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森と林業と動物の本

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2023/12/16

「フォレスト」はシカの国

森を英語では、何というか。一般にはフォレストだが、ウッドもある。その原義は何か、両者の違いは……。時折考えることである。

先日、紹介した近鉄奈良駅前の啓林堂だが、そこで購入した本がある。

「ロビン・フッドの森 ~中世イギリス森林史へのお誘い  遠山茂樹著 刀水書房刊」

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目次
第一章 ロビン・フッド物語
第二章 ガメリン物語
第三章 森と兎
第四章 ニューフォレストの怪
第五章「森の町」ウッドストック
第六章 マグナ・カルタと御料林憲章
第七章 グロウヴリィの森

まだ読み始めたばかりだが、その冒頭に、重大なヒントがあった。イギリスと言っても、ほぼイングランドのことで、著者も専門は自然科学系ではなく文学系。だから英語と歴史を中心とする。

一般にフォレストは広大な森、ウッドは小規模な森だという。……ちょっと疑問。別の本に、フォレストは人工林、ウッドはワイルドに通じ天然林だ……という説明もあったからだ。 

だが後に続くのが、中世ではウッドこそ自然の森とあり、フォレストは王の鹿狩りのための禁猟区を意味したというのだ。だからロイヤル・フォレストともいう。
そして禁猟区は、必ずしも樹木や森林地とは結びつかない。泥炭ヒースの丘や牧草地、農地、さらには町村も含めた概念だと。地形的にも平坦地が多く、日本のように森=山ではない。また王の土地とも言えず、他人の土地も含めていた。あくまで狩猟の場ということらしい。だから重要なのは、シカなのである。

シカのいる王の土地……その概念に日本で当てはまるのは、もはや奈良公園しかないね(^^;)。奈良=イングランド説を唱えよう。

王ならぬ天皇の都であり、シカがいるのだから。ちなみにシカを保護し始めたのは、だいたい平安時代に入ってから。奈良時代はシカを猟で獲ることも行われていた。

そういやイングランド、ないし現代のイギリスは、森林率が極めて低い。たしか10何%か、1割ぐらいだった。それでも増やしたのである。産業革命時代は4%くらいしか森は残っていなかったはず。(ここんとこ記憶だけ)

だが中世には,まだまだ多くの森があった。それも平地林だ。広大な森が広がり、見通しも効かない。統治の及ばぬアウトローの世界。だからは山賊の巣になったり、小人が住んでいたり、ドラゴンも魔女もいたのだろう。そこに迷い込むお姫様もいたに違いない。

奈良にも、小人や龍や魔女、そしてお姫様もいたんだろう。本書を奈良で買ったのも何かの縁(^_^) 。

……ま、本文を読むのはこれからだけど。

 

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