スギも紅葉する。それ、病気?
東京の杉並区にある「玉川上水旧水路緑道」の緑道で樹木189本が伐採される予定だったという。一部が枯れ始めていたからだ。それに対して住民から反対運動が起きて、別の専門家を呼んで調べたところ、ほとんど木は健康な状態だった、ただ複数の樹木で必要以上の剪定が行われたために樹勢が落ち、腐朽菌が侵入しやすくなっているところもあったと指摘した……。伐らずに治療できるというのである。区は調査をし直すと決めたそうであるが。
そんな記事を読んで思い出したのが、奈良県十津川村にある玉置神社。
そこには神代杉と呼ばれる樹齢3000年とする巨樹がある。だが、これが数年前に“散髪”された(^^;)。具体的には、着生木を取り除き、枝も剪定した。幹全体に付いていた苔を取り除いたらしい。それが地元の猛反発を食って、その後さまざまな事件があった末に宮司は辞任している。
そもそも着生木があったら、なぜいけないのか。どうやら、県の調査で樹木医が、着生木が多く付いたから樹勢が衰えていると進言したらしい。それを真に受けたのか、そもそもスギの木にいろいろくっついているのを嫌っていた宮司なのか、「散髪」を敢行したのである。
しかし、着生木がついたくらいでスギは樹勢を落としたりしない。寄生する草木や菌類ならともかく、大半は広葉樹なのだ。むしろ共生関係が生まれることもあるという。スギも着生している苔や木々のおかげで利益を得ることもある。
神代杉に限らず、玉置山のスギ巨樹群は、湿潤温暖で霧がよく発生する気候から、樹木に苔が育ち、そこに着生木が根付く景観が生まれて、それが森の荘厳さや神秘的な風域を高めている。むしろ地元の誇りだったのだある。それをさっぱり取り除いてしまった……。
どんな樹木医が衰えるという判断したのか。もちろん、どちらが正しいのかわからないが、誤診は危険(^^;)。
着生しているのは落葉広葉樹が多いから、スギでも紅葉する。
こちらは、取り除かれなかった別の巨樹。こんな具合に紅葉していた。
なかなかオシャレ(笑)。
でも、急傾斜に立っていて少し傾きがち。しかも下に本殿があるから、もし倒れたら本殿を壊してしまうと、ワイヤーロープで固定している。
巨樹群を守るとは、何をどうすればよいのか。樹木医に限らず、「専門家」の判断は慎重を要する。ちなみに私は、樹木の手入れの仕方を聞かれても滅多に応えないよ。自信ないからね。
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