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森と林業の本

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2023年12月

2023/12/28

1年を振り返る

今年は、父が亡くなったので、年賀状は作成しない。もともと送り先は毎年縮小させてきたから、今更だが。ちなみに送られてきたものはありがたく読ませてもらいます。

ただ私の年賀状は、一応は1年間を振り返るようにしているので、ここで触れておく。

〇何といっても、『山林王』出版!

 思えば土倉庄三郎翁を調べ始めてから、ざっと20年が経っている。いや翁を知ったのは、初めて川上村に足を運んだ時だから、1980年代末。ざっと35年前 (@_@)。調べ出したのが2004~05年ぐらい。『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』として出版したのが2012年。『樹喜王 土倉庄三郎』として再版したのが2016年。そして拡大書き下ろしの『山林王』が2023年3月である。

これで打ち止め? いや、まだ先があるのよ~(⌒ー⌒)。

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〇自宅のリビングをリフォーム

 木材業界を自分事として体験。最初はフローリングの張り直しだけのつもりだったが、やがて壁も天井も照明も総取っ替えになった。フローリングはチークだが、壁材に使ったのがフランウッド(以前はケボニー化木材と呼んでいた)。スギとヒノキを広葉樹材のように仕立てて強度・耐久性が増すという、私がイチオシしてきた素材だ。通常はデッキなど外装用だが、日本で初めての内装への使用だ。ここで記録をつくったことを宣言する( ̄^ ̄)。

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なお、その残材を使って、現在は縁側づくりを自前で行っている。

〇クマ出没が急増

 『獣害列島』著者として、クマの記事の取材を受ける側に回る。私も書いたが、とにかくコメント依頼が多い。私はクマの専門家ではないのだよ。研究者に申し訳ない。

〇いきなり盗伐と再造林

 皆伐跡地の再造林がなかなか行われない問題。加えて意識の底に眠らせていた盗伐問題が、ふつふつと蘇る。急遽、各地の取材に走り回る。再造林に関しては、すでにいくつかの媒体で記事にしたが、盗伐の方は来年春に出版予定で進めている。辛い仕事であった。。。

〇奈良のシカ「虐待」問題でも、多くのコメントをした。『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』を書いたものとして放置はできない。

〇東京在住の娘が引っ越し

 新居に入りきれないものを送ると言われて届いた段ボールは、のべ10箱以上。それも特大サイズばかりだ。中に詰まっていたのは……ぬいぐるみとフィギア(-_-;)。コウペンちゃんお茶犬、カードキャプターさくら、鬼滅の刃……我が家が埋まる。おい、なんとかしてくれ。

一緒にワインや日本酒、泡盛、ウイスキーとチョコも入っていた。ゴディバだよ。

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まあ、許してやるか(^_^) 。

さて、今年はブログもこれぐらいにしておこう。来年は、いかなる展開になるだろうか。

2023/12/27

大捜索!大発見?!

今日午前中に、手がけていた仕事の区切りをつけた。ちょっと気が緩む。

さて、どうするか。天気もいいし、山に行こう。そして、探すのだ。スマホを。

12月10日に生駒山の森の中でスマホを紛失したが、すぐに新たなスマホを購入して設定もほぼ全部クリアしたから、現時点で困ることはほとんどない。だが、悔しいではないか。もう一度探しに行くのだ。

スマホを落としたのは、最後に使ってから気付くまでの間の、ほんの数百メートル。しっかり探せば見つかるんじゃないか、という気持ちが拭えない。なくした時も必死に探したが、まだ抜け落ちている区間がある。

ちなみに私が山でスマホを落としたというが、それは山道ではない。だいたい道のない、あっても獣道を進んでいるのである。つまり山のブッシュをかき分けている時なのだが、あの日と同じルートをもう一度歩いて探そうというわけだ。

とりあえず山に入る。少しずつ進むと記憶が蘇る。あの岩。あの倒木。沢の形。あの日もこの辺りを歩いたな、と気付く。道がないからどこを進むかを周辺を見つつ決めるのだが、今回も当時と同じ判断をするように心がける。ここはブッシュが薄いから進みやすい、斜面は急だが近道だ、この先に巨大な倒木があるから迂回しよう……。うんうん、当時も同じ判断をしてルートを決めたはずだ。

もちろん、逸れてしまって覚えのない景色になることもあるが、少しずつ修正して進む。そして周囲に目配りする。スマホの、黒い四角の形に注意を向ける。石に目が止まったり、枯れ葉だったり……。

急斜面を手を突いて登っていると電話が鳴った。地面に坐りこんで出た。まさかの仕事の打ち合わせ。そのままいつもの調子で話して来年の段取りも決める。先方も、こんな森の中にいるとは思うまい。

さて、もう一踏ん張り。見つからなくてもそれは当然という心構えだから、そんなに必死にはならずに済む。ときに植物を観察したりして……。

おっ、ここの沢を確かに渡ったな。飛び越えたんじゃなかったっけ。そう思って、今回も飛び越えようとしたら。。。

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あった。

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おい、本当に見つかったよ! 大発見だ。よくぞ。傷も付かずに。感動の再会だ!

もちろん電源は落ちているが、さて生き返るか。大急ぎで帰って……と言いたいところだが、ちょっと興奮して、それから道のない山の中を突っ走ってしまった(^^;)。

山を堪能してから帰って充電を試す。反応がある。この18日間に雨も降ったが、水に浸かることはなかったから回路は生きていそうだ。しばらくして充電を完了すると、Wi-Fiに自動接続する。電話やLINE以外は、ほとんど回復した。写真も無事で取り出せる。これは、新たな用途を生み出せそう。

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ヘビイチゴか。冬の森でも、こんな果実は意外と豊富にあるものだ。おかげで生き延びる野生動物もいるだろう。

(追記・ヘビイチゴではなく、フユイチゴかもとのご指摘。それなら冬に実ってもおかしくない。)

2023/12/26

日本の山にユーカリは育つか?

ちょっと不思議な記事を見つけた。神戸新聞なのだが。

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兵庫県佐用町の森林でユーカリの植林が行われた。町有地1000平方メートルに、5月に3種類のユーカリの苗木250本、9月に別の2種73本を植えたという。早生樹で、バイオマス燃料や用材として使えるから、林業振興と放置林の解消が目的とか。

街だけでなく大学や民間企業との共同実験だというから、思いつきではなさそうだが、今更ユーカリ? いろいろな樹種を実験するのはかまわないが……。

かつてユーカリは、熱帯雨林地域で早生樹として持て囃された。一方で植えられると、樹皮からのアレロパシーで鳥も昆虫も棲めない、水を猛烈に吸収して川を涸らす悪魔の木だと騒がれたこともある。(『沈黙の森・ユーカリ』)

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私は、その際に専門家を取材して、悪魔の木とはひどすぎるし、濡れ衣でもあると主張した(『「森を守れ」が森を殺す!』所有)。実際、そんな害毒はなかったのである。虫もよくいたらしい。川も涸れない。周辺に草も生える。
ただし、少なくても日本では外来種であるし、用途も怪しい。また早生樹にはコウヨウザンやセンダンなどいろいろ提案されている中で、ユーカリは外されている。

どうもユーカリをシカは食べないと思ったらしい。たしかに葉には油脂分を含み有毒成分もあるのだが……結果は、パクパクと食べられましたとさ(^_^) 。シカはたくましいのだよ。アセビもシダも食べるのだから、ユーカリぐらい平気だろう。寒さに強い品種もあるが、日本の気候に合うだろうか。

成長が早いというのもどうか。センダンも場所によっては上手く育たない。最初こそ急速に伸びるが、頭打ちになる。コウヨウザンも同じような傾向があって、江戸時代から植えられているのに広まらなかった。

もしかして経験があるのかと思って調べると、兵庫県相生市の小学校にユーカリの大木があったらしい。120年生で幹周りが420センチという大木だ。大正初めに木材商の木材置き場にあったものを、相生小学校の校庭に移植されたのだという。それが10年ほど前に突然倒れてしまったらしいが、少なくても兵庫県で100年以上は育った事例があったのだ。山間と海沿いの違いはあるが。

しかし、記念樹や庭木、コアラの餌供給用に植えるならよいが、日本の山にユーカリの森をつくるのは似合わないと思うよ。それとも、将来は佐用町の山にコアラの野生化計画があったりして。

 

 

2023/12/25

不死身のシカ考2

奈良の春日大社の鎮守の森である春日山原始林は、天然記念物であり世界遺産である。

その森をムシャムシャ食べているのが、同じく天然記念物の奈良のシカだ。おかげで原始林は林床がスカスカになってきた。また稚樹が食われるので大木ばかりの高齢化が進んでいる。とくにシイ・カシ類のドングリも食べるので次世代が育たない。また下生えがなくなれば昆虫も減る。それに、春日山から出て周辺の田畑を襲う。農作物を食べても駆除されることない。

というように、シカ害が問題になっているので、少しシカを減らさないか、有体に言えば駆除できないか、という声もある。保護しすぎだというのである。たしかに現代は、ざっと1200頭も奈良のシカはいるが、山の扶養能力からすると、多すぎるようだ。

004_20231225095801若草山のシカ

しかし、だよ。シカの保護は平安時代より続いているのだ。中世の頃は、シカを殺せば首が飛んだ。シカ一頭首一つ、と木曽檜みたいな扱い。江戸時代の犬公方・徳川綱吉の「生類憐れみの令」でも、奈良ではイヌよりシカの方が大切にされた。落語「鹿政談」のような話もある。

その頃も、春日山原始林はシカの住み処であり、かなり食われていたはずだ。

それとも、春日山もシカも守られる自然の摂理か政策があったのか?

これは、私が『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』を執筆の際に、非常に悩んだところだ。いかに説明するか。

結論としては、当時の春日山原始林は、やっぱりボロボロだったんじゃない?ということである。

何か自然界では人か手を加えないと多様で豊かな森が残ると思いがちだが、それこそが間違った思い込みではないか。森とシカがぶつかれば、森は食われて、不死身のシカが勝つのだ。

ただ明治時代に奈良県の県令(知事)が、奈良のシカを狩の対象として追い込んだ。捕まえてすき焼きにした。檻に閉じ込めて餓死させた。だから減ったので、森の植生は蘇った。それは戦後も同じだ。食料難で奈良のシカは密猟されたのだ。

結論。シカのいる自然界は、森がボロボロになる。それこそが自然の摂理だ。

とまあ、こういう論考になった。(詳しくは『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』をお読みください。)

2023/12/24

不死身のシカ考1

今年はクマの出没問題がクローズアップされたが、もともと獣害と言えばシカである。クマなんて人身被害がなければ、ほとんど問題にならなかっただろう。クリスマス・イブの夜だし、シカについて考えた。ヾ(- -;)

シカは、植物質ならなんでも食べる旺盛な食欲と、4、5年で生息数が2倍になると言われる繁殖力で、植生を破壊する。

天敵のオオカミは当てにならない。オオカミが捕食するシカの数などしれたものだ。江戸時代からオオカミがいても数は減らなかった。
ハンターも同じ。現在、年間70万頭以上も駆除しているのに、減らない。
繁殖率が高いうえに、近親交配しても平気。数頭が数百頭まで増えても、遺伝子は異常をきたさないらしい。
シカがバタバタと死ぬような病気も見当たらない。冬の寒さにも耐える。
生まれる数が、どうもメスの方が多い気配がある。雄はハーレムをつくるから繁殖率は想定以上に高いかもしれない。
餌となる草木が減っても、それまで食べなかった樹皮でも落葉でも、毒を含む植物でも食べて生き残る。以前は食べないとされたアセビやシダ植物をもりもり食べる姿を見た。
さらに餌が少ないと体格を小さくするが、数はなかなか減らない。栄養失調になっても死なない。

もはや種として不死身だ。個体は弱くても、種としては叩いても叩いても復活する。

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おかげでシカが増えた森は、植生が破壊される。下生えの草木がなくなることで、昆虫も鳥も減る。裸地になることで土壌流出が増え、より自然破壊が強まる……と言われている。だから、駆除しなければならないのだと。

さて、ここからが疑問だ。まるで弱肉強食とは、肉食動物は弱くて何でも食べるシカは強い、という意味のようだが、それは生態系としておかしいのではないのか。シカは、地球の生態系からはみ出した異物みたいではないか。

そうではなく、シカがいて成り立つ生態系があるはずだし、シカの生息数をコントロールする要素は何かあるはずだ。

この思考続く。

2023/12/23

干された溜め池の生態系

某所を散歩。

そこで改めて,奈良には溜め池が多いことに気付いた。内陸で河川が少ないからだろうか。おかげで溜め池に一つの生態系が生まれている。今では貴重な淡水魚が発見されたり、なかには形態変化を起こした種もある。また溜め池の水を求めて渡り鳥なども集まる。ため池生態系という研究分野があるほどだ。

そこで見かけた池。

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水が抜かれて干されている。これって、わざと水を抜いたのか、それとも降水量が少なくて干し上がったのか。最近は、「池の水、全部抜く」というのが流行っているが……。かいぼりと言って、水を抜いて池の魚を取る漁法もある。あるいは池の底の泥を肥料にするため採取する農法もあった。(今はやっているかなあ。。。)

が、水がなくても泥の中に生態系はあるはずだ。魚の中には、こっそり隠れているのがいるはずだ。貝がじっと耐えているかもしれない。水生昆虫は卵で温存されているのか。亀はどこかに行った?

いっそ干された溜め池の生態学という分野をつくったらどうだ。新たな競争相手のいない分野にならないだろうか。ブルーオーシャンならぬ、ブルーポンド?かも。ドライドポンド・エコロジー?

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水が残ったところにシロサギ。2羽ではないよ。

2023/12/22

ならまちの無人本屋

ならまちは、奈良市の繁華街であるJR奈良駅からと近鉄奈良駅前にかけての地区から少し南より、古い江戸時代の町家が多く残る地区だ。
今ではおしゃれな店も増えて、昼間は観光客も賑わう。みんな一癖ありそうな品揃いの店が多い。それでいて、若者がつくったカフェや、多国籍料理と伝統的な和食の店が混在する。

ところが、少し路地に入ると静かな昔ながらの暮らしが続く。夜は、このとおり人気がない。

そんな夜の街を歩いてみた。

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なかなか、いい雰囲気。

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そして入った店。ここは無人古本屋「ふうせんかずら」だ。ID番号を打ち込んで入り、本を物色してカードで支払い、無人カフェで読書できる(お茶は一杯無料)という趣向だ。無人だから人件費をギリギリまで落とせるし、本を売ることと、カフェでくつろぎ読書を楽しむこと。この空間を売る商売だ。

先日紹介した啓林堂書店の「書院」読書コーナーと通じる発想かもしれない。奈良から新たな試みが次々と行われているのは楽しい。
書店というビジネスモデルも、新たな挑戦が必要な時代である。

ちなみに、私が滞在中は、ほかに誰もこなかった(^_^) 。いや、それが快適だったりして。こんな店か我が家の近くにあったらよいのだが。ならまちに三畳間の部屋を借りて、しばらく住んでみたいと思ったのであった。

 

2023/12/21

オーバーツーリズム対策!「パラオの誓約書」

コロナ禍が明けて、またもや日本各地にオーバーツーリズムが発生している。

そもそも日本だけでなく、世界的規模で起きていることだ。日本は、まだましな方という。
とはいえ京都などは駅前から渋滞がずっと続く。まあ、危機的な財政赤字を抱えているのだから、それで儲けたらいいじゃん、と思わぬでもないのだが……。ちなみに奈良は、適正規模の観光客増加だよ。いらっしゃい(笑)。

さて、そんな対策に見習いたいのが太平洋のパラオ共和国だ。日本の委任統治領だったこともあり、太平洋戦争の激戦地を多数抱えている。
同時に現在はダイビングなどのスポットとして人気。

483859267_620x415有名なロックアイランド

ただ、この国の入国審査には、こんなものがある。

環境を汚さないと誓った人だけ入国可能に。パラオの世界初となる観光政策 

世界初の環境保護誓約「パラオ・プレッジ(Palau Pledge)」を制定したのだ。観光客が入国する際、パラオの子供たちと将来の世代のパラオ人のために、島内で生態学的および文化的に責任ある行動をとるというパスポート誓約書に署名する必要がある。そしてパスポートにスタンプが押されて、ようやく入国できる仕組みだそう。

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この誓約書には、11個のチェックリストがある。たとえば「果物や植物を採らないこと」、「海洋生物に餌を与えないこと」、さらに「地元のビジネスやコミュニティをサポートすること」、「現地の文化や人について学ぶこと」といった事項だ。違反すると罰金も課されるとか。

おもしれえ。実際に取り締まりは可能かどうかは別として、入国時の心構えとして大切なのではないだろうか。

2023/12/20

先駆者・ヤスキチ・ムラカミと湯浅年子

大阪大学中之島芸術センターで開かれている「ヤスキチ・ムラカミの世界展」を覗いてきた。パネル展示ばかりで拍子抜けしたのだが。

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村上は、戦前オーストラリアに渡り、写真家などの事業で多彩に活躍した人物で、真珠貝採集事業にも関わる中で、潜水スーツを開発したという。今でこそ、スキューバダイビングに欠かせないダイビングスーツ(昔はアクアラングと商品名で呼んだものだ)だが、元は真珠貝を取ろうと深海にもぐり潜水病にならないスーツをつくろうという目的があったようだ。そして基礎的な構造を開発して特許も取っていた。

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ところが、そこに戦争が始まり、日本人として強制収容される。そのため特許の更新ができず、1943年に特許切れ。ところが、この年にフランス人クストーが、村上とほぼ同じ仕組みの潜水スーツ、アクアラングを開発して特許を取ったという。
一時期潜水服と言えばアクアラングだったが、実は日本人が先に開発していたとは。村上は、収容所内で亡くなったために、その業績も人物像さえ忘れ去られてしまったが、世界で最初の潜水服は日本人の発明かもしれない。

この展示会は、そうしたヤスキチ・ムラカミを発掘した人の発表であった。

 

そして、最近呼んだ本。

パリに生きた科学者湯浅年子」(山崎美和恵著 岩波ジュニア新書)

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こちらもすごい人だ。戦前、核物理学を志していた科学者なのである。女性科学者という点からも稀なる存在だろう。

そして1940年にフランスヘ留学。すでに欧州大戦は始まっていた時期で、フランスもナチス・ドイツに宣戦布告していた。それでもラジウム研究所でキュリー夫妻の娘と知遇を得て放射線の研究を行った。

しかし、すぐにドイツ侵攻でパリは陥落。ナチスの支配下でも自作したβ線崩壊の観測して研究を続けるが、今度は連合軍の反抗でパリが開放される。日本人である彼女はドイツ・ベルリンに避難させられ、今度はベルリンで研究を続けた。ところが、すぐにソ連軍の侵攻でベルリンが陥落。結局シベリア経由で日本に帰される。ベルリンでつくったβ線分光器を担いで持ち帰ったという。日本に着いたのが45年6月30日で、8月に広島と長崎に新型爆弾が投下されるが、それが原子爆弾だと見抜き翌日には授業で説明していたという。そして日本も降伏……。

なんとも凄まじい経験をしているのだ。戦後日本では原子核研究が禁止されたが、当時の日本で彼女は欧米の最先端の研究情報を持っていたから、引く手あまただったよう。そして49年に再びフランスへ渡る。そこで終生を送るが、当地でも実力を認められて国際会議などで活躍した。日本人の女性科学者の先駆者と言えるかもしれない。巣鴨に「湯浅年子の碑」また奨学金も設立されている。


私は、彼らのような世間にあまり知られていないが、大事を成した人に興味がある。逆に言えば有名人に興味はない。別に無名の人を有名にしてやろうと思うわけではないが、業績は正当な評価をすべきだし、何より未知の業績を発掘することに面白味を感じる。

そろそろ本腰を入れて取り組むかなあ。

 

2023/12/19

ふるさと納税で、 焼き畑オーナー?

私は、ふるさと納税というのが大嫌いで、これこそ愚策日本人の精神を砕く天下の愚策と思っている。

だいたい他自治体の税金の分捕り合戦というのが腹立つ。それも餌のような返礼品をぶら下げて。本当の故郷か、その自治体に何らかの縁があって支援したい、場合によっては災害復旧とか何か素敵なプロジェクトのために寄付するのならわかるが、まったく知らない自治体の返礼品をカタログから見つけて「納税」するなんて……返礼品で税金をもてあそび心を卑しくするのが目的か。政策も堕ちるところまで堕ちるか、と思わせる。

また募集する自治体も、納税額の3割ほどを返礼品にかけ、さらに納税サイトを運営する企業にまで金をかすめ取られるのだ。税金を中抜きするようなものである。何も自ら生み出さず、他所の税金かすめ取るのが仕事だと思っている役人のバカさ加減よ。

とまあ、ふるさと納税の悪口を言い出したら止まらないのだが。

こんな「返礼品」を見つけた。

【GCF限定】焼畑オーナー制度【数量限定】

ようするに宮崎県椎葉村で、ふるさと納税の返礼品として焼き畑オーナーになれるというものだ。

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椎葉村は、焼き畑を今も行っていることで知られるが、その応援の意味があるらしい。

ちなみに、私は30年ぐらい前に村を訪れたことがある。焼き畑を見るために。大変だったわ。日向市までは船で行き、そこからバスの予定が、台風で道が崩れていてバスは途中までと、奥のコースに分断されているという。間は林道を使う。ならばレンタカーをと考えたが、知らない人には通れないと言われ、結局、分断部分を地元のタクシーでつなぎ、ようやくたどり着いたら、そこからまた焼き畑現場までタクシー……。

着いたら、もう火入れは終わっていたのであった……(泣)。

とまあ、これほどの思い出を持っているなら、ふるさと納税も悪くないかな。火入れはさせてくれるのか。山に火を付けたい! この欲望をかなえられるなら……。

でも、納税しないけど(笑)。くだらん政策の後押しはしたくない。

ちなみに私が椎葉の焼き畑に興味を持ったのは、焼き畑が林業の始まりだから。育成林業の始まりは、山を焼いて数年間は農作物を育てるが、その後に木の苗を植えて約30年間放置する。すると森がもどる。それを伐採するのが林業だったのだ。それを確認するためであった。

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取材陣も来ていたな。マスコミというより研究者だったと思うが。

 

2023/12/18

「限られた林業労働力で持続可能な林業経営」研究

こんな研究を見つけた。

地域の限られた林業労働力で持続可能な森林経営を行うには

東京大学の大学院のもののようだが、何やら今風のテーマではないか。概要によると

  • 与えた林業事業体の労働者数に合わせ、植栽、下刈り、除伐、間伐、主伐等の各作業の労働投入量の合計を年単位で最適化する「地域林業循環モデル」を開発しました。
  • このモデルを高齢の森林が多くを占める人工林に適用することにより、皆伐再造林を進める施業を行う林分と長伐期施業林分に分けることが可能となりました。
  • 10名の作業員で構成される林業事業体で持続的な森林経営を行っていくためには、760 ha程度の人工林面積が適正な規模であることを示しました。

モデルでは、高齢級に偏った人工林の齢級構成を元に戻すべく、主伐として皆伐を進めていきます。皆伐した林分には、その1年後に植栽、2~6年後に下刈り、15年後に除伐、20年後に保育間伐、40年後に利用間伐を行うというモデルを構築しました(図1)。

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内容は、私が紹介するより自分で読んで考えてください。

しかし、結論は、10人の事業体で760ヘクタールの森林が必要とは……。そもそも皆伐施業を取らない方が持続的だと思うが。

 

2023/12/17

林業統計のタイムラグ

ぼんやり林野庁のモクレポを眺めていると、ふと疑問。

木材業界、住宅建設業界は落ち込んでいるはずなのに、前年比が100%を越えているものが多い。おかしいなあ、と思って見ていて、気がついた。統計は2022年のものなのだ。当たり前だが、まだ23年が終わっていなくて、その集計にも時間がかかるから、現在発表されている年間統計の数字は前年度のものであった。これって、統計の勘違いポイントかも。オレだけ?

22年は、コロナ禍から少しずつ回復期に入っていたのだろう、多少は伸びている。ロシアのウクライナ侵攻から、また狂乱物価が始まり、落ち込んでいくが、年間を通せばかろうじて100%を越えるのか。

幸い、1~10月までの統計の前年比も出している。そちらに注目しなければ。

たとえば2022年の新設住宅着工戸数は、86.0万戸(前年比100.4%)だ。だが2023年1~10月の新設住宅着工戸数は、68.9万戸(前年同期比95.7%)、このうち木造住宅は38.0万戸(同95.3%)。また2023年1~10月の住宅着工床面積で見ると、54000万平方メートル(前年同期比93.4%)、このうち木造住宅は34.700万平方メートル(同92.0%)となる。

さらに2023年1~10月は、木材産業の倒産件数が21件(前年同期比191%)、負債金額が4,16600万円(同58%)。

2023年11月の正角(乾燥材)の価格は、スギ88,600円/立方メートル(前年同期比80%)、ヒノキは106,200円/立方メートル(同84%)。
2023年1月~10月累計の品目別輸入量は、丸太が前年同期比83%、製材が63%、合板が67%、集成材が57%、木質ペレットが128%となった。2021年同期比では、丸太が79%、製材が70%、合板が73%、集成材が68%、木質ペレットが196%

木材製品の大半が値下がり、物量減少している中で木質ペレットだけが異常に伸びている。

本気で経営なり、将来を予測しようと思ったら、タイムラグをなるべく小さく前年同期比を見るべきだろうね。

ちなみに、もう一つ目についたのが、ウッドデザイン賞2023。

なんと! 大阪・関西万博特別賞なるものが新設されていた。そんな場合かね(笑)。

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2023/12/16

「フォレスト」はシカの国

森を英語では、何というか。一般にはフォレストだが、ウッドもある。その原義は何か、両者の違いは……。時折考えることである。

先日、紹介した近鉄奈良駅前の啓林堂だが、そこで購入した本がある。

「ロビン・フッドの森 ~中世イギリス森林史へのお誘い  遠山茂樹著 刀水書房刊」

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目次
第一章 ロビン・フッド物語
第二章 ガメリン物語
第三章 森と兎
第四章 ニューフォレストの怪
第五章「森の町」ウッドストック
第六章 マグナ・カルタと御料林憲章
第七章 グロウヴリィの森

まだ読み始めたばかりだが、その冒頭に、重大なヒントがあった。イギリスと言っても、ほぼイングランドのことで、著者も専門は自然科学系ではなく文学系。だから英語と歴史を中心とする。

一般にフォレストは広大な森、ウッドは小規模な森だという。……ちょっと疑問。別の本に、フォレストは人工林、ウッドはワイルドに通じ天然林だ……という説明もあったからだ。 

だが後に続くのが、中世ではウッドこそ自然の森とあり、フォレストは王の鹿狩りのための禁猟区を意味したというのだ。だからロイヤル・フォレストともいう。
そして禁猟区は、必ずしも樹木や森林地とは結びつかない。泥炭ヒースの丘や牧草地、農地、さらには町村も含めた概念だと。地形的にも平坦地が多く、日本のように森=山ではない。また王の土地とも言えず、他人の土地も含めていた。あくまで狩猟の場ということらしい。だから重要なのは、シカなのである。

シカのいる王の土地……その概念に日本で当てはまるのは、もはや奈良公園しかないね(^^;)。奈良=イングランド説を唱えよう。

王ならぬ天皇の都であり、シカがいるのだから。ちなみにシカを保護し始めたのは、だいたい平安時代に入ってから。奈良時代はシカを猟で獲ることも行われていた。

そういやイングランド、ないし現代のイギリスは、森林率が極めて低い。たしか10何%か、1割ぐらいだった。それでも増やしたのである。産業革命時代は4%くらいしか森は残っていなかったはず。(ここんとこ記憶だけ)

だが中世には,まだまだ多くの森があった。それも平地林だ。広大な森が広がり、見通しも効かない。統治の及ばぬアウトローの世界。だからは山賊の巣になったり、小人が住んでいたり、ドラゴンも魔女もいたのだろう。そこに迷い込むお姫様もいたに違いない。

奈良にも、小人や龍や魔女、そしてお姫様もいたんだろう。本書を奈良で買ったのも何かの縁(^_^) 。

……ま、本文を読むのはこれからだけど。

 

2023/12/15

CO2を出す森

今日は生暖かい。ところがスーパーに入ったら、ひんやりした。冷房を入れているのだ。おそらく生鮮品を扱っている都合、あまり気温が高いとマズいのだろう。それが12月中旬とは。

気候変動枠組条約のCOP28が1日延長して昨日までドバイで開かれていた。あまり話題になっていないが、サウジなど産油国が「化石燃料を段階的に廃止する」という宣言案を拒否していた。結局「脱却を進める」に丸めて採択したようだが……。

世界気象機関は、2023年の世界の平均気温が産業革命前を約1.4度上回る見通しだと発表した。つまり1.5度までもうあとわずかのところまで来てしまっている。

1.5度というのは、いわゆるティッピング・ポイントだ。ここに達すると、もう後戻りできない。気候は暴走し始め、仮にその後脱炭素を進めても(あるいは世界の主要都市が壊滅して、排出量が減ったとしても)、もう元にはもどらないと言われている。

ただ、私は、もうティッピングポイントは超えたと思っている。世界で進めている合意内容はゆるゆるの妥協の産物だし、全部実行しても無理だろうと予想しているからだ。

それに国際エネルギー機関は、すでにこの合意が完全に実施されたとしても、今回合意された2030年までの温室効果ガスの排出量は、1.5度目標を達成するために必要な削減量の3割でしかないとの指摘を発表している。

問題はその後だ。まず覚悟しないといけないのは、気温上昇が続けば、森林はCO2の吸収源ではなくなる。排出源になるだろうということ。森があることで、より気候変動が激しくなるかもしれない。

気温が高すぎると光合成量は著しく落ちるが、呼吸量は増える。それどころか樹木はメタンまで排出する。また森林土壌も、腐葉土がどんどん分解されて有機物がCO2となって排出される。結果的に森林は温暖化を進める元凶になるのではないか。どうする?地球。

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写真は、京都の芦生の森で行われている樹木が排出するメタンを検出するための装置。

ちなみに来週は寒波が来るそうですな(>_<)

それも気候変動ですわ。

詳しく知りたい方は、サイドバーにある『虚構の森』をどうぞ。

2023/12/14

書店に読書コーナー!

近鉄奈良駅前の啓林堂書店に寄った。以前よりリニューアルをしていたのは知っていたが、完成したようだ。
内装はわりとシックに。そんなに広いわけではないが、書棚の引っ越しをかなりやったようで、昔の記憶の棚を探してうろうろ。

そして、偶然ながら、本日は目玉のコーナーのプレオープン日であった。(明日よりオープン)

それが「書院」。なんと書店にある読書コーナーなのだ。ここでじっくり本を読んでください、ということか。そしてコーヒーに紅茶、ソフトドリンクを無料提供。店舗内の書籍を自由に閲覧できる。蔵書10万冊と謳っているが、それって売り物だから(^^;)。

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心赴くままに本と過ごす場所 「書院」誕生。2023 年 12 月 15日(金)グランドオープン。

喫茶ではなく、あくまで読書だから、ほとんど一人ずつ区切られている。籠もって「孤独の読書」だけでなく、電源もあるからPC持ち込んで仕事をすることもできる。ワークスペースにもなるか。ロッカーもあった。
利用はもちろん有料(1時間800円、1日2000円)だが、本を購入したら1冊につき100円キャッシュバック。チラシを持っていると半額。

なかなか大胆なコンセプトだ。言ってみれば、有料立ち読み……いや坐り読みコーナー設置といったところか。どの本を買うかじっくり時間をかけて選ぶのによいかもしれない。
本が売れない時代と言われる中で、最近は書店内にカフェやグッズ類販売コーナーを併設することは珍しくなかったが、本そのものに焦点をてて本を楽しむスペースの提供と来たか。そして本を売るにつなげられるか。

これは気ぜわしい東京ではリスクもあると思うが、奈良なら可能かもしれない。

尋ねると、日本で最初の試みとか。ここまで来たら、次は泊まるスペースもほしい。。。読書ホテルというのはあるが、朝まで生読書、一晩で何冊読めるか選手権!とか。

ちなみに、同店には、拙著『山林王』が3冊ありました(^-^)/ 。ほかにも拙著があるかどうかは確認できなかったが、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』は奈良のシカをもっとも網羅的に記した本なのだから置いてほしい。だいたい拙著で林業に触れる本は、たいいてい吉野林業が登場するのだから。『絶望の林業』も『森林異変』『森と日本人の1500年』とそうなら、『森は怪しいワンダーランド』だってそう。『いま里山が必要な理由』も生駒山に深く触れているし、ズバリ『生駒山 歴史・文化・自然にふれる』も私が半分ぐらい書いた共著だ。置いてほしい(^_^) 。絶版かもしれないけど。

読書で楽しむ奈良、というのもアリだと思うな。

 

 

2023/12/13

森林環境譲与税、都市の逆襲??

なんか、怪獣映画のタイトルみたいだが……(^^;)。

森林環境税の分配をする森林環境譲与税の配分基準、これまで森林面積50%、人口30%、それに林業従事者数で決めてきた。すると人口の大きな都市部に多めの配分が行われるので、不満が出ていた。そこで政府は当初、森林面積の割合を60%に、人口割合を20%に縮小するはずだったのだが、結果的に森林面積を55%に上げ、人口は25%に引き下げることに決着したらしい。

森林面積割合、55%に 森林環境譲与税の配分見直し―政府・与党

山村からすると、一歩後退なのだろうが、これって、都市部の自治体の逆襲があったのか。せっかく億単位の税があったのに、大幅な減収となると睨んで反対ロビー活動を行ったのだろうな。ようするに取れるものは取る、という卑しさだろう(笑)。

しかし、都市はどこにその金を使うのだろうか。森林もなけれは林業もやってない、林業従事者もいないのに。使い道に困るのではないか。結局,、外材使った木造建築を建てたりして。

ただ、参考になるデータがある。

これまでも都市部の自治体は、山間地域の自治体と協定を結んで金を自治体外に支出してきた経緯があるのだ。

東京都荒川区は22年、友好関係にある福島市と「森林整備の実施に関する協定」を結んだ。福島市佐原地区にある雑木林の一部0.3ヘクタールの森林整備業務を、福島県北森林組合に委託する。また新潟県村上市、甲府市とも連携して、区民の森林体験事業も実施している。
ほかに豊島区は、秩父市と長野県箕輪町とで、5カ年の森林整備協定を結んだ。
東京都杉並区もやり始めたし、名古屋市、千葉県浦安市、埼玉県上尾市などは、22年度から関係自治体と連携事業を行っている。

行政区域を超えた森林整備での自治体間連携というのはアリなのだね。

私自身は、この手の雑木林の整備なんて見せかけみたいなものなので、あまり信用しないが、使い道のない税金をほしい自治体に回すのは賛成だ。ただし、もっとアイデアを出せよ、ということに尽きる。

そして、そのアイデアは、山間自治体側から提案すべきだろう。ふるさと納税ではないが、面白いアイデアで全国に呼びかけたら、うちの譲与税を使ってくれ~という依頼が殺到するかもしれない。知らんけど。

000763431総務省

2023/12/12

クマ記事最終局面?「AERA.dot」に登場

AERA.dotに「クマ被害急増ついに八王子にも出没?「人間がクマのすみかを奪っている」は間違い 専門家が語る本当の理由」の記事が載った。

なんと、私が全面的に登場する。しかも「専門家」として。

いやー私は、少なくてもクマの専門家ではない、と何度も念を押したのだけどな。それに秋田県を始めとして各地のクマ出没地を取材し、またクマの研究者などにも会っているみたい。その上で私を専門家としたのだから、信じよう( ̄^ ̄)、違うって。。。

12月に入って、いくら暖冬とはいえ、そろそろ冬眠するクマも増えてきただろうから、出没も減るだろう。つまり最終局面に入った。私も、いくつもの雑誌・新聞・ネットメディアに出没したが、これが最後になるのではないか。

また記事でも、さまざまな切り口をとった。そもそも夏前に「今年右派クマの出没が増える」と警告していたし、さらに出没するのはクマの生息数が増えているから、それでは野生動物の生息数の調べ方は、というのから、クマ駆除にクレームをつける人物らの正体、そして暖冬で冬眠するしない? まで。

最後?の記事で私が強調したかったのは、東京23区にもそのうち出没しますよ、という点だ。

その点をアエラも採用してくれた。そして掲載寸前に八王子市の役所近くに出没が確認されている。タイムリー!(笑)
ただ、ついに圏央道を越えて都会にも、とニュースでは騒いでいるが、どこを都会にしているんじゃい。これまで八王子は田舎扱いしていたんじゃなかったのか。

なお、クマが増えた理由として、私は「人工林にだって餌はある」という点を強調した。スギしか生えていないスギ林はそんなに多くない。

クマも、人工林も、実際に現場に行かずに研究したり意見を言っている人が多いのではないか。

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2023/12/10

紛失!!!

久しぶりに生駒山を歩いてみよう、と出かけた。

そして、紛失した。スマホを……(-_-;)。

最後に使った(写真撮影)ところから、数百メートルしか進んでいないのだが、見つからない。その道を往復して探したが見つからず。撮影の後、胸ポケットに入れたのだが、用心してウインドブレーカーの前を締めたのに、しばらくして暑くなり開けたんだよなあ。。。

倒木を乗り越えたり、くぐったりしたから、そのときに落としたと思うが、山の中では落葉に埋もれたか斜面を転がり落ちたか、もう探しようがない。

というわけで、すぐにDoCoMoショップに駆け込む。そして、相談の末、端末を新しく買い直すことに決定。ただし手続は明日。それに、多分設定などを全部やり直すわけだから、しばらく時間がかかりそう。

というわけで、急な電話連絡は無理となります。メールとメッセンジャーはパソコンで見るので多少の時間差はあるかと。LINEは読めず、過去ログも全部消えるんだろうな。

というわけですので、今晩は何もありませんように。

2023/12/09

『列島ゴルフ場の科学』を20年前に

私には「ゴルフ場評論家」という肩書があるのをご存じだろうか。あるいはゴルフ場ジャーナリスト

間違ってもゴルフ評論家とかゴルフジャーナリストではないから、ご注意。あくまでゴルフ場を生態学的に論じる。ゴルフ場経営については若干論じるが、ゴルファーの好むコースうんぬんとか言ったスポーツ的なゴルフ場ではない。

実は2009年に『ゴルフ場は自然がいっぱい』という本をちくま新書から出版している。また、その改訂版の『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』というKindle電子本もある。

この本を書こうと思ったのは、2000年前後には世の中にゴルフ場批判があふれていて、ゴルフは今のクマのように嫌われていたからだ。ただ、その批判内容が、私のようなゴルフをしない素人にも嘘っぱちとデタラメ、偏見だらけとわかる内容だった。そこで、一から勉強してその正体を確かめる、というのが目的だった。

その時も、その文献探しに難渋した。ゴルフ批判本はあるが、ゴルフ場の自然をしっかり調査したような本はない。ドシロウトの思いつき批判(というより悪口)を並べただけでは、資料的価値はまったくないのである。今ならトンデモ本扱いできるだろう。

それから約20年。

ついに出た。科学的なゴルフ場の本が。

『列島ゴルフ場の科学』 伊藤幹二・伊藤操子著 大阪公立大学出版会

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目次を紹介する。

まえがき
序章 「列島ゴルフ場の科学」とは
第1部 土地利用史と風土が特徴づける日本のゴルフ場
 第1章 世界に類を見ない存在様式
  1.日本列島の地勢的特徴
  2.ゴルフ場の立地と分布
  3.列島の地形とゴルフコース
  4.日本のゴルフコースのレイアウト
  5.在来種で構成されるコース芝生
 第2章 ゴルフ場ができる以前の植生史
  1.多くのゴルフ場が位置する「里山」とは
  2.里山利用の始まり:縄文の頃の話
     BOX1-1 日本の表土
     BOX1-2 ヒトとイネ科植生
  3.里山の発達:古墳の頃からの話
  4.里山利用の変化:近世の話
     BOX1-3 「土砂留奉行制度」って何?
  5.政府による里山の管理:明治以降の話
 第3章 日本の社会経済的環境とゴルフ場造成史
  1.米軍ミリタリー・ゴルフコースに始まる本格造成
  2.造成・ゴルフブームの始まり
  3.造成・ゴルフブームの推移
  4.造成を可能にした日本の芝生産業
     BOX1-4 社名を日本芝にした起業家のお話
  5.造成を可能にしたもう一つの要因:農村・農業社会の変貌
 第4章 ゴルフ場はそもそもどう発祥し発達してきたのか
  1.ゴルフ場の起源
  2.ゴルフ場の専門職グリーンキーパーの誕生
     BOX1-5 米国グリーンキーパーの芝生管理意識
  3.英国ゴルフ場の技術外史
  4.米国ゴルフ場の技術外史
  5.日本のゴルフ場技術外史
 第5章 市民・住民視点からのゴルフ場
  1.利用者の視点から
  2.地域住民から見たゴルフ場
  3.外国人の目に映る日本のゴルフ場
  4.農薬汚染の場という偏見について
     BOX1-6 「農薬」って何?
第2部 ゴルフ場の緑地機能とその地域的役割
 第6章 日本のゴルフ場緑地の構造
  1.ゴルフ場施設の規模と構成
  2.ゴルフ場芝地の構造
  3.ゴルフ場樹林の構造
     BOX2-1 残置森林とは
  4.ゴルフ場のため池と治山構造
 第7章 ゴルフ場植生の表土保全機能
  1.芝地部分の主要機能
  2.樹林部分の主要機能
  3.林内ラフの機能
  4.ゴルフ場湿地の機能
 第8章 ゴルフ場緑地を構成要素とする里山樹林
  1.里山樹林の変遷
  2.里山の経済・文化を支えた山林樹種
  3.里山のスギ・ヒノキ林を考える
  4.管理放棄が進む里山樹林
  5.里山樹林に広がる感染症
  6.里山樹林に潜む厄介な野生動物たち
 第9章 地域の環境資産へのゴルフ場緑地の役割
  1.地域の水循環とゴルフ場緑地 88
  2.地域の炭素貯蔵庫としてのゴルフ場緑地
     BOX2-2 ゴルフ場の温室効果ガスインベントリ
  3.地域の生態系・生物多様性保全とゴルフ場の役割
  4.地域の有用広葉樹の保存
第3部 植生管理現場の視点で見たゴルフ場緑地
 第10章 植生管理の現状
  1.データの収集:グリーンキーパーへのアンケート
  2.管理体制について
  3.キーパーが管理上重視していること
  4.キーパーが管理上苦慮していること
 第11章 主な生物害の実態と対応
  1.増大する雑草問題
     BOX3-1 スズメノカタビラ:人間が芝生から追い出せない小さな生物
  2.獣害増加の実態
  3.ゴルフ場緑地に起こっている生態系の変調
 第12章 直面する人材と経費不足の危機
  1.昨今の実態
  2.植生維持が危惧される将来
 第13章 グリーンキーパーが実感する自然環境保全
  <九州地区> <関西地区> <中部地区> <関東地区> <東北地区> <北海道地区>
第4部 日本の環境資源としてのゴルフ場の未来
 第14章 ゴルフ場の地場産業としての存在意義
  1.ゴルフ場事業は農林ビジネスなのか
  2.ゴルフ場緑地の外部経済効果とは
  3.ゴルフ場が持つ「オプション価値」
 第15章 地域のグリーンインフラとゴルフ場
  1.グリーンインフラとは
  2.地域で進行するグリーンインフラの変質
  3.ゴルフ場緑地がメガソーラー施設に
  4.植生管理不作為で止まらない雑草の蔓延
 第16章 気候変動対策とゴルフ場の役割
  1.気候変動対策へのグローバルな動き
  2.地方社会に求められている対応
  3.ゴルフ場にできることは
 第17章 ゴルフ場活用に向けてのビジネスモデルづくり
  1.ゴルフ場活用の方向性について
  2.緑地管理ビジネス
  3.炭素クレジットビジネス
  4.地域活性化・レジャービジネス
  5.実現に向けての体制づくりについて
  6.ゴルフ場の2050年は
参考文献・資料
あとがき
索引

目次を追うだけで、極めて自然科学的にゴルフ場環境を論じた内容だとわかるだろう。また歴史的背景なども描かれている。

著者の二人は夫婦だが、どちらも本筋は植物学……というより雑草学の専門家だ。とくに操子さんは、京都大学名誉教授だし、幹二さんは兵庫県の樹木医会の設立者。

本書は、専門書ぽいが、読みやすくて一般人にも向けられている。コラム欄にも面白いネタがいっぱいあるのだが、これはまた別の機会に紹介したい。

ちなみに、私がこの本を20年前に読んでいたら、『ゴルフ場は自然がいっぱい』は執筆しなかったかもなあ。ただ14年前と今とはさまざまな状況が変わっている。地球環境問題がこんなにクローズアップされると思わなかった。

またゴルフ場評論をやるか。

 

2023/12/08

もはやクマの専門家(笑)~北日本新聞

クマの出没多発現象について、いろいろ取材を受けたり自ら執筆したりしているが、その一つの掲載紙が届いたので紹介しよう。

北日本新聞(主に富山県の新聞)である。3人登場である。

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三者三様の意見だが、とくに齟齬は見られない。

ただ軽井沢のピッキオの手法は、お金がある自治体が以前より地道に取り組んできた成果であって、現時点でほかの市町村は真似できないだろう。20年かけてたどり着いたのだから。
学習放獣の効果は、私は疑わしく思っているし、発信器をつけても、それで電池が保てるのは半年ぐらいではないか。そして電波をとらえて存在位置を確認するのは、かなり手間のかかる作業だ。GPSをつけて自動的に位置を教えてくれるのならいいのだが……。

さて、今後は「AERA.dot」にも記事が掲載予定。そういや「週刊プレイボーイ」の取材も受けたが、載ったのだろうか。確認できない。

 

2023/12/07

「美林遺産」と林野庁の「美林誘導プロジェクト」

たまたま拙ブログのある記事を探していた。それがなかなか見つからないのだが、代わりに別の面白い記事を見つけた。

ジオパーク認定より美林認定を

これが、なかなか面白い(笑)。ジブンデイウナ

「世界美林遺産」を選定しないかという思いつきなのだ。

人が作った美しい森を認定することで、林業イメージをよくするのである。おそらく昔から人工林を育ててきたのは、欧米のほかは日本くらいだろう。否応なく日本で選定は数多いはずだ。
いやその前に日本版として、日本美林遺産とか美林一〇〇選も選んでもいいかもしれない。

日本美林遺産、美林百選か。悪くない。今は、何でも認定ブームだからウケるのではないか。

とまあ、そんなこと思っていたら、林野庁が、青森ヒバと秋田スギの美林誘導プロジェクトというのを進めていることを知った。これは、「東北森林管理局において、文献調査により日本三大美林の対象やその姿を明らかにするとともに、新たに美林を増やしていくための課題の整理、誘導手法等について検討」するものだという。

美林の歴史的文献調査や美林をつくるための誘導手法(施業法)を探るのもいいが、ちゃんと美林の定義を設けて、どんどん認定していけば、我が山にも美林をつくろうと考える山主が現れるかもしれない。人工林も美しいのだ、という広報効果はバカにできないはずだ。また観光名所にすることもできる。間伐なども、美林をつくるための世話と言えば、理解を得やすい。皆伐は……これはダメでしょ。

ちなみに林野庁のプロジェクトの資料に目を通すと、戦前の美林とは、やはり生産力などに重きを置いているように感じる。また人の手でいかに整然と整備しているかも重要なようだ。京都の北山杉のような究極の人工林を美林と考えていたのだろう。

しかし、今なら天然林に近い森、針広混交林も生物多様性が高いとか、景観的にも見映えがよいとした定義もできるだろう。スギの木の下に広葉樹が繁っている森を美しいと思う感性もあるはずだ。あるいは明治神宮の森のような、明らかに人がつくった照葉樹林(^_^) を取り上げることもできる。きっと森の管理者にも励みになると思うのだが。

どうだろう、今からでも認定事業を(^o^)。私は審査委員になって、全国を回りたい。

4_20231207204101北山杉

20220201_091353明治神宮参道

どちらも人工林の美林だ。

ちなみに探していた記事は、いつ書いたのだろう……。

2023/12/06

足立美術館の庭園

先日の島根行では、足立美術館にも寄ってきた。

ご存じ? アメリカの庭園雑誌のランキングで20年連続日本一を続けている。美術館と言いつつも(横山大観コレクションや魯山人コレクションも有名だが)、実は巨大な日本庭園が見どころの施設だ。田園風景の中に、この美術館だけがさん然と広がっており、朝から客も行列をつくっていた。私も、その一人。

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これは、ほんの一部だが、何百坪、いや何万坪もの広大な敷地に、寸分の狂いもなく整備された日本庭園は圧巻だ。とにかく木々の配置、枝振り、地面の苔まで計算されているし、それが意匠を狂わせていない。

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これは「生の掛け軸」とあるが、景観をそのまま建物に取り入れている。日本庭園とは目に映る光景を美しく感じるように人が完全に管理した空間なのだと感じる。

ところで、この3枚の写真の共通点(2枚目と3枚目は同じ)は何か。それは滝が写っていること。
そして、この滝も人工の滝なのである。ここに滝があると美しく感じると計算されているわけだ。

そこで、もう一枚。

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こちらは、先月訪れた鳥取県智頭町の「みたき園」という施設。こちらも広大な敷地なのだが、その中には滝がある。

が、よく見るとヘンだ。だって、山の頂上から水が落ちている……。

景観を作り込む日本庭園とは、自然の法則反してもいいのだろうか。

戦前、「林業芸術論」と「林業非芸術論」の論争があったのだが、そこで林業の作り出す景観は、造園的な美しさが必要か、という命題が掲げられた。木材生産をやや巣ためには美しさが基準になるのか? という、森林美学的な観点からの議論だ。
そこには西洋の林学を取り入れることによる森づくりの限界を問う面もあったように私は読み取った。人工林は自然の法則から外してもよいのかどうか、という論争のようにも読み取れる。

足立美術館の庭を眺めながら、そんなこと考えたらダメかもね。

2023/12/05

Y!ニュース「…リングの木材は、再利用できるのか」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「関西万博の大屋根リングの木材は、再利用できるのか」を執筆しました。

今話題の関西万博(笑)。あまりよい方向の話題ではないのだけど。

そこで注目を集めるのがリング状大屋根だ。

たしかにデザイン的には面白いと思うし、それを木造するのもよいと思うが、なぜ批判を浴びるのか。

やっぱり344億円とバカ高いことだろう。最初の企画案では104億円だったのに、なぜ膨らんだ?
ここを追求したい気もしたが、森林ジャーナリストとしてはあまり面白くない。そこで「木材のリユース」を叫んでいるところに注目した。こちらはツッコミどころがたくさんあって面白い(笑)。

もちろん私だけでなく、情報をいただける方がいたのだが。おかげでまとめることができた。

問題はヴィジュアルだ。当然、建築中のリングの写真か、せめてパース図がほしい。すでにマスコミには流れているではないか。
しかし、Yahoo!ニュースにはないのである(泣)。

もしかして万博事務局のホームページのプレスリリース等で無料提供していないかなあ、と探してみたが、なかった。Yahoo!も、記者登録しておいてくれ。

かろうじてあった「ミャクミャク」の写真。でも、これでは記事の意図と合わない。

そこで無理やり記事で「ミャクミャク」について触れるという荒技をした\(^o^)/。ま、どちらもリング状ではないか。なんとか記事と写真が連動させたのである。

こちらは、私的ブログだから載せます(~o~)。

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2023/12/04

ヤバ!ジュンク堂難波店

ジュンク堂書店難波店で、例によってチェック。

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おー、こういう棚があるとテンション上がるね(^^;)。平積みに私の関係した本がずらり。
『絶望の林業』、『山林王』、『フィンランド 虚像の森』は監訳。左端の『樹盗』は、共同通信に書評を書いている。

別の棚には、『虚構の森』

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思わず、私も本をごそっと買ってしまったよ。まだ読んでないけど。


2023/12/03

生駒山は野生動物の楽園?

クマ問題で立て続けに取材を受け、私も記事を書く状態がまだ続いている。世間はクマの出没に異常に反応している、というのが私の感想。

ところで私が話す内容だが、クマの専門家ではないので、クマの生態について知りたければ研究者にどうぞ、と言っている。私の担当は、日本の自然の変化と野生動物が増えた理由だ。もちろん推測に過ぎないが。そしてクマに留まらずシカの話も多くなり、さらにイノシシのの話題提供もする。それは奈良のシカであり、生駒山に出るイノシシである。ちなみに、地元の生駒山にはクマとシカは出ない(^^;)。

ただ、想像以上に生駒山は動物が多い。イタチもタヌキも出る。昔はライオンも見かけたという話題もあって……(信じない人は検索してみてほしい)。

先日、山で、ココココココ、という音を聞いた。木が鳴っている。一瞬、風で木々の枝がぶつかっているのかと思ったが、すぐにキツツキと気付いて探した。

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ようやく発見。穴から出たり入ったりを繰り返しているが、マイホームの拡張工事中なのだろうか。こうした巣づくりに枯れ木も必要なのかも。

そして、湿地で実に明瞭な獣道も発見。

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イノシシの足跡だらけだわ。

やっぱり生駒山は野生動物の楽園ということで。

2023/12/02

たたら製鉄の木炭

島根県、とくに出雲地方はたたら製鉄で栄えた土地である。

たたらとは、簡単に言えば砂鉄を木炭と一緒に燃やして鉄分を抽出し玉鋼(たまはがね)をつくる方法だが……。

驚いたのは、そこで使う木炭。和鋼博物館に陳列されていたのを見て、仰天した。

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ほとんど丸太。

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太さ20センチは十分超えて、25センチに届くかもしれない丸太をそのまま木炭にしていた。

これを焼けたこともすごい。木炭といえば、せいぜい10センチ以下の小振りな木からつくると思ったが、甘かったぜ。
これを3昼夜燃やし続けるのだから大量に使う(1回に12トンともいう)。ざっと1ヘクタールの木を使うそうだ。

加えて砂鉄も山を崩して磁鉄鉱を集めるのだから、環境には相当な負担となっただろう。もっとも、現在の製鉄の環境負荷が少ないとも言えないが。

 

2023/12/01

古代出雲神殿!

 

島根で訪れたのは、たたら場だけではない。古代出雲歴史博物館も訪問。

ちょうど「伊勢と出雲」展をしている。ヤマト人としては、何かと考えるとであった。

そして。

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やっぱり古代の出雲社殿を見なくては。

こんなのが本当に平安時代にあったらなあ。ただ、この模型はさっぱりしていて綺麗すぎ。もっとリアルな木材加工の様子を再現して欲しかったな。 もっとも本当に見たかったのは、この柱なんだよ。それは、また明日。

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