022年の木材自給率が出た。

「令和4年木材需給表」の公表について  

2022年の木材の総需要量は8509万4000立方メートル。前年比較で296万4000立方メートル(3.6%)増加した。
内訳で見ると、用材が35万2000立方メートル(0.5%)増加、しいたけ原木が3万7000立方メートル(15.0%)減少、燃料材が264万8000立方メートル(18.0%)増加している。ようするに、燃料材が総需要増に大きく貢献しているということ。

国内生産量は、3461万7000立方メートルと前年比較で89万6000立方メートル(2.7%)増加。輸入量も、5047万7000立方メートルと前年比で206万8000立方メートル(4.3%)増加している。

もっとも、ここ数年はウッドショックと、その崩壊による逆ウッドショックが続いているから、前年との増減はあまり参考にならない。価格の乱高下で建築数も乱れている。

とりあえず言えることは、木材自給率は40.7%となり、前年比0.4ポイント低下になったこと。ついに減少か!

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私の推測では、そろそろ木材自給率の伸びは頭打ちするだろうな、と思っていた。ここ20年ほど自給率は基本的に伸び続けてきた。それは外材に食われていた国産材の潜在需要を取りもどす過程だったと思うが、すでに既存の国産材需要は満杯状態ではないかと思う。取れるところは取り返したものの、新たな需要を生み出していない。

そして少子高齢化の進行によって住宅需要は伸びないし、核家族化⇒独居化で必要な家も小さくなる。非住宅建築物だって、人口減社会では伸びない。政府はコンクリート建築を木造に、と必死に唱えているが、そんな新規需要は当てにならずに縮小社会には蟷螂の斧、焼け石に水だろう。
だいたいセメント業界だって生き残りに必死で、需要拡大に取り組んでいるから、木材に勝ち目はあるように思えない。

木材自給率50%をめざしていたが、残念、40%前半で足踏みだ。まあ、総需要が減っても外材をもっと減らせば、比率だけは増やせるかもしれないが。それで50%を達成しても……。

その中では、燃料材の6割が国産材というのは意外。そんなに国産材燃やしているの?(その分、国産パルプ材が減っているのかも)

そろそろ目標を変えた方がよいのではないか。自給率より木材商品の利益額を統計に出してほしい。

 

2023/10/01

大和八木の書店で見つけた本

大和八木奈良県橿原市の中心地で、吉野や飛鳥の入り口に当たる。
その駅前の近鉄百貨店にあるジュンク堂書店を覗く。たいして広くもないのだが。

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しっかりあるではないか(^^)v 平積みだ。さすが地元。

そういや、このフロア、「やぎもくひろば」と名付けられた吉野材満載のコーナーであった。

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ところで、私が気になったのは、拙著のとなりの本。

近畿のとある場所について』。なんとも不思議なタイトル。著者の名が背筋とは? なにより初っぱなに「見つけてくださってありがとうこざいます」とある。たしかに、自分の本を見つけたついで、ではあるが、見つけた(笑)。

パラパラとめくると、どうも怪談というか、オカルト系の不思議なエピソード集のようであるが、一方で小説ぼくもあり。なんとなく場所は奈良が関係しているぽい。

さらに隣には『奈良今昔物語』。古今名作の並ばん、じゃない奈良版パロディ本も並んでいる(^^;)。この3冊が平積みなんだな。

ただ時間がなかったので、購入を先延ばしに。でも、気になる。こんな本づくりもあるんだな、という点で参考になるかも。

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