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森と林業の本

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2023/11/18

道なき道に道を見つける

このところ運動不足。もっと山を歩こうと決めて、裏山に分け入った。

ただ私は同じ道を歩くのが苦手だ。とはいえ我が家を起点とすると、どうしても同じ山になり、歩くルートもいくつかに絞られる。今回も裏山に分け入ったが、何百回も?通った道を登るのはシャクだなあ……と思い出して、この道のここから逸れたら、歩いたことのない所に足を踏み入れるんじゃない?と気付いた。当然、そこに道はないが、道なき森に分け入ることこそ、森歩きの醍醐味じゃないか。

そこで、ついと逸れる。いきなり斜面を登り藪をかき分ける。

ただ道がないというと若干違う。どうしても通りやすい地点を見極めて進む。斜面も登りやすいルートを無意識に探す。すると、道が見えてくるのだ。イノシシの獣道が。獣が通れるんなら人も通れる、というのが持論なのだが、慣れると獣道もちゃんと見えるのだ。

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どこに道があるか。見えるか? 道沿いには、糞や掘り起こしたところがある。

獣も人も、やはり通りやすいところを選ぶので、自分が選ぶ道には獣の足跡もある。獣(この場合はイノシシ)も、常にがむしゃらに進むのではなくて、以前通ったところを何度も通る。だから自然と道ぽくなる。結局、獣道も通りやすいところにできるものだ。

そんな道を進むと、それなりに向かうところも想像ができる。ほら、ため池に出た。

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次に道のないところを進もうと考えて選んだのは、池を一周すること。これは道がないだろう……。

たしかに始めのうちは木や藪をかき分けていたのだが、うっすらと足跡がある。これはイノシシではない。草をなぎ倒し、踏み固めた跡が。と思ったら、こんなものが。

3_20231023134601

道がないのに橋がある(笑)。まあ、橋と言っても板が腐りかけで、長く放置されていたようだが、その周辺に道とは言えない道の痕跡はある。獣道ではない。かつて池の周りを歩く道はあったのだなあ。おそらく池で魚釣りをする人がつくったのだろう。釣りは禁止なのだが……。

結論として、獣も人も、道を作りたがるものなのであった。

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