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森と林業の本

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2023/11/29

カワイイに勝る感情なし~クマ駆除批判

このところ、立て続けに新聞・雑誌、web等々の記事でクマ出没関係の取材を受けている。また私も執筆している。まだ終わらなさそう。そろそろクマも冬眠に入ってよ。。。

それぞれ媒体によって切り口は違うのだけど、話しているとわりと行き着くのが「町に出没したクマを駆除したら、批判の電話やメールが殺到する」問題。たしかに深刻である。

ところで驚いたのは、ある記者の一人が最初に言った言葉。
「クマってかわいい動物ですよね」

なんか、パワーワードだ (@_@)。
う~ん。かわいいかどうかは感性の問題ではあるが、最初にそこから入るか。「クマは怖いし、危険な動物だが、しぐさがかわいいときもある。その面構えにもかわいさがある」だったらわかるのだが、最初にぬいぐるみ的なかわいさから入られると、「かわいいけど、危険」とはいいづらくなる。説得力がなくなる。どんなに危険でもかわいい動物を殺すなんて、と言われてしまう。「カワイイ」に勝る感情はないのだ。ヤバい。都会人の発想はヤバいぞ。

Photo_20231126105101
「カワイイ」感情の研究書

そこで私も感想は言えるが、肝心の止める方法がない。

一応、私なりの分類 では、批判する人は
・鬱憤晴らし。他人を罵倒するネタとして使っているだけ
・感情的な動物愛護[殺すのはかわいそう、かわいい動物を殺すな……]
・「殺すな」という理由を理論武装している[森林生態系の頂点にいる、野生のシンボル的存在等]

この3つに分けた。面倒くさいのは「理論武装」タイプだが、結局のところ感情的なことを隠して糊塗しているに過ぎない。
いずれも被害を受けている人々への共感力も想像力もない点が共通点と言える。都会人的上から目線である。

私の反論の仕方として、次のように指摘した。

「シカは年間70万頭も駆除している。それには文句をつけないのか。クマとシカをどこで区別しているのか」
「クマだけを守りたがるのは、動物差別ではないのか」「ネコは殺してもいいのか」
「かわいいから殺すなというのは、かわいくないのは殺していいということか」等々。

そして、究極の批判封じは「東京23区内にクマが出没して、一人か二人食い殺されることですなあ」

これで、一発で批判は収まるよ。そんなこと取材では言わなかったけどね。言いたかった(^^;)。

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