「日本人は木の時計を強く求めている」?
プレスリリース配信サービスの「PR TIMES」に、
日本の顧客が木製腕時計を好む背景!木の腕時計VEJRHØJがセールを実施
という記事があった。あらかじめ指摘しておくが、このリリースはあくまで広報宣伝である。今回は、デンマークの木製腕時計ブランド、VEJRHØJ(ヴェアホイ)が行った調査結果の紹介とあるが、ようするに広告だ。
それでも、面白い内容を含む。
日本の顧客は木製の時計を強く求めていることが分かりました。VEJRHØJの顧客の60%以上が、「木を使っているから」という理由で商品の購入を決めています。しかもただ木であれば良いというわけではなく、美しい木目や、多くの種類の木材を選べることに価値をおいているようです。
VEJRHØJが最近実施した顧客調査で、日本の顧客が多様な種類の木を使用した腕時計を求めていることが明らかになりました。日本の多くの人々は、黒檀、桜、竹、杉など、様々な木材の選択肢を探求することに熱心であり、その中でも特に、豊かな歴史的背景や意味を持つ木材が好まれています。
他の国々と比べても、日本全体が木材に深い想いを抱いていることは明らかです。この木に対する深い愛情と魅力は、日本の文化とデザインの伝統に深く根付いており、古代にまで遡ることができます。古代日本では、木は伐採された後も生きているものとして認識されていたようです。
とのこと。日本人は、他の国の人より木製を好むというのだろうか。それとも日本に売り込むための煽りだろうか。
私は、幾度となく触れている通り、木製腕時計愛好家である。今も二つを使い分けているが、これまで二桁になるほど購入してきた。先日訪れた智頭町では、初めて私と同じ木製腕時計をしている女性と出会った。滅多にないことなので、そんなに日本で流行っているようには思えないのだが。
だから、あえて指摘しておこう。そんなに甘くないよ、と(^o^)。
ここでは欠点を並べてみる。
まず木材ゆえに、すぐ割れる。最初の頃は、バンドのつなぎ目部分がすぐに割れてしまった。瞬間接着剤などでくっつけてごまかしていたが、度重なるためさすがに無理となった。対策としては樹種が重要で、結局広葉樹材の硬い材質の木を選ぶことだ。
スギやタケなどはお勧めしない。アカシアもダメだった。黒檀やウォルナットのような硬木を選ぼう。
また、バンドが何かに引っかかって力が加わると、割れることもあった。特につなぎ目のピンが弾ける。これも直しようがなかった。
電池が切れて交換しようとすると、木の基盤になるネジがさび付くなどして開けない。結局、電池を交換せずに買い換えることになる。
木製とは関係のないはずだが、マシンが貧弱でよく壊れた。どうも安直な安いマシンを仕入れていることが多いようだ。日本のメーカーのはずが、中国から郵送されてきたこともあった。
……というようは点を押さえながら、この記事の写真を見ると、なんだ、このメーカーの時計は、木製と言いながらバンドは皮革(か合成皮革)じゃないか。それでは木製の良さがあまりない。ベルトが木製だと、非常に軽くて腕の触り心地がよい。そこに価値があるのに。
なお、このようにも書かれている。
現在、VEJRHØJではブラックフライデーセールを実施しており、商品を通常の50%オフでお求めいただけます。ぜひこの機会にどうぞ!
ちなみに、木製腕時計は、案外安い。5000円ぐらいからある。このメーカーのものは2万円からのよう。高いのを買って長く使えたらよいのだが、すぐ壊れることを前提に5000円の品を幾度も買うという手もある。安くても2年ぐらいは使える。
さあて。どうする?
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